■マーケット
イギリスの金融街シティーのトップが来日
きょう、イギリス大使館で日本の資産運用会社や保険会社などの関係者に対してセミナーが開かれました。彼らに熱弁を奮ったのはロンドンの金融街「シティー」のトップであるエバンズ氏です。エバンズ氏はセミナーで「ブレグジットにどうか失望しないでほしい。イギリスの資産運用分野には将来に向けて成長する力がある」と訴えかけました。その背景にはブレグジットを受けて、フランスやドイツなどが、シティーからの移転を検討している金融機関の誘致に乗り出し始めたことがあります。エバンス氏はこのことについて「私も同じ立場だったら企業の誘致をすると思う。しかしシティーは資産運用や株、銀行などあらゆる分野の専門家が狭い範囲に集中している。これはヨーロッパのほかの都市にはない」と話しました。
米企業の業績は?

アメリカでは4月から6月期の企業決算が始まり、市場予想を上回る好決算の企業が多く出ています。今回の決算は市場では3%の減収が予測されていますが、1-3月期の8%の減収と比べると改善しています。原油価格の持ち直しやドル高が止まりつつあるため、収益が大幅に悪化していたエネルギー素材関連企業の業績改善が期待されています。一方、賃金の上昇が加速していていることから企業のコストが増えることや、大企業の寡占化に対する新たな規制への懸念も高まりつつあり、企業収益の上振れが難しいという見方もあります。
中継担当:NY支局栗原浩史記者
■【コメンテーター】市川眞一氏(クレディ・スイス証券チーフ・マーケット・ストラテジスト)
・近づくデフレの足音、政府は政策目的を見失うな
--こんなに値下げの動きが出てきているとは驚いたんですが、デフレの足音がまた近づいてきたということですか。
「円高に今なっていますから、もうしばらく物価は下がると思います。」
--そこで対策を打つとするとどうなるのですか。
「着実に雇用制度改革や労働市場の改革さらには外国人労働力の受け入れをやっていくことだと思います。奇をてらって、だからヘリコプターマネーだということになってくると、おかしくなってくると思う。もちろんうまく行けばいいけど、失敗した場合はものすごく円が下落したり、インフレになったりします。そうすると実は財政赤字の実質価値は減るので、むしろ財政健全化という点に関して言えば、デフレになった方がいい。ところがそうなると国民金融資産の価値が減ってしまうので、結果的に例えば高齢者の方で退職金を貯蓄している方が非常に困ってむしろ生活防衛になってしまう。そうすると社会不安につながってくるわけです。そういう意味では元々2%の物価目標を金融政策だけでやっていくという所に無理があったわけだから、本来やるべき事を地道に着実にやっていくしかない。」
--物価目標達成だけが目標になってしまってはいけないと・・・
「それは手段であって、目的は経済を安定的に成長させることですから。」
・需要膨らむ中小型機、航空機市場の主戦場に
--様子見も広がっているようなんですけれども、航空業界へのブレグジットの影響は、どうみていますか。
「本当に皆さんもおっしゃっていたように分からないですね。影響が出る可能性もあるとは思います。ただ例えばボーイングが20年間の今後の市場予測をしているんですが、それによると20年間で3万8920機、金額にすると620兆円ぐらいの大きな市場がある。実はそのうちの4割がアジアなんです。そういうなかで大きな変化というのは今まではボーイング747に代表される、いわゆるジャンボジェット、大きな機体の飛行機でしたけれども、これからはMRJいわゆるリージョナルジェット、100席ぐらいで航続距離も3000キロ程度の市場がいま非常に大きな競争になっている。大型ですとどうしてもボーイングエアバスの寡占市場でしたけれども、そこにMRJなどの新たな新規参入が入ってきて、競争が始まったというところなので、航空業界は非常に興味深いところにいると思いますね。」
・知られざるキウイめぐる舞台裏
--日本でキウイの需要が伸びているということなんですが、市川さんは今後何かが起こりそうだというんですね。
「キウイの原産国は実は中国で、ニュージーランドの農家の方が1906年にキウイを中国で見つけて、持って帰って商品化した。」
--もともとはキウイではなくてチャイニーズ・グースベリーとい名前だったんですね。
