■シリーズ企画 英EU離脱の衝撃!
米FRB利上げの行方
--英国のEU離脱に伴う市場混乱の余波は米国にも押し寄せています。ニューヨークから影山記者です。
《中継:ニューヨーク支局/影山秀伸記者》
これまで市場の注目はアメリカの追加利上げのタイミングでしたが、利上げがあるのか疑わしい、市場ではこんな雰囲気が漂い始めています。米中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会のタルーロ理事は6日、講演で早い時期での利上げに慎重な姿勢を鮮明にしました。
《FRB/タルーロ理事》
「物価の上昇率が目標のプラス2%に達する確証が得られるまで、利上げは待った方が良いのではないか。」
利上げの判断を行うFOMCで投票権を持つタルーロ理事は英国のEU離脱による影響を見極める必要があると述べ、世界経済全体を覆い尽くす「先行き不透明感」の払拭が見通せるまで利上げすべきではないとの考えを示しました。
--世界経済の状況次第では年内の利上げが無くなる可能性もあるということでしょうか。
市場ではそうした予想が少しずつ広がりつつあります。金利先物取日の動向から利上げの確率を予想するCMEフェドウォッチの年内予想は利上げ1回が14%、利上げなしが84%、そして注目なのは利下げの可能性が2%あることです。イギリスのEU離脱の盈虚に身構える投資家が増えています。
中継担当:NY支局影山秀伸記者
■【コメンテーター】木下智夫氏(野村証券チーフ・マーケット・エコノミスト)
・弱まる値上げの動き、外れた日銀の思惑
--さくらレポートで景気判断が横ばいの地域でも、街角で話を聞くと厳しいとという声が多かったわけなんですが、やはりイギリスのEU離脱決定以降、状況が変わってきているということですか。
「そうですね。やhり国民投票のあと株安や円高かなり進んできましたので、その影響が徐々に出てきたということかと思います。」
--となりますと日銀がこれからどう動くかということですね。
「私が今回のさくらレポートで注目しましたのが、企業の価格設定において、値上げの動きが弱まっているという判断をした点なんです。日本銀行はかなり4月からの新年度入りに伴う値上げの動きを注目してきたんですが、このさくらレポートで見ても、消費者物価統計で見ても、4月、5月に関してはなかなかそういった動きにはつながらなかったということだと思います。とすれば円高の動きもありますので、7月の決定会合では緩和の動きが出てくる可能性は非常に高いと思います。」
--それから日銀が目指しています2%の物価目標の達成時期はどうしても後ずれしそうということになるんですか。
「そうですね。今の円高や物価の動きを見ていますと、現在の17年度ごろというところが18年度にずれる可能性も出てきたんじゃないかなと思っています。」
・次の利上げは12月か・6月雇用統計に注目
--影山さんによりますと投資家のほとんどの人が年内のアメリカの追加利上げはないと見ているということなんですが、木下さんはどうでしょうか。
「以前は9月の利上げを予測していたんですが、ブレグジットの国民投票のあと12月という見方に変えております。やはり不透明感が非常に強いというところが一番大きいですね。イギリスがこれからどうなっていくのだろう。ユーロ圏への影響はどうだろう。そういったところを考えると、ある程度の先が読める状況にならないと利上げは難しいであろう。もう一つは、5月分の雇用統計が悪かったというのが記憶に新しいところなんですが、そういった状況の中で、アメリカ経済が本当にしっかりと回復していく、その軌道がミットせるようになってからでないと上げにくいということかと思います。」
--外部要因も内部要因もひとまず落ち着いてからでないと難しいいということなんでしょうね。ということは明日発表の6月の雇用統計は相当重要になってきますね。
「そうですね。アメリカの経済の先行きを見る上では、この雇用統計の動きが非常に重要になってきますので、注目していきたいと思います。」
--前回の雇用統計はとても弱い数字で、3.8万人でした。今回はどう予想されていますか。
「今回は私たちは16万人を予想しています。」
--そんなに増えますか。
「市場では18万人という数字が今のところ出ているんですが、雇用の別の統計を見ると、比較的好調に戻ってきている様子ですので、それぐらいになってもおかしくない。」
・日本の教育を“能動型”に
