まるで煙草吸いのように息が蒸気の煙となる朝であった。
ひと通り準備も済ませ、後は愛する孫たちを待つだけである。(女房殿は食事の準備。ありがとね)
「お~い、母さん何時じゃ~」
「まだ来やせんよ」
何回したことか、この台所と玄関での会話。
だっこ散歩と称して、チョコちゃんを小脇に抱え表道路までウロウロ。
やばい、近所の奥さんだ。
まあ、チョコちゃんおとなしいね、お人形みたい、可愛い!
と近所の奥さんが褒める。(どなたも私の苗字を呼ばない、真っ先にこのトイプードルを呼ぶのである)
いつもこうだから、嫉妬が入っているのか、丹にめんどくさいのか?出会うのが苦手となってくるのだ。
そのこころとは裏腹に即座に、
「は~い、チョコちゃんよかったね~」
「ありがとうございます。じゃあ、バイバイね、バイバイしようね!」
「バイバイ」……とまあ、外面のいいB型の私が出る。
「それでは」と、一二回お辞儀をしてそそくさと離れるのである。
大通りに出て、はるか遠くの緑のボディー色を目を凝らして探す。
来た~っ!
車と並行して、抱っこ駆けっこで家までだ。息がこの時点で……!
いかん今日の長丁場頑張れるか?
同じ息でもチョコちゃんは、興奮して蒸気機関車のように白い息で元気に私から離れようとする。なんだ今までの大人しさは?現金な奴だ。
日帰りなのに、大荷物の娘はトランクから家に運び込む。
愛しの孫たちは私と手をつなぎ、先に十分温まった家の中に歌を歌いながら入るのである。
待ちに待った1か月ぶり振れ合いある。
さあ、お目当ての孫シアターの開幕である。
「怪傑ゾロリ」に
「ペンギンズ」と100円レンタル時に借りておいたビデオ鑑賞となる。
その間に、孫たちに開放された娘は女房殿と近況よもやま話しで花が咲くのである。(これがあるから先方のご両親と同居生活を強いられている娘は1か月間の息抜きができるのだろう)
昨日から女房殿が準備をした昼食の時間である。(女房殿感謝しますよ)
チョコちゃんが忙しくなる。食卓机の下でおこぼれを待ってウロウロ!
思い余って足をペロペロ。孫に嫌われる行為だ。
「あっちいって!」
あ~度が過ぎた!
もうハウスに入れるしかない、ジジの出番だ。
孫と犬をなだめながら確保。
無事、食事タイム終了。
今度は、お絵かきの時間だ。
上手に描く!なんと大胆で迫力ある構図だ、色合いもいい。
すばらしい!
しかも、塗りも丁寧に・・・・・・。素質があるかも!
将来は画伯だ。
ん、そうに違いない。と勝手に褒めちぎる。
これが作品だ。(長女作:怪傑ゾロリ)
(弟の長男作:タガメ?説明が書いてあるが不明)
その後が、ジジの地獄タイム!
外に出て、お遊びタイム。
三輪車とキックボードで電信柱間競争である。
三輪車につながられたチョコちゃんも悲劇の主人公のひとりである。
何往復したことか、いい運動を通り過ぎ息があがりゼイゼイ!
娘の「もう帰るよ」の声で「助かった」と思うのである。
来ては嬉し、帰っては嬉し、帰省かな。
その夜、チョコちゃんは寝入ってばかり。そうだろう!お疲れだ!
私といえば、疲れは最近三日も引っ張り爆睡するのであった。