はっぱのまんま part4 バンコク編

インドネシアで日本語教師&お気楽OL生活→東京で学生生活→そして、バンコクへ。何が待ち構えているのか?!

私とことばと、生きるということ〜ダブルの学生の声を聴く〜

2016-09-04 21:56:48 | タイー日本語教育
タイで所属している研究会(JMHERAT)の
「私とことばと、生きるということ〜ダブルの学生の声を聴く〜」が終了しました。

日・タイ国際結婚の子どもである大学生たちの生の声を通して、
当事者のライフヒストリーに迫るセミナーでしたが、
当日は保護者や教育関係者などの参加者からも多くの質問が飛び交い、
会場が一体となった大変活気ある時間を過ごせたのではないかと思います。

私はというと・・・
ムスメが生まれ、ムスメとタイに移り住んできているので
運営委員ではありますが「移動を経験させる親」というの立場で話を聴いてしまいます。


それまでその言語で築き上げてきた世界が失われる不安。
周りはわかっているのに、自分だけがわからないという寂しさ。
そして、わからなかったら取り残される…という厳しい子どもの世界。
それから、親から押し付けられたことの理不尽さ。

この4点が強く印象に残った当事者の語りです。

親として子どもに期待するあまり…心配するあまり…
ついつい先回りして手を、口を、出してしまう。

ワタシのムスメは、まだ1歳9ヶ月ですが、
既にそういうことがよくあるよなぁ・・・と反省。

まだまだ一人でいろいろできる時期ではありませんが、
ムスメの気持ちを尊重した子育てをしていきたいなと思いました。

当事者の語り、
もう一つ強く心にのこったものがあります。
それは、「楽しいから好きになる。好きになるから学べる。」
これは、子育てだけでなく日本語教師としても心に留めておかなければならない一言ですね。



ポキポキ

2016-06-25 18:23:25 | タイー日本語教育
現在非常勤講師として一般の方々を対象に
週に1度日本語を教えているワタシ。

3度目の授業でしたが・・・
作文は20人定員のところに申込が16人。
今日は人が少なく出席者10人以下。
出席者が少ないと…前回の授業が悪かったのか…と
落ち込んでしまいます。

日本語教師に限ったことではありませんが、
人を相手にする仕事は心が折れることが多々あり、
ココロが強くないといけないと思うのですが…なかなかなれず、
些細なことでココロがポキポキ折れてしまっています(苦笑)

まぁ、折れて強くなるのが日本語教師?
ポキポキ折れながらもツヨクタクマシクなっていきたいと思います。


リアルな日本語

2016-06-18 20:20:23 | タイー日本語教育
日本語のクラスでは生徒は「リアルな日本」を知りたがっていて、
そこで教える日本語も「リアルな日本」で使える「リアルな日本語」でなければならないと思っています。
上級になればなるほど、その「リアルな日本語」を説得力を持って説明することが求められます。

私は、大学を卒業後すぐに日本語教師になりインドネシアの大学で教えていた時
生徒が求めている「リアルな日本」「リアルな日本語」を伝えることができず
生徒たちに対し申し訳ない気持ちと、できない自分に対し悔しい気持ちを抱き
社会をもっと知りたいと思い一度日本語教師をやめ会社勤めをしました。

会社で働いた経験のおかけで、
柔軟性や知っていることの幅はひろがったかな、と思っています。

さて、今日の「仕事の日本語」の講義では「リアルな日本語」を痛感するやりとりがありました。
今日のテーマは「社外での自己紹介」だったのですが、そのモデル文に

「これからはブンと私とで御社を担当させていただきます。」

という一文がありました。これに対して受講生の一人が、

先生、「ブンと私とで」のところですが、どうして「で」を使いますか?
「が」ではありませんか?

