涙と笑いのHIV奮闘記

自分とは無関係と思っていた病気と思いがけなく向かい合い、闘病を続けるオヤジの日記。
仕事に趣味に彼氏との生活に奮闘中。

吉野川沿いの古刹:栄山寺

2010年11月07日 | 外出・旅行

奈良県、和歌山県、大阪府が接する奈良県中西部にある五條市。
ここを流れる吉野川の河畔にひっそりと建つ栄山寺。
奈良時代719年に、藤原南家初代武智麻呂が開創した寺です。
今日行ってきました。



境内には国宝が二つ。


まず、目に入ってくるのは梵鐘(国宝)。
青銅製の梵鐘で、高さ1.874m、口径89cm。
菅原道真の撰、斧の唐風の書と伝えられる銘文が刻まれています。
京都神護寺、宇治平等院の鐘とともに、平安三絶の鐘とされているそうです。


 


少し行くと右側にあるのが七重の石塔婆。
高さ360cmの塔婆で、奈良時代建立のようです。
わが国の最も古い石造塔の一つだそうです。


  


石塔婆のちょっと手前には「大日堂」。
凄く荒れ果てた感のあるお堂です。
床板の隙間から地面が見え、入道するところなど、体重をかけるとたわみ、
歩くと抜けそうです。
内部には後背も天蓋も修復されていない観世音菩薩、不動明王、弘法大師像が並んでいます。


  
 


本堂。
内部には薬師如来坐像(重文)、十二神将像(重文)が並んでいます。
薬師如来像は木造漆箔、1431年に作られた寄木造の仏像です。
鮮やかな金箔が残っています。
十二神将像は1454~1455年に造立されたものです。
これもまた金箔、装飾の色彩が見事に残っていました。
本堂の正面には高さ243cmの石灯篭(重文)が立っています1284年に作られたそうです。


栄山寺は、南朝の後村上、長慶、後亀山三帝の行在所だったため、史蹟指定されています。


  


さて、もう一つの国宝は八角円堂。


藤原仲麻呂が父母の追善供養の為建立したお堂です。
外観は八角形なのですが、内部の身舎(もや)は四角形です。
内陣周囲には八角形の柱が四本立っています。
その柱や天井には剥落が激しいものの、天平時代の壁画が残っています。(重文)


六角円堂の中には平安後期の如来形坐像、天部形立像などが安置されています。
天部像は破損が激しく、簡単に修復されているのが痛々しいです。


 
 


荒廃しつつある寺という趣です。


30日限定ですが、デジブックに写真を載せています。
http://www.digibook.net/d/50c4ad5b8118ba15aeb5d4438084f115/?viewerMode=fullWindow


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2 コメント

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Unknown (ちくん)
2010-11-09 22:00:03
栄山寺、5月の連休のときに訪れたのですが山吹の花が境内のあちらこちらに咲いていて、新緑がいっぱいでした。荒れていま
したが、周りの自然の中にしっくりとけこんでいい雰囲気でした。
でも秋だと、荒れ具合を寂しく感じそうです。

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滅びの美 (やじ)
2010-11-13 20:19:24
>ちくんさん
ちょうどパンフレットのような風景だったのでしょうね。

どうも我々「あわれ」を感じるものに魅力を感じるようです。
法隆寺の仏像三体の一体を磨いて金ぴかにすると趣が無いと、残りの二体をそのままにしたとか、薬師寺の西塔が風情が無いとか。
でも、当時は金ピカの仏像、丹に塗られた建造物がありがたかったわけですね。

栄山寺の仏像はかなり金ぴかでびっくりしました。
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