「この子より、1日でも長く生きたい」。横浜市の77歳の母親と重度の知的障害などを抱えた44歳の息子の孤立死。今年、相次いで発覚した孤立死。介護者が病で倒れ、自分で生きることのできない要介護者が後を追って亡くなる。障害者の「親亡き後」の悲劇です。77歳の老いた母親が、自立歩行できない体の大きな息子をたった一人で支える。その過酷さは、筆舌に尽くしがたいものです。自立、自助。この国は家族に頼らざるを得ない福祉の貧困を、そんな美名で覆い隠してきました。障害を個人や家族の責任とせず社会全体でみる世の中になったら、どれだけの人が救われるか。親が先に逝くことは自然なことです。そんな心配のない社会にしなければなりません。『潮流』