星月夜に逢えたら

[hoshizukiyo ni aetara] 古都散策や仏像、文楽、DEAN FUJIOKAさんのことなどを・・・。 

サンタクロースが歌ってくれた 大阪千秋楽メモ

2010-11-11 | 観劇メモ(演劇・ダンス系)
劇場     シアターBRAVA!
観劇日    2010年11月7日(日) 14:00
座席     1階L列

<キャスト>
脚本・演出/成井豊

芥川龍之介・西川浩幸という役者/西川浩幸
平井太郎(のちの江戸川乱歩)・上川隆也という役者/上川隆也
菊池警部/近江谷太朗
ゆきみ/温井摩耶       すずこ/前田綾
サヨ/渡邊安理        フミ/實川貴美子
ハナ/坂口理恵        ミツ/岡田さつき
巡査・役者/三浦剛
奥様・監督の妻/大森美紀子  監督/筒井俊作





<千秋楽カテコ メモ>
すでに他の人のレポが詳しいので、今さらですが。
クリスマス公演千秋楽のキャラメル配りは、私にはお初。
通常の三方礼の後、出てきた出演者たちが袋を手にして立っていた!
会場、ザワワ♪ザワワ~♪
空気を察知した西川さんが「皆さんが凝視しているこの白い袋・・・
いまからみんなでキャラメルを配ります。僕たちはキャラメル配りと
呼んでますが」って言うと、すかさず「そのままじゃないかっ」と。
ハイ、そうゆうツッコミはかみかわさんですね。
全員に行き渡りますから。役者には触らないでください、と西川さん。
(加藤さんによれば、この日は入場者数1300人とのこと。)

キャラメル配りには、かみかわさんも(オウミ ヤタロウに間違われが
ちなオウミヤ タロウな)たろちゃんも参加。
私は西川さんからいただいたのがうれしくて♪
「ありがとうございました」の言葉にこちらもオウム返ししちゃった。
前方を見ていると、とっとと配り終えたかみかわさんが舞台上手から
マイクを持って登場。
なになに? 歌ってくれるんですか?(ンなワケなかろうもん!)
「配っている間、僕がMCをやります」。まさかの展開に会場大拍手♪
ここから無駄に長く中身のないダラダラした(爆)、でもメチャメチャ
可笑しくて贅沢なMCが数分間続くことに。
「何やってるんですか、アナタがお客さんに触ってどうするんですか。
早く上がってきてください」。たろちゃんに絡むかみかわさん。
やがて「同期のサクラ」の2人が舞台上に♪
「なぜかゲストの二人でやることになりました」(かみかわ)
「千秋楽に声を嗄した近江谷太朗です。すみませんでした」と客席に向
かって自己紹介&詫びるたろちゃんに、「誰も触れなかったことを言っ
ちゃいましたね」とフォローするかみかわさん。
嗄れた声で「おふくろさんよっ・・・」とか「ローラ」とかをプチ披露
しちゃうたろちゃんに私たちも大喜び。
このあと、ボケまくるたろちゃんに、ツッコミとも、じゃれてるだけと
も見える(笑)かみかわさん。「いま一番楽しんでいるのは僕ですね」。
そんな二人のやりとりが延々と。

キャラメル配りタイム終了。
西川さんから「新しい締め職人」として指名されたのは三浦さん。
このとき、下あごを強調した顔マネをするお茶目なかみかわさん♪に
会場から笑いが起きるも、なんとか三浦さんの音頭とりで、全員による
3本締めを決めました! が、これで終わりと思っちゃだめよ~。
西川さんのあの言葉がホントの締め。
「また来てください。僕たちはいつでもここにいます」。
・・・・・・んがっ、しか~し!拍手は鳴り止まず、出演者再登場。
「この男が何か言いたいそうです」と西川さんの言葉で、全員がズーム
インするのは、オウミ ヤタロウに間違われがちな、たろちゃん♪
「もう何もありません。あとはバラすだけです。なんなら手伝ってくだ
さい。あの時計も持って帰ってください」と言ってしまうたろちゃんを
全部拾うかみかわさん。そして。
「もうなんにもありません。とっとと帰ってください!」
ついにその言葉が聞けてウレシイ私たち。
(前は「とっとと帰んなさい!」だったけどね。)
友人たちといっしょにようやくニコニコと劇場を出たのでした♪
ああ、楽しかった~。

