やってきました!
新国立競技場へ!!
そうです、今日は今年から始まったラグビーの新リーグ、「ジャパンラグビーリーグワン」の初代王者を決める決勝戦。
組み合わせは昨年の決勝戦と同じ、東京サントリーサンゴリアス(以下東京SG)対埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下埼玉KN)。
昨年は最後のトップリーグを制した埼玉KN、そして今年のリーグ戦を首位快走し昨年の雪辱を期す東京SG。
リーグ戦は序盤から首位を譲らず駆け抜けた東京SGでしたが、15節の東芝ブレイブルーパス東京(以下BL東京)との東京ダービーでは準決勝で対戦が予想される相手に完敗し、準決勝では日本代表中村の逆転トライで劇的な決勝進出。
埼玉KNは国立での開幕戦と第二節を新型コロナウィルス感染者を出して不戦敗して以降、14連勝で2位まで浮上し、最終節と準決勝で難敵クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下S東京ベイ)に連勝して決勝進出してきました。
勢い的には、そして先日発表された日本代表メンバーの人数を見ても埼玉KN有利に見えますが、スポーツに絶対はなし。
熱い戦いが予想されます。
席はバックスタンド三層ですがほぼ中央で全体が俯瞰できる良い席。
リーグ戦の得点王、東京SGのFBダミアン・マッケンジーが入念にキックの練習をしています。
助走前に左足を上げる独特のルーティーンもしっかりやっています。
アップも終了し、一旦選手が退場し、いよいよ出場選手の入場です。
まずは埼玉KNが入場。
PR稲垣、HO坂手をスタメンにし、PRヴァル・アサエリ・愛、HO堀江をサブにした後半勝負のフロントロー、他スタメンではLOジャック・コーネルセン、FLベン・ガンター、SO山沢、CTBディラン・ライリー、WTB竹山、FB野口と、リザーブでLO長谷川と11名もの現役日本代表が名を連ねています。
他に、LOにイングランド代表ジョージ・クルーズ、CTBにウェールズ代表のハドレー・パークス、WTBにオーストラリア代表のマリカ・コロインベテ、日本代表歴のある所ではNo.8布巻、SH内田と、もう反則級の豪華メンバー。
東京SGも入場してきました。
こちらも埼玉KNほどではないにしても、今日も豪華メンバーです。
スタメンではPR垣永、SH流、WTB尾崎、リザ―ブではPR森川、HO堀越、LO辻、No.8テビタ・タタフ、CTB中野が先日発表の日本代表。
何故リザーブに現役日本代表がこんなに・・・。
スタメンではHO北出、LOツイ・ヘンドリック、CTB中村亮がW杯経験のある元日本代表、CTBサム・ケレビはオーストラリア代表、そしてリーグ得点王のFBダミアン・マッケンジーはニュージーランド代表。
ダミアン・マッケンジーは来年のW杯出場が期待されます。
スタメンのPR石原、FL小澤も日本代表歴があり、埼玉KNほどではないですがさすが、ファイナル進出チームという面々。
他のチームはここまで代表歴のある選手は揃っていないので、やっぱり現在の2強なんだろうなと改めて思いました。
何はともあれ、東京SGのキックオフで試合開始!
ラグビーの試合は開始数分で動くことが多いです。
序盤の動きが硬い時間帯でのミスが絡んでのトライだったり、序盤の反則で敵陣のペナルティの場合、ほぼショットを選択するためですが、この試合も序盤で試合が動きました。
埼玉KN陣内での反則で得たPGを、FBダミアン・マッケンジーが確実に決め先制し3-0。
埼玉KNも反撃し、中央のラックから右に展開し縦へのキックパスをうまく処理した、SH内田のトライはスローフォワードで取り消し。
しかし、スクラムから東京SGのコラプシングを誘うと、SO山沢がPGを決めます。
序盤はまずは譲らず3-3とし、その後は一進一退の膠着が続きます。
前半も半ばを過ぎ、東京SGのHO北出が負傷で堀越に代わると、数分で試合が動きます。
埼玉KNの右ライアウトからラックで起点を作ると、中央から左に素早く展開し、駆け上がるWTBコロインベテに短く速いパス。
コロインベテは東京SGのタックルをかいくぐり左コーナーめがけて快足を飛ばして駆け抜け、この試合最初のトライ!
