公演名 | 開放弦 |
劇場 | シアター・ドラマシティ |
観劇日 | 2006年8月5日(土) 12:00開演 |
座席 | 1列(最前列) |
観劇回数 | 2回目 |
G2さん、ごめんなさい。前の記事で<1回おやすみ>なんて書いて。
お休みどころか、大本命。
2回観劇して、この作品にすっかりマイってしまいましたー!!
以下、全面的にネタバレです。ご注意!!
<キャストと登場人物>
大倉孝二さん(遠山のバンド仲間、門田)
いつも何かに腹を立てている門田。
そのイライラ感をデカイ声とハデなアクションとスピード感と独特の「間」で演
じていて、大倉さんの魅力が存分に生かされていたと思う。
劇中で一人、ギターを弾くシーンもよかった。(あれはたぶんオープニングの曲。)
最近は風変わりなキャラが減って、シリアスな役どころもいろいろこなしている
せいか、今回はシリアスと笑いの間を自在に切り替えている感じ。
寝転がったまま靴、靴下を脱ぐところとか、足の裏と格闘しつつ自分の足に口を
つけちゃうところなど大倉さんならでは。遠山に鴨に関するものを見せまいとす
る努力がいつもおかしくて、スライディングしながら鴨を蹴るシーンは秀逸!
ベーシストの話や二子玉川についてのやりとりは私、もう一度見たい。
門田は夫婦の秘密は知っていても二人の深い心情までは読み取れなかったのかな。
いや、わかっていたから別れろって言ったんだよね。あとのほうで。
水野美紀さん(遠山の妻、恵子)
不倫の子供を隠すために、ある交換条件で遠山と結婚することに。その負い目か
らか本心が言えず、本当は遠山のことを好きになり始めているのに、心と行動は
正反対のことをしてしまう。遠慮の固まりみたいなもどかしい役どころ。
穏やかに見える遠山がたった一度だけ恵子を殴った時に、相手の本心に気づいた
はずなのに。中学時代の共通の思い出話にも忘れたふりをしてしまう恵子。
「だって、もし好きになったら困るでしょう。好きになっていいかどうかもわか
らなかったし」と、あとになって語るこの台詞が印象的だった。
ラスト。遠山が書いた、自分にだけわかる五線譜を見ながら、皆の前でギターを
鳴らす恵子・・・それが開放弦。恵子が無心に鳴らす開放弦の音に、遠山の指が
感じられる音色がかぶった時、あったか~い愛がジュワ~ッとひろがったような
気がして、涙が出てしまった。遠山の不在よりも、存在を感じたというか。
こんなラブストーリー。すごい。
丸山智己さん(遠山)
まったく初めて見た。あて書きだから当然かもしれないけれど、いかにも<静>
のイメージが遠山そのものだった。口が饒舌とはいえないから音楽という表現手
段を選んだのだろう、と観客の私が補って考えてしまうほど。
バンドの収入が入り、もう偽装結婚の理由がなくなってからも恵子といっしょに
いたいと思っているはずなのに、思いをまっすぐに伝えられない。
自分なりの作曲方法にトライしようと恵子の手を借りた時に、ようやく相手に感
情がぶつけられたようで。思いが通じた後の台詞が素敵。
「これからずっといい事が続く気がするんだ、だから、一度離婚しよう」。
二人で1つのギターを弾くシーン。2回目の観劇ではすでにここで涙が・・・。
京野ことみさん(遠山のバンド仲間、依代)
いや-、この人の「いやな女」ぶりが実によかった。あの不機嫌そうな表情がた
まりません。遠山と恵子が結婚したことが絶対に許せないらしく、恵子に対して
いちいちトゲのある言葉。
それなのに、遠山がいなくなった時から毒気が抜けたような顔に変わるのが印象
的。特にラスト。遠山の作曲方法を知った瞬間、恵子のギターの音色を聞きなが
ら、泣き顔とも笑顔ともつかない表情をするんだけど、それがすごくよかった。
犬山イヌコさん(漫画家、進藤の妻)
この夫婦がきっかけで事件が起き、物語が展開する重要な役。
うまいのはもう当たり前として、女心をこんなふうに演じた犬山さんを見るのは
初めて。夫よりも売れっ子になり、バリバリに働いてきたキャリアウーマンが見
せる、普通に夫を愛したいという心情に心動かされる。
河原雅彦さん(漫画家、進藤)
結果的に、最後の事故を誘発してしまう重要な役。
売れっ子の妻を持つ、売れない漫画家の夫。ダメ男のやるせない気持ちを明るく
コミカルに演じているのがいい。
伊藤正之さん(漫画家担当の編集者、木戸)
売れっ子漫画家を追いかけてくる編集者。あんな恋愛感情に発展するのは、かな
り意外だった。舞台では私は初めてだったが、細かい演技のできる役者さんなん
だなあと思った。
「開放弦」ほんのちょっとだけ(このブログ内の関連記事)
開放弦 □観劇メモ(1)(このブログ内の関連記事)
なんとなく複雑そうですが、ものすごく繊細で味わいの深そうな・・(その場でちゃんと理解できたら)たぶんわたしもかな~り好きな類のお芝居みたい。
抜粋された台詞だけでも、きゅんときますね。
ああ・・なぜ名古屋はあの1日だけだったのだろう~。
いつかどこかで映像になりますように。
私、なんでこんなにハマってしまったんだろう?(笑)
派手でウルサイ舞台も好きなのに。
芝居全体を通して流れるものがあって、その空気感、
トーンみたいなものがピタリと合ったのかな?