「いま生産量は中国が177万トンで、2番目がイタリアの45万トン、3番目がニュージーランドの38万トンなんです。そういう意味では中国が一番大きいんですけど、昨年の11月にゼスプリが中国の上海市と提携をして、中国でいよいよ本格的にゼスプリがキウイを作り始める。」
--中国はこれまでは輸出はしていたんですか。
「輸出はどうもしていないようですね。そうするとゼスプリが作った高品質のキウイが中国でもできるようになるかもしれない。ですからキウイはいま日本でも世界的にも伸びていますけれども、そこに中国がもしかしたら殴り込みをかけてくるかもしれない、という話です。」
■ニュース
LINEが米上場
無料通信アプリのLINEがNY証券取引所に先ほど上場しました。初値42ドル。公開価格の32.84ドルを約28%上回った。明日は東京証券取引所で上場する。
再び値下げ路線に…
小売り大手の間に値下げが広がっています。「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングは、去年まで2年で2回値上げしましたが、業績悪化を受け、今年に入り値下げ。それが効を奏し、今年3~5月の決算は増収増益となりました。またニトリの似鳥会長は「今後は値上げしない」と宣言しています。全国の小売店3万6,000店からチラシを集め、分析するリサーチ会社によると、もし小売りの中間決算で業績が悪ければ、10月~12月の3ヶ月で値下げがさらに進む可能性もあるといいます。すでにスーパーの西友では低価格化が進行。6ヶ月以上価格を変えない「プライスロック」という施策の対象商品は、1,000品目以上に増えました。また「ガスト」では先月、メニュー全体を刷新し、500円から600円台のメニューを拡大。消費者は将来への不安から、安いものを選別して買うようになっています。
【再び値下げ路線に】
一時期、値上げや高級化路線に取り組んだ小売り大手が今再び値下げに踏み切り始めている。デフレ脱却は遠のきつつあるのか。
【不振脱却へ“値下げ”・ユニクロの選択・成果は?】
ユニクロを運営するファーストリテイリングは今年に入り値下げをした。ユニクロは去年まで原料価格の高騰などを理由に2回値上げを実施した。しかし客足が遠のき今年2月まで半年間の国内のユニクロ事業は売り上げが減少、大幅な減益となった。そのため今年は再び値下げ路線に転換。そんな中で今日、3月~5月の決算を発表。一連の値下げによって平日を中心に客数が月を追って回復し売上高が前年比4.4%増となった。

《大浜キャスター》
消費者は価格に敏感になっていて、今年は値下げの夏になりそうだ。
① 無印商品を展開する良品計画の松崎社長は今月の1日に「消費の先行きが強くないために、日常品を中心に価格を見直す」と話している。
② 靴のチェーン店ABCマートは「お買い得品で客を取り戻したい」として、一部の店で低価格商品を導入する。
③ サイゼリアは12日の決算会見で、低価格を維持したことが客足につながったため、「これからも値上げしない」としている。
④ 少し高めの中価格帯の商品にも力を入れているニトリは、消費が低迷する中で、客は価格に敏感になっているため、「今後は何があっても値上げはしない」宣言した。
実際値下げはどこまで広がっているのか。ある独自の分析を行う専門家を訪ねた。
【チラシ分析で分かった現象】
リサーチ会社の「情報商社チラシレポート」はスーパーやドラッグストアなど4業態、3万6000店のチラシを収集し、約4万4000店の商品価格の平均値などを算出している。モノの値段は下がり始めているのか。「情報商社チラシレポート」
の澤田英社長によると、商品の値段は消費税8%増税以降、値下がりの傾向にあるという(ビール、マヨネーズ、洗濯洗剤)。また小売店が安売り競争に舵を切ると白黒のチラシが増えるという。まだその兆候は表れていないが、この夏の消費動向が注目される。
の澤田英社長によると、商品の値段は消費税8%増税以降、値下がりの傾向にあるという(ビール、マヨネーズ、洗濯洗剤)。また小売店が安売り競争に舵を切ると白黒のチラシが増えるという。まだその兆候は表れていないが、この夏の消費動向が注目される。

【「値下げの夏」到来!?低価格に突き進むスーパー】
スーパー西友の店内で今目立つのはプライスロックの文字だ。これは6か月間、価格を変えない、もしくは下げる事を客に約束するプログラムである。こうしたプライスロックの対象品は現在1000以上に上る。これにより売り上げが伸びた商品があるという。