これでスコアは8-3。
コロインベテの快速は決勝の舞台でも発揮されました。
試合は残り前半、スクラムからつないだボールをコロインベテが再び中央を駆け抜けトライかと思われましたが、直前のプレーでオフサイドがあり、ノートライ。
前半残り僅かの時間からサントリーも猛攻を仕掛け、中央でこぼれ球を拾ったFBダミアン・マッケンジーが埼玉KNのDFラインを切り裂くように駆け抜け、トライかと思われたその瞬間、埼玉KNのSO山沢が絡めるように出した手が、ダミアン・マッケンジーの持つボールにわずかに触れ、トライを阻止。
前半は結局10-3のロースコアで終了。
後半は埼玉KNのキックオフで開始。
埼玉KNは後半開始直後からHO堀江、PRヴァル・アサエリ・愛を立て続けに投入。
しかし、東京SGもフロントローを入れ替えて対抗。
すると、公判ペースを握ったのは東京SG。
スクラムからのコラプシングかPGを得て、ダミアン・マッケンジーが決めます。
これでスコアは10-6。
流れは東京SGに傾いたまま、距離がありながらもほぼ正面でPGを得て、またもやダミアンマッケンジーが成功。
スコアは10-9と1点差に。
残り20分を切ると、今度は埼玉KNがPGを得て、山沢が成功して13-9。
しかし、返す刀で再び東京SGがPGを得て、13-12と再び1点差。
互いに譲らず、試合は終盤へ。
試合はじわりじわりと埼玉KNペースに。
東京SG陣内での埼玉KNのラインアウトからの攻撃。
今度は左でラックを作り押し込む埼玉KN。
中央で押し込む埼玉KNですが、東京SGも5mラインから後退しません。
右サイドをこじ開けようとする埼玉KN。
押し込む!
残り1mあるかないか。
押し込む!!
レフェリーの手が上がる!!
終盤に千金のトライは、埼玉KNのCTBディラン・ライリー。
コンバージョンは失敗でしたが・・・。
スコアは18-12に。
しかし、点差は1TGで返せる6点差。
ラン攻撃でこれまでトライの山を築いてきた東京SGが逆転する力は十分にあります。
マイボールになったら屈強なFW陣を壁に時間を使う埼玉KN。
ラインを敷いてターンオーバーを狙う東京SG。
東京SGの終盤の攻撃。
しかし、ここで東京SGに反則があり埼玉KNボールに。
勝利に大きく前進した埼玉KN。
選手も勝利を確信した喜び方です。
直後にホーンが鳴り、このペナルティはすぐさま外に蹴りだされ、ノーサイド。
喜びに沸く埼玉KNフィフティーン。
そして検討を讃えあう両フィフティーンに、埼玉KNベンチのメンバーも駆け寄ってきます。
このノーサイドの光景も今シーズン最後ですね・・・。
昨年はプレーオフトーナメントのチケットが入場制限でプラチナ状態だったので、この光景を見ることができませんでしたが、今年は開幕から最後まで見ることができました。
そして表彰式へ。
バックスタンドしか取れなかったのが残念・・・。
モニターでその光景を見るしかないです。
盾を受け取るのはリザーブながら試合の流れを引き寄せるキーマンとして活躍したHO堀江。
優勝杯を受け取るのはもちろん、キャプテンの坂手。
そして全員での歓喜の瞬間。
おめでとう!埼玉KN!!
トップリーグの初代王者になるとともに、これで昨年の最後のトップリーグから二連覇になりました。
埼玉KNは今年度は2敗は開幕から2戦の不戦敗のみで実質全勝、昨年も1引き分けのみで無敗で優勝、2020年も新型コロナウィルスで中断になるまで全勝でしたので、リーグ戦での敗北は2018-19シーズンまでさかのぼることになります。
1年の間にこの2強が大きく弱体化することは考えにくいですが、メンバー補強はもちろん、今シーズンの戦い方を打破する戦術を各チームとも考えてくるはずです。
しかも、サッカーのリーグ戦と違って、来年もプレーオフが存在するなら一発勝負の怖さもあります。
昨年もリーグ戦で無敗だった神戸製鋼(現コベルコ神戸スティーラーズ、以下神戸S)をプレーオフ一回戦でクボタ(現S東京ベイ)が破ったのは記憶に新しいところ。
そのS東京ベイは今年もベスト4でしたし、もう1チームのベスト4、BL東京はリーグ終盤に6連勝して東京SGを最後まで苦しめました。
横浜キヤノンイーグルスやトヨタヴェルブリッツもプレーオフにあと一歩でした。
その6チームと、今年新型コロナ罹患者発生等で苦しんだ神戸Sはどこもベスト4に進出する力があると思います。
もちろん他チームも選手の入れ替えや戦術の変更で劇的に強くなることも考えられますし、2023年秋に迎えるワールドカップに向けたモチベーションアップもあるでしょう。
リーグワンの2年目も目が離せない熱い戦いになると期待しています。