オオカミになりたい(遺言)

ずっとそばにいるよ

見立多以尽 おしゃくがしたい

2018-11-21 | 見立多以盡

月岡芳年が女性のしぐさを「~したい」と描いた美人画

見立多以尽(みたてたいづくし)より

『おしゃくがしたい』

 

国立国会図書館デジタルコレクション

大蘇芳年筆 

 

詞書

割煮(かつぱう)の善悪を論ぜず 酒の多きを喜び

容貌の美醜によらず酌は髻(たぼ)に限るというは 下等の藤八社会。

料理も美がよし 酌もまた 絶世の別品に期すとは 中等の髭連中。

偖(さて)また下物(さかな)も口取の 滋味(こつてり)とした甘味を略(はぶ)き

適宜(くはれな)筋の鮮魚にとり添へ 美醜によらず清潔(こきれい)で。

調子のよいのが銚子の加減の 良(よい)に増(まさ)ると極好事(ごくしぶ)く

穿(あなぐ)る客は上等の粋(すい)といふ字が推(すい)とも通ひ 

色をも香(か)をも知る人には 

偶然(つい)手折(ておら)るゝ花もありなん

南茅場町 轉々堂主人禄