読むだけで疲れてしまう長いタイトルだが、中身はびっくりするほど無い。
と、
最初に断っておく。
さて、本題である。
タブレット版の新聞を見ていた家内。
スワイプする手を止め、
「樹齢400年の大楓が見頃だって。有名らしかよ。」
「どこか?そりゃ。」
「雷山の千如寺って書いてある。」
「雷山!ほい来た。雷山は行きたかった所や。」
ブイーーーーーン
暇人夫婦、
誠に身軽である。
雷山千如寺大悲王院。
その歴史は古く、遠く成務天皇の御代まで遡るとか。
俄には信じがたいが、それが本当なら、仏教伝来の遙か昔である。
樹齢400年の大楓。
色づき始めと言ったところである。
緑と赤のグラデーション。
これはこれで良いものだ。
境内を一回りしたら、書院へ戻り建物の中へ。
心学庭園。
室町時代作庭とある。
縁側では、一匹の三毛猫(ここでの写真を取り損ねた)が、飽きもせずにこの庭を眺めている。
順路に従い進む。
薄暗い廊下に、ガラスケースが無造作に置かれていた。
覗き込むと、
ドヒャー!
後醍醐天皇の綸旨やん。
すぐ横には、九州の南朝方と複雑に絡み合う足利直冬の書状もある。
他にも、大内義信や竜造寺隆信等の武将の書状も。
ついでに言えば、太閤秀吉の物もあったりする。
時を忘れて見入っていると、家内から置いて行かれてしまった。
そろそろ行かなきゃ。
木段を上って行くと、
先ほどの三毛が下を見下ろしている。
「おや、また会ったねえ。何見てる。」
猫の後ろに立ち、私も見下ろしてみると、
あー、なるほど。
これはいい眺めだ。
どうもこの猫、相当な庭好きらしい。
観音堂内は狭く、列を作って巡らねばならぬ。
前に数人のオバサングループがいた。
拝む事に執心するあまり・・・
腹が立つので詳細は省く。
例によって癇癪を起こした私。
「えーーい!」
その場でUターンである。
従って、
この先の五百羅漢や、この寺院の核心部の開山堂の画像は、
無い!
暫く例の書状の前で時間を潰した後、書院玄関で待っていると、ヤツが戻ってきた。
「観音堂の先が良かったのに。まったく、短気は損気よ。」
「うるさい!とっとと、次行くぞ。」
ブイーーーン
冒頭の『雷山は行きたかった所』とは、ここの事だったのだ。
髙良山のそれと、同時期、同目的で作られたであろう神籠石である。
雷山登山道を暫く行くと、
石の水門が見えてくる。
これも神籠石列石の一部である。
神籠石は水門を挟むように並んでいた。
列石を眺め、
「やっぱりね。髙良山や女山と同じやな。」
ポンと手を打ち、独り合点が行く私であった。
雷山神社
特筆すべきはこの大銀杏。
銀杏の葉に混じり、濃い緑の葉が出ているのがお分かりだろうか。
この銀杏には、椿など数種類がその幹に根を張り、間借りしているのだ。
大した太っ腹である。
「雨がポツポツ降り出した。帰るぞ。」
「短気は損気・・・」
「やかましか!!」