月岡芳年が女性のしぐさを「~したい」と描いた美人画
見立多以尽(みたてたいづくし)より
『もうひとつのみたい』
国立国会図書館デジタルコレクション
大蘇芳年筆
詞書
足(た)る事を知るは身の慎み 足らぬというは世の人の
口九試(くちぐせ)なれど 最(もう)一つ
思い酌(ざさ)れて泥酔(へべれけ)に
成(なっ)た容儀(ふり)して周諄(くだ)まいて
欝憤(じれっ)たいよの枕々(ちんちん)を
澤山(たんと)いう気の跡引(あとひき)は人力ならぬ横車
これも弦妓(げんき)の意気地(いきじ)づく
足る足らぬには拘(かか)わらず 顔の汚れぬ泥除(どろよけ)と
母衣(ほろ)ほろ機嫌でいうなるべし
轉々堂主人