--ITを駆使した教育、どこで止まったかとかが分かるそうです。ですから生徒が居眠りしたところとか、ここから分からなくなったとか、ポイントが分かってしまう。こうしたIT化が教育の場でどんどん広がってくると思うのですが、木下さんはそれ以外にも大切なことがあると・・・
「日本の教育というとどうしても受け身の教育という面が強いと思うのですが、そうではなくて積極的にクラスでも発言をしていくような、そういう指導も同時に必要じゃないかと思います。」
--海外で教育を受けられたことはおありなんですか。
「私自身はアメリカの大学院に留学した時に、みんな競うように手を上げて発言をするんですね。日本人だと他の人が発言をしてそれを聞いてから発言をしようかなと思うのですが、あとで聞いたらやはり最初に話した人の評価が一番高いそうなんです。」
--そうすると日本人はどうしても評価が下がってしまう。
「それをしばらく気づかなかったんですが、やはりそいったところを積極的に言えるように、日頃から訓練をしておくというのはとても重要じゃないかなと思います。」
--そこで積極的に手を上げるようになられたんですか。
「そうですね。やはり変わらなくてはいけないということで、努力はしました。」
--それは大人になってからの話ですよね。それは社会人になってからも役立たれましたか。
「社会人になってから、私の勤めている野村証券は数年前にリーマンショック後、リーマンブラザーズのアジアの拠点の方々と一緒に働くようになったわけなんですが、その時に会議でスキルが非常に大事だなと気づきました。ほかの人が話していてもいつの間にか自然に自分の意見が言えるような能力とか、そういったところは非常に学ぶところが大きかったですね。」
■ニュース
TXN総力取材 街角景気 独自調査の結果は…
日銀は全国9つの地域の景気情勢をまとめた地域経済報告「さくらリポート」を発表しました。多くの地域は現状維持ですが、足元では円高・株安が進んでいます。
【燃費不正に地震、中国・九州で景気判断引き下げ】
景気判断は3か月前と比べて変わらない地域(北海道、東北、関東甲信越、北陸、東海、近畿、四国)が多いが、2つの地域では引き下げられました。その1つは中国地方で、燃費データ不正問題で三菱自動車が岡山県の工場で軽自動車の生産を約2か月半停止した事が響きました。もう1つは4月に発生した熊本地震の影響を受けた九州・沖縄地方で、旅行のキャンセルが相次いだこと、さらに外食を自粛するムードが広がり飲食店の売り上げが下がったためです。
《日銀/秋山修福岡支店長》
「被災地以外でも観光客や修学旅行客のキャンセルが相次いでいる。特に九州において数が多い韓国の客や中国の富裕層の客も地震で大きく減少している。」
【TXN総力取材、街角景気・独自調査の結果は】
最新の景気情勢についてテレビ東京の系列局が独自調査。すると北海道、札幌駅前のタクシー乗り場では「190万都市の玄関なのに乗る人がいない」との声が聞かれました。さらに東京の宝飾店では「円高は価格で訴求できるためよい」と言うものの「客の財布のヒモは堅くなる恐れがある」と懸念も示しました。東海地域の名古屋でも円高の影響を心配する声が聞こえるほか、大阪ではインバウンド需要の不調が確認されました。四国のうどん店は、讃岐うどんにEU離脱の影響はないといいますが、円高で海外店舗の売り上げが減ると言います。今回さくらリポートで景気判断を下げた九州・沖縄地方。大きな要因となった熊本地震の影響について、回復しているという意見と、まだまだ厳しいという意見が聞かれました。
自動運転バス来月導入へ
自動車メーカーやIT企業がしのぎを削る自動運転技術で新しいサービスが始まります。自動運転の小型バスだ。自動運転は期待は大きいがまだまだ法整備を含めて課題が多いという現状もあります。そうした中、DeNAは、私道や私有地などを走る自動運転バスサービス「ロボットシャトル」を始めます。車両はフランスのベンチャー「イージーマイル社」が開発した電気自動車で、最高時速は40kmだが通常は時速10~20kmで運行します。バスに搭載されたGPS・センサー・カメラとソフトウエアだけで行われ、遠隔地から制御することはなく、現在ヨーロッパを中心に15か国で導入が進んでいると言います。最初に走るときは人が操作し、走行ルートをソフトウエアに記憶・設定することで、無人走行します。安全面については、前後4ヵ所についたセンサーで車の周囲360度をカバーし、人や障害物を感知すると徐行・停止します。ロボットシャトルは、NTTドコモと九州大学が実証実験で使うほか、8月から千葉市内のイオンモールが試験導入します。千葉市の幕張地区は先端技術の国家戦略特区に認定されていて、4月にはドローンの宅配実験も行われました。千葉市とイオンは将来的に自動運転バスをモール内で運用し、人手をかけずに買い物客のサービス向上を図ります。一方、DeNAは、このバスの運行管理と保険などをパッケージ化し、商業施設や大学に売り込みます。
