オオカミになりたい(遺言)

ずっとそばにいるよ

見立多以尽 どふもねむッたい

2018-12-10 | 見立多以盡

月岡芳年が女性のしぐさを「~したい」と描いた美人画

見立多以尽(みたてたいづくし)より

『どうもねむッたい』

国立国会図書館デジタルコレクション

大蘇芳年筆 

 

詞書

唐土(もろこし)に日に三たび ねぶる柳あり

之(これ)を号(なずけ)て 眠柳(みんりゅう)という

人に比(たと)えていう時は 夜を以(も)て昼の出稼に

春 初鴉(はつがらす)の声をきかず 秋 桂花(あさがお)の盛見ず

昨日に今日と替(かわり)ゆく 客に枕はかわれども

熟(とけ)どけ 根津の八重垣街(やえがきちょう)

八重がきつくる神殿の 鏡ならねと心なく

素顔をうつす塗物の 漆のような濃情夫(よいひと)に

尽す誠も多かるにや 昼も眠らぬ思いをなすとぞ

轉々堂戯題

 

唐土 : 中国の古称