五高の歴史・落穂拾い

旧制第五高等学校の六十年にわたる想い出の歴史のエピソードを集めている。

紀元節に際して

2014-10-14 03:09:04 | 五高の歴史
台風19号があちこちに被害を出して去って行ったようであるが、熊本地区はその吹き返しではあるまいが昨夜は一晩中さわがしかった。今日は週一の五高記念館に出ろうと思っている。終戦後の
五高に通達があっている世相を中心に調査しているが昭和二十一年の二月十一日紀元節に際してという安倍文部大臣の放送の要旨があったのでその文書を転載して見た。

紀元節に際して  21・2・11 安倍文部大臣放送要旨
今年の紀元節は日本有史以来最も悲しい紀元節であるが、同時に最も意味深い紀元節だともいえる。我々は今日の佳節に日本の古い紀元を忍ぶと共に、新たに御国を建て直す意味を以てこの紀元節を迎えたい。即ち動もすれば武力に廼倚したる旧態に死して真に道義国家文化国家として世界の平和と福祉とに貢献し晋く世界平和の敬愛をうける。国民に生きる覚悟を新たにしたい。戦争中は世上一般に神がかり的な攘夷思想によって世界に冠絶せる神段を誇鞭し。自己の力を計らず、国際、関係を踏み外して他国を軽視し嫉視する姿が盛んであったが、終戦と共に日本国民たるの誇りを喪失して。自分で日本と日本人と日本国人とを否定するものが、世界の流行に遅れぬ進歩的態度だとする浮薄の風を見ると同時に自己の安全と利益とを計らうとする煥態依然たるもののあるは実に嘆かわしいことである。今や民主主義が天地の公道に基づき人間の正しい欲求に根ざすものとして、新日本基調となり。一部国民の特件は摩滅せられ一判国民の権利は拡充強化されんとしておる。けれども民主主義の本質は。国民の自己と国家とを責任の自覚に根ざすが故に、日本国民が日本をよくもあしくもする力の増大すると共に。国民の国家に負ふ義務も亦此れに伴うことを考え。自己の責任を忘れて徒に他に誇張するを以て民主主義とし。相学びて国家の秩序と公安とを乱れるが如きは。断じて此れを戒めねばならない。

次は紀元節のうたの歌詞である三つ子の魂百までではないが未だ持って思い出されるとは?

  一、 雲に聳(そび)ゆる高千穂の高根おろしに草も木もなびきふしけん大御世(おおみよ)を仰ぐ今日こそたのしけれ.
 二、 海原なせる埴安(はにやす)の池のおもより猶(なお)ひろきめぐみの波に浴(あ)みし ...