《ディーエヌエー/中島宏執行役員》
「大きなアミューズメント施設や大学だと地域の旅客サービス業者がそういった巡回バスの運行を請け負っている。人材不足というところが大きなネックとして既に顕在化している。我々のサービスで解決していけると思う。」
《大浜メモ》 『自動運転でライフスタイルがどう変わるのか?』
「正直実際乗ってみるとまだまだスピードもゆっくりですし、とても公道を走れるレベルではないですけれど、それでも私有地に限定する形で実用化を急いでいるというのは、いろいろと思惑があるようで、『自動運転でライフスタイルがどう変わるのか?』というのを早めにキャッチしたいというのが強いようなんです。振り返ってみると、車社会が到来して、高速道路網も出来上がってきて、それに伴って郊外の人口が増えたりだとか、レジャーの質がもっと広がったり、いろんな変化がありました。この自動運転いうと、いま言われているのが、車が情報端末になるとか、車の所有の仕方が変わってシェアするようになるとか、いろんなことが言われているんですが、その影響がそこから先、どこに向って、どんなふうに広がって、私たちの生活や気持ち、消費スタイルがどう変わるか、というのはまだ分からないです。」
--ただ私みたいに運転が苦手な人間としては自動運転は本当に期待します。
「自動運転が普及した時に大江さんの消費スタイルが何か変わるかもしれない。そういうことも含めて、インターネット会社としてキャッチしたいという気持ちが強いみたいです。」
いよいよ自宅が仮想空間に?
コンピューターが描く仮想空間を、現実のように見せるバーチャル・リアリティー(VR)。台湾のHTCはきょう、日本の店頭で初めて、VR技術を駆使したゲーム機「Vive(バイブ)」の販売を始めました。ゴーグル型のディスプレーやコントローラーを含めたセットは10万円超で、高性能パソコンも必要。今年はVRゲーム機の発売が相次ぎ、3月にフェイスブック系「オキュラスリフト」の注文が始まったほか、10月にはソニー「プレイステーションVR」が発売されます。HTCは「4.5m四方動き回れる」という、仮想空間の「広さ」を売りに、いち早く市場を席巻したい考えです。さらにHTCは「企業向け」の市場も見据えていました。HTCNIPPONの玉野社長は「スポーツバーなら試合、カラオケなら風景に入り込めるコンテンツを提供するなど、いろいろな産業でVRを活用したい」と話しています。
ソウル企画 躍進する韓流ファッションの秘密は
若者向けファッションが多様化する中で、お隣、韓国のファッションブランドが注目を集めています。伊勢丹新宿店に今年出店した韓国ブランド「スタイルナンダ」は、左右の丈が違うシャツなど個性的な商品展開で人気を集めています。このブランドをはじめ、最近の韓国ブランドの特徴は商品開発のスピードが速いことで、スタイルナンダのウェブストアでは毎日約10アイテムの新商品を出しているといいます。スタイルナンダの本社に行くと、その驚異的な開発スピードはソウルにある東大門市場が支えているという事でした。なぜ東大門市場だと早く商品開発ができるのか、東大門に通う若いデザイナーのモノづくりに密着して、その秘密を取材しました。
未来の教育
政府は、IT人材の育成強化などの方針を掲げるなど、いま教育のIT化は、加速度を増しています。そんな中、教育現場向けIT機器を販売する「内田洋行」は、半導体製造最大手の「インテル」と、教育事業で協業すると発表しました。「内田洋行」は、ビッグデータの解析に実績のあるインテルと組むことで、いま教育現場で求められている「アダプティブラーニング=学びの個別化」の実現に役立てられると期待します。
《内田洋行プロダクト企画部/矢島佳保里さん》
「1人1人に合った学習スタイルを考えることが出来るようになる。」