と質問してきました。
…主体を表す「が」ではなくて、どうして「で」なのかという質問ですが、
確かに「で」は場所や原因や手段などに使われるので、あまり人には使いません。

とっさに
「が」を使うと自分がしゃしゃり出ている感じがします。
社外の人に対する文なので、自分を全面に出すのは良くないと思います。
だから「が」ではなくて「会社の道具としての私」という意味合いで
手段を表す「で」を使っているのではないでしょうか。
と答え、その場は凌ぎました。

家に帰ってきて調べたら
・数量・部分量を表わす名詞について、行為者の数量を表わす。
・場所を表わす用法の拡張として、主語を場所風に表わすときに用いることがある。

・・・どっちかだったかな?
まぁ、2番目だったら間違いでもないか・・・いや、違ったかな。
来週訂正しなければ。

日本語、難しいなぁ(苦笑)


日本語講座@バンコク

2016-06-11 19:31:37 | タイー日本語教育
2016年前期の日本語講座が始まりました。

今回の担当は
「作文中級」と「仕事の日本語」です。

「作文中級」は前回も受け持ったので、シラバス作成もさほど難しくなかったですが、
「仕事の日本語」は初めて受け持つ講座なので、どのような授業形態にするか悩みましたが、

講座の前半では、日系企業に就職した場合に遭遇する場面に焦点をあて、
ケーススタディやロールプレイという方法で場面にあった適切な会話・行動をとれるような練習をし、
後半では、日本語で「書く」ことが求められる状況を設定し、
ビジネス場面で書く可能性が高いと思われるメールや文章をタスク形式で考える練習をすることにしました。

今日は、その1回目の授業。
一番緊張する会です。

ドキドキとワクワクを胸に教室のドアを開けると・・・
「どんな先生だろ?」「どんな授業をするのだろ?」と
目をキラキラさせた受講生の姿がありました。

1回目の授業は、社内挨拶の会話練習やロールプレイをした後、
「歓迎会で課の人々を前にユーモアを含んだ自己紹介をする」
という場を設定し全員に自己紹介をしてもらいました。

初対面の授業でいきなり日本語で発表で
戸惑いや照れもあり早口になったり口ごもったりする受講生もいましたが
なかなか聞き応えのある自己紹介が多く、今後の授業が楽しみになりました。


これから、残り13回。
休みの日に日本語を勉強しにきてくれる受講生の皆さんに
「時間の無駄だった」と思われないように、
精一杯頑張りたいと思います!!

日本人、「なのに」と「だから」

2016-04-02 18:32:36 | タイー日本語教育
ダブル(国際結婚で生まれた子)の大学生たちと話し合う会に参加してきました。

まず各々のこれまでの移動歴と言語環境を話してもらい、
次に「大変だったこと」をテーマに自分の体験を語ってもらうという会です。

私はファシリテーターとして会にさんかしたのですが
予想以上に衝撃的な話がたくさんあり
親としても
日本語教師としても
考えさせられることの多い会でした。

数名が
「親に急にタイに(日本に)連れて行かれて、最初は何もわからなくて、
 それに、今まで知らなかった人が急に親戚とかになって・・・大変でした。」
というようなことを語っていました。

子どもにとって急に言葉も文化も人々もそれまでとは違う世界に連れて行かれる…心身的な負担。
それを痛いほど考えさせられる語りだと思いました。

そして、みんなが口を揃えて語っていたのが
「日本人だから」「日本人なのに」という言葉をこれまでに何度も何度も投げかけられ…
この言葉に何度も何度も傷ついたということ。
周りに同じ境遇の子がおらず、孤立していたということ。

何だか、胸が締め付けられる思いがしました。
「日本人」という枠で評価。
私も気付かないうちにしてしまっているのではないかと…
それが相手をどれくらい傷つけることなのかと…
語りを聴きながら、反省しまくりました。

会全体としては
成果もありましたが、それ以上に課題もたくさん見付かりました。

次回に向けて、
日本語教師としての自分ができること、そして、しなければならないこと
それらを整理して、行動に移していきたいものです。

・・・頑張るぞっ!!