DVD化はされるみたいですが、シアテレとかBSでも
ぜひやってほしい作品だと私も思います。
淡々と始まりました。
それぞれの会話の音が寄り添いたいのにずれてしまって
不協和音になってしまう様を、緊張してみてました。
客席はわたしの乏しい観劇歴の中でもまれにみる男性率の高さ。
休憩時間に男性トイレに列ができてました。
で、
ぜったいに寝るに違いないと覚悟してつれてったダンナさんは、
開演前はあくびしていたのにじっと見入ってる気配。
帰り道で「寝なかったよ。」と胸を張る。
「ああいう台詞の裏の心情を読むような、
頭を使わなあかん芝居はぜんぜん眠たくならへんねん。」
「あのずっと怒っとった男だれ?、彼うまいなぁ。」
とほざいてましたわ。
『あわれ・・』観劇後の私と、『開放弦』観劇後のうちの
ダーリンと娘の会話
「大倉君、めっちゃよかったやんな~!!」
「こっちだって、谷原章介めっちゃかっこよかったで!」
「へんに笑えたよな~!かもめのところ・・」
「・・うっ・・。こっちは笑えるところはなかった。」
「ああいうじんわりした作品好きやねん。よかったわ」
「・・うっ・・。こっちはじんわり冷や汗が・・」
・・・てな感じの会話が進みました。
パンフレット買ってきてくれてたけど、見ても観てないので
もひとつ分からん・・・。
ちと、DVDに心惹かれています♪
Oちゃんより後ほど「かもめちゃうよ、かもやろ・・」
・・と言われました(笑)
DVD化って書いたけど、ロビーで見たのはCDの間違いだったかも。
でも、G2プロデュースのここ最近の作品は今までだいたいDVD化されてきたので、これもそうなるとイイなと思います。
ソレソレ。ご主人が寝たかどうかは極めて重要な判断材料かと(笑)。それぐらい面白かったんやねー。よかった。
そうそう、大倉君、ずっと怒ってたよね。だけどスゴクうまかったよね~。
カテコ、初日は3回目の拍手に応えて登場してくれましたけど、淡々と始まった千秋楽のカテコは淡々と終わったのかな。
その微妙にかみ合わない会話、私どっちもわかります~。
意外や意外、なんと2つの作品は話の最初の展開がウリふたつなんですねえ! いけない相手との間にできた○○を隠蔽するために○○結婚する。
すごい共通点!!
でもでも、芝居としては全くちがうもんなんですねー。ふふ。
DVD化、勘違いかも。たぶん、大丈夫だと思うんだけど。
Oちゃん、私にも言わせてぇー。
かもめちゃうやろっ!鴨やんか~~(笑)。
チラシの束の中に「DVD&サウンドトラックCD通信販売」なる払込用紙が
入ってましたよん。
もちろん、ネットでも買えるみたいです。
で、千秋楽のカテコは
ひの、ふの・・・(と数えてみる)
そう、同じく3回目の拍手にこたえて登場してくれて、
とくに挨拶とかはなくにこやかに去って行きました。
やっぱり、淡々?
チラシ兼振替用紙を見てたのに、サントラCDだけかと勘違いしてました。DVDもあるある♪
楽のカテコもそんな感じだったんだ~。黒服の人たちに挨拶されるのって不思議な気持ちがしましたよねー(笑)。
でも、脚本の倉持さんは今話題の人って感じで興味があるので、来月のペンギンプルペイルパイルズの公演は観に行きます。『開放弦』、せめて脚本だけでも「せりふの時代」とかに掲載されないかな~~?
来月は『噂の男』も観ます。
ムンパリさんもいらっしゃいますよね(断定)♪