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みけこの詰め合わせ

慢性

2005-02-04 | リウマチ

「関節リウマチ」はちょっと前までは「慢性関節リウマチ」という病名だった。 2002年に慢性がはずされた。
早期治療で治る可能性があるからということと、患者に希望を与えるためだということなのだけれど・・・

はっきり言おう、これには嘘があるとわたしは思う。

リウマチの完治できない世界と治る可能性のある世界、これは別の世界ではなく連続した同じ世界なのだ。 昨日までは「治らないんだからわがまま言うな」だったのが、今日からは「治るんだからそう思うべきだ」に切り替えでーすと言われて、「はい、希望を持ちます」とお目目を輝かせるケナゲな患者には、わたしはなれそうもない。
かと言って別に希望を失ってグレているわけではなくて、現実に則して淡々と暮らしているだけだ。 あまりに非現実的な夢を見すぎるとアブナイ人になってしまう。(ーー;

新しい薬もできて治療は変わり、治る病気になったのだと言うけれど、それは医療側からのマクロ的な見方だ。 個々の患者の立場でミクロ的に見れば、まだそういう状況には至っていない。 それどころかなすすべもなく悪化の一途をたどる人も少なくない。 完治にはあくまでも早期発見・早期治療が前提なのだ。

わたしの場合を愚痴ってみれば・・・せっかく早期の発見だったのに、治療は早期どころか何年も治療してもらえなかった。 今後寛解したとしても、壊れた関節は元には戻らないし、今までの問題点が取り戻せるわけではない。 いまさら間に合わない事柄というものは確実に存在する。
そのころはCRPだけが重視される時代だったのだと思うし、色々な理由が絡んだ結果のこと、もちろんわたしはそのへんを割り引いて考えている。 恨み言をいうつもりはない。
しかし、そんな時代があったことさえ忘れたような喜びようは何なのだ? 「もっと悪くならないと何もすることはない」と言った同じ口が「早期発見・早期治療が重要だ」なんて、今さら偉そうに何を言うか!

おっと、つい激昂してしまった。(^^;ゞ

でも正直なところ、病歴が長くなっている患者は今さら治らないからつまらないんですよね? もう古くなってしまった患者のことなんか忘れて、新しい患者でチャレンジして成功すればいいんだってことですよね?・・・わたしたちはそんないらない患者だ。

ところが、肝心の新薬は重症の患者に限っての使用(理由は国の台所事情)で、せっかく早期発見されたのに使えずにがっかりしたという人も多い。 相変わらず診断直後は様子見で、X線に変化が出てないから治療必要ないと言い放つ医師もいるとかで、日本の医療現場では本当の早期の患者はいないも同然という話も聞く。

もう、いったい誰を治す気でいるのだろう?と思う・・・医療の進歩はあまりこっちを向いているとは思えない。

無論、医師が全員そう考えているとは思わない。 現場では真剣に取り組んでくれていることはわかっている。 治療の進歩も評価できる、全く恩恵がないわけではない。 けれど、全てが解決して100% HAPPYというわけにはいかない。

医療の進歩を強調したい気持ちはわかるが、まだ慢性をはずすべきじゃなかったんじゃないかと思う。
元々、誤解されやすい病気だけど、場合によってはもっと悪い状況になるのではないかと心配。
病名から慢性が消えて、新聞にも治るようになったと書いてあったのに、治らないのは患者自身の努力が足りないからではと言われそうだ。

つまりは・・・ほとんどの患者にとってはいままでもこれからもずっと慢性なのだと思う。

コメント (12)
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