岡山県議会議員 森脇ひさき

2023年の岡山県議選で5期目当選させていただきました。
「命と暮らし、環境が最優先」の県政へがんばります。

新教育長の任命同意に反対

2015-03-19 | 県政に関する活動
 新しい教育委員会制度に基づきワントップとなる教育長の任命同意が議題となり、反対の立場で討論しました。

 新しい教育委員会制度は、昨年6月に成立した「地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律」にもとづく制度。4月から施行されます。このねらいは、国の方針と首長の考えにもとづいて「教育の大綱」を決めさせ、教育委員会をそれに従わせるというところにあります。首長の政治的考えをより反映しやすくするため、これまでの教育委員長はなくし、首長が任命する教育長がトップとなります。
 私は、「教育県岡山の復活」をかかげた知事が、教育現場に自ら足を運び、教員増員を求めて文部科学省へ出向き、困難をかかえる家庭を支援するためにスクールソーシャルワーカーや学習支援員を配置・増員してきたことについては、評価しました。

 そのうえで、奨励金をつけて競争を激しくする「頑張る学校応援事業」には「落胆した」と述べました。すぐれたとりくみについて学びあい、普及することは必要なことですが、「奨励金をつける」、しかも「成果をあげたところ」というのは、教育上もっともふさわしくないことだと指摘。多くの市町村長および市町村教育委員会から疑問の声があがったにもかかわらず、知事も教育委員会も、そのまま事業を実施しただけでなく、次年度も継続しようとしていることは問題だと指摘。「知事の『暴走』とまでは言いませんが、首をかしげるケースがあった場合、教育委員会にはブレーキの役割も必要」だと述べました。

 そもそも教育は、子どもの成長・発達のための文化的な営みです。それは、教員と子どもとの人間的な触れ合いを通じて行われるもので、自由や自主性が欠かせません。何をどう教え、どうとりくむかは、関係する学問や教育学に基づく必要があると思います。だからこそ、現憲法のもとでは、教育内容への政治介入・支配は厳しく戒められているわけです。教育委員会制度改革に関する国会の議論のなかで、政府も、法の運用にあたっては、首長による教育内容への政治介入が好ましくないことを認めています。
 私は、教育長はじめ教育委員のみなさんが、憲法と教育基本法、子どもの権利条約の精神に立って、地域住民や学校現場の多様な教育要求を施策に反映させ、教育の自主性を大切にする機関として、その役割を存分に発揮していただくことを期待しています。そういう立場から、今後の教育行政への戒めとして、今回の教育長任命同意については反対しました。

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