五高の歴史・落穂拾い

旧制第五高等学校の六十年にわたる想い出の歴史のエピソードを集めている。

阿蘇の土地の契約書

2012-09-17 05:22:33 | 五高の歴史

阿蘇道場の建物を建築するためには阿蘇町所有の土地に黙って建築することは心が引けたのであろうか?

内牧町と第五高等学校との間で契約書が取り交わされている。ここにそれを掲示する

               契   約   書     

 第五高等学校修養道場設置ノ為阿蘇郡内牧町ト第五高等学校長トノ間

ニ契約ヲ締結スルコト左ノ如シ但以下便宜上前者ヲ甲ト称シ後者ヲ乙ト称ス

第一条  甲ハ右修養道場ノ敷地トシテ甲所有ノ熊本県阿蘇郡内牧町大字三久保字芹口

  二百六十五番ノ一   二百六十五番ノ二     

合併山林四町壱反六畝歩ノ内壱萬坪(別紙実測図面ノ通リ)ヲ無償ニテ使用セシム

 但乙ハ之ヲ目的以外ニ使用セズ又之ヲ転貸使用セシメザルモノトス

第二条   右土地ノ使用期間ハ本契約成立ノ時ヨリ起算シテ満弐拾五ケ年とス

但期間満了後ト雖モ乙ニ於テ尚必要アル時ハ乙ノ申出ニ因リ更ニ期間ヲ延長スルモノトス

第三条   右修養道場ヲ廃止又ハ移転スル場合ニ於テハ期間中ト雖モ乙ハ甲ニ無償返還スルモノトス

 右契約書正本弐通ヲ作成シ甲乙各壱通ヲ所持スルモノトス

 昭和拾四年八月

                   甲 者  内牧町 右法律上代理人同町長 小島 政義 ㊞

                   乙 者  第五高等学校長    十時  彌 ㊞

現存している図面を見てもどの部分が一万坪の貸付対象地になるのか今更必要でもないがはっきりしないことを記載しておく