そういえば、11月3日は筒井君のバースデーで、みんなで歌いましたよ。
本人のリクエストにより「Happy Birthday Dear しゅんちゃん~♪」と。


<ちょっとだけネタバレ観劇メモ>
映画の中の登場人物がある瞬間に感情を持ってしまい、スクリーンを飛び
出して目の前の観客に話しかける。
・・・というのはウッディ・アレンの「カイロの紫のバラ」から着想を
得ていると脚本家の成井さんが書いておられた。
そこに2人の作家、芥川龍之介と平井太郎(のちの江戸川乱歩)を登場
させて、役を演じる俳優のフクザツな思いや、作家たちの苦悩を描き出す、
というかなり手のこんだストーリー。
面白いんだけど、登場人物が多いため全員を追うのはなかなか大変!
さらに、感想を整理してアップするなんて私にはトンデモな作業。
なので、今回は感想放棄!(笑)
まとまらないまま、とりあえず心にひっかかったことだけメモ。

●太郎とミツ
今回はさつきさんがメイドのミツを演じることもあり、これはやっぱり
重要な役なんだ~と重点チェック。
で、太郎とミツの感情にフォーカス・オン!

与えられた台詞をひとことも変えずに、演じている役者が勝手に登場人
物の「設定」を変えて演じる。
こんなことってアリなのか? そもそもなぜそんなことをしたのか? 
太郎を演じた役者の理由はこうだった。
「江戸川乱歩ならそうはしないはず。」
役者の憤然たる表情に、ウンウン、ナルホドと私は同意する。
一方、登場人物のほうの太郎。
「日本で最初の探偵小説作家が、人気作家とはいえ、素人探偵なんかに
負ける訳にはいかないんだ」と言い放つ場面が痛く、切ない。

このお芝居、役者が勝手に語っている台詞なのに、乱歩自身の台詞のよ
うにも受け取れたり、逆に、太郎が語っている時は、実は役者自身の感
情なんじゃないかとも思ったり。
役者と登場人物の一体感から生まれる台詞が、なぜかとてもスリリング。
ふだん観客として観劇しながら、登場人物の気持ちをイロイロ類推して
みる習慣のある私には、役者の思考回路の一端が伺える台詞に出会えて
ちょっと面白い。
登場人物の気持ちを追っているのか、本当はそれを演じている役者の気
持ちが知りたいのか? 自分でもよくわからない時があるのと似ている。

太郎とミツ。その二人を演じた役者どうしが、その時点では愛し合って
いた・・・ということがわかり、その事実が登場人物であるミツを勇気
づけ、後押しするという・・・ややっこしい話ではある!(笑)

●芥川と蜘蛛の巣
2回目の観劇から、芥川とフミによる蜘蛛の巣のシーンがお気に入りと
なり、ここにくるとウルウル。ついに大阪楽では落涙してしまった。
フミを演じる實川さん、この場面のピュアな感じがすごくいい。
西川さんの優しい優しいミニチュアダックスフンド芥川にも、キュン♪
蜘蛛の巣がいろんなものに見え、二人が盛り上がっている台詞が好き。
そして、歌い終わった芥川が自信なげに「どうだった?」と聞くと、
まっすぐ芥川に向かい「ありがとうございました」とフミが言った瞬間、
ダアーッと泣けてしまった。
なんでや?
これがあの『蜘蛛の糸』の誕生秘話なのかどうかわからないが、ふだん
は大ッキライな蜘蛛の巣ごときに感動する自分がシンジラレナイ。
この場面、完敗だ(笑)。

まあね、タクシー内の会話あたりからそれは始まっていたのかも。
芥川が死ぬことになる年齢を、太郎が知ってしまうところとか。
とにかくここから後は「芥川さん、本物の雪です」まで、涙腺ゆるみっ
ぱなしの大阪楽でございました。

あ、そういえば。
今回はかみかわさんは舞台下手によく立っている。
とりわけ、役者上川隆也の役で立っているかみかわさんをじっと眺めて
いられるのは下手席の特権♪ ちょっとコワげなのがたまりません。

●25周年キャスト
もう一人のお茶目なメイド役坂口さんや、電車を間違えて乗ってしまう
菊池警部の近江谷さん。映画監督の妻で「奥様」役の大森さん。
キャラメルボックスのベテラン俳優と、元劇団員のゲスト2人。
昔の主要メンバーがそろった舞台はやっぱり見られてよかった。


最後に。
この公演のおかげで懐かしい友人や昔からの仲間にもいっぱい会えた。
私にとってはこの公演そのものがサンタクロースなんですよ♪

トーク&フォトブックで太郎さんポストカードが当たったことも
こっそり付け加えておこう。
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