「内田洋行」では、すでに電子黒板とタブレットを連動させた商品などを販売していますが、今後、それらを使った授業をすべて記録し、データ解析することで、子ども一人ひとりに最適な学習指導を行おうとしています。すなわち授業をすべて映像で記録し教師の発言のタイミングなどをすべて記録、電子教科書であるタブレットに書き込みされて回数などもすべて記録さ、子ども一人一人の理解度の差を比較し授業改善に役立てるのです。
《内田洋行/大久保昇社長》
「今までは処理能力が低く膨大なデータを取ろうという気にならなかったとおもうんですが、不登校の子どもやとがった子供たちをもっと伸ばせるかもしれない。」
三菱UFJ役員 破綻企業から過剰接待
三菱東京UFJ銀行の複数の行員が、取引先の企業から、過剰な接待を受けていたことが分かりました。三菱東京UFJは船舶管理などを手掛け昨年末に破たんしたユナイテッドオーシャン・グループに対し数百億円を融資していましたが、その担当者が高級クラブなどで社内の規定を超える接待を受けていたとみられます。三菱東京UFJは「ルール違反は事実で適正に対応している」としています。
ロッテ創業者長女を逮捕
ロッテの免税店への出店を希望する業者などから不正に資金を受け取ったとして韓国検察は7日、ロッテグループの創業者の重光武雄氏の長女・辛英子容疑者を逮捕しました。辛容疑者は、化粧品会社など複数の業者に対し、ロッテ免税店への出店をめぐって便宜を図り、見返りにおよそ2億6,000万円を受け取った疑いがあるほか、グループ会社から、およそ3億5,000万円を横領した疑いももたれています。
ブレア元首相 英イラク参戦を正当化
イギリスが2003年にイラク戦争に参戦した経緯を調査していた独立調査委員会が、当時のブレア政権による決断を批判する報告書をまとめたことについて、ブレア元首相が会見し、2時間にわたり釈明しました。「この決断について許してくれない人がいるのはわかっている。情報に基づいた正しい判断だったと信じている」。ブレア氏はこのように述べ、参戦の判断を改めて正当化しました。
経産省 観光案内マーク変更へ
経済産業省は、施設の場所などを示す案内用のマークを国際規格にそろえるよう改正する検討会を始めました。国内で使われているおよそ140種類の案内用マークは、JIS=日本工業規格に基づいたもので、およそ半数が国際規格のデザインとは異なっています。例えば、現在の温泉マークは国際標準のものとは異なり、一部の外国人にはコーヒーに見えるなど分かりにくいと指摘されています。経済産業省は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを前に、急増する外国人旅行客のため案内用のマークを理解しやすいものにしたい考えです。
《大江キャスター》
案内用のマークは前の東京五輪の際に生まれたものも多く、そこから日本で独自に進化を遂げた。ガラパゴス化したものはかえなくてはいけないということです。
俳優の石田氏 都知事選出馬を検討
来週14日に告示される東京都知事選挙に、俳優の石田純一氏が出馬を検討している考えをつい先ほど明らかにしました。石田氏は、市民団体から都知事選への出馬を求められているとした上で、今後民進党などから正式に要請が来る場合も踏まえ出馬するかどうかを一両日中に判断する考えです。
大西飛行士 七夕の夜空へ
日本人宇宙飛行士大西卓哉さんを乗せたロシアの宇宙船「ソユーズ」が打ち上げに成功しました。日本時間のきのう午前10時半すぎ、ソユーズは、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から国際宇宙ステーションに向けて打ち上げられました。大西さんは全日空のパイロット出身で羽田空港では元同僚たちが打ち上げを見守りました。大西さんは国際宇宙ステーションに9日に到着し、およそ4ヵ月間、マウスを使った実験や、新たな治療薬の開発実験などを行う予定です。
■【トレたま】組立式分煙装置
飲食店やコンビニのバッグヤードに置けるものとして開発された一人用喫煙室、つけた瞬間に臭いがするが全然臭わない。煙は天井のフィルターを通りろ過して装置内も戻ることを繰り返す。菱熱工業の女屋哲意社長は「夢は大きく1万台くらい売り上げたい」という。
【商品名】組立式分煙装置
【商品の特徴】室内の狭い場所における喫煙室
【企業名】菱熱工業
【住所】東京都大田区南馬込2-29-17
【価格】21万6,000円
【発売日】販売中
【トレたまキャスター】北村まあさ