【「値下げの夏」到来!?出費抑える“客の懐事情”】
ファミリーレストランのガストでは今年に入り手頃な価格のランチメニューを強化し、ランチタイムの売り上げが伸びた。それを受け先月にはメニュー全体を刷新した。肉料理を中心に800~900円台のメニューを減らし、500~600円台を増やした。「大葉おろしの和風ハンバーグ」も150gから180gに増量したが価格は据え置き、実質値下げになった。
《すかいらーくレストランツ/松本純男社長》
「2年前までは高くても珍しいものをメニューにする事で喜ぶ客が沢山いた。しかし最近は安くていい物を食べたいという意見が多くなってきた。」
キウイ人気の“秘密”

さわやかな酸味が人気のキウイフルーツだが、年間支出額はバナナやりんご、いちごと比べるとまだまだ少ない(総務省家計調査)。ただ5年前と比べた消費の伸び率を見てみると主な果物の中でトップ。横浜市にあるアピタ長津田店ではキウイの売れ行きが毎年120%程度伸びているという。今や夏の定番フルーツ・スイカの消費額を抜いたキウイ、なぜ人気なのか。
キウイフルーツの人気が高まっている。昨年の消費額の伸び率は、バナナやリンゴを押さえてトップになった。キウイの輸入最大手の「ゼスプリインターナショナルジャパン」が開催したセミナーでは、キウイの栄養素の高さを紹介。キウイフルーツの食物繊維はバナナの2倍以上で、またビタミンCはミカンの2倍も含まれていて、キウイ1つで1日分の推奨摂取量が摂れるという。さらにキウイ入りのパスタなど最近ではデザート以外での食べ方も広がっているという。キウイ人気の理由の一つが、いつでも同じ甘さが味わえること。ゼスプリのキウイが保管されている倉庫では、最適な味で、店頭に並べるために「追熟」という人工熟成を行ってる。追熟を行うことで、一定の甘みを保つことができる。また、キウイは、年間を通してほぼ同じ価格で店頭に並んでいることも人気の理由だ。供給量を保つため、ニュージーランドでは収穫ができない時期に、日本で生産することで、いつでも買える果物を実現した。
生前退位の意向 宮内庁長官「いろんなお考え自然」
天皇陛下が皇太子さまに皇位を譲る「生前退位」の意向を周囲に示されたことについて、宮内庁長官は意向の事実を否定しましたが、陛下が「いろんなお考えを持たれるのは自然なことだ」という見解を示しました。天皇陛下はきょう夕方、皇后さまと共に静養先の神奈川県葉山町の御用邸を出られました。普段と変わりなく、集まった人たちに笑顔で手を振り応えられていました。あすからは、ほぼ毎日、公務が入っていて、お忙しい日常に戻られます。宮内庁のトップである風岡典之長官は、きょうの定例会見で天皇陛下が「生前退位」の意向を周囲に示されたことについて「そういう事実はない」と改めて否定しました。ただ、去年12月に82歳になられた陛下について「いろんなお考えを持たれるのは自然なことだ」との見解を述べました。
ポーラ“しわ改善”の医薬部外品
ポーラはきょう、しわの改善が期待できる日本初の医薬部外品の開発に成功したと発表しました。これまでの製品は「小じわを防ぐ」とうたう美容を目的とした化粧品でしたが、今回は、しわ対策製品として初めて薬事法の医薬部外品に認定され、「しわを改善する」などの効果をうたうことができるといいます。ポーラによりますとこの製品にはしわの原因のひとつである「エラスターゼ」の発生を抑える成分が含まれており、試験ではおよそ70%の人にしわの改善が見られたということです。開発中にカネボウ化粧品の白斑問題もおこり医薬部外品の認定審査には7年かかりました。ポーラは来年の発売をめざし、値段は1万5,000円程度になる予定です。
スタバ新CEO 水口貴文氏会見
新たに就任したスターバックスコーヒージャパンの水口貴文CEOが、きょう会見を行いました。水口CEOはルイヴィトンジャパン出身でブランドビジネスに精通していて、グローバルビジネスの経験も豊富という理由でCEOに任命されました。日本の事業開始から今年で20周年を迎えるスターバックスは新たな体制で店舗数の拡大を目指します。
首都圏マンション発売 24年ぶり低水準
不動産経済研究所がきょう発表したことし上半期の首都圏の新築マンション発売戸数は、前年の同じ時期と比べて19.8パーセント減り1万4,454戸となりました。上半期としてはバブル崩壊後の1992年以来、24年ぶりの低水準となりました。1戸当たりの平均販売価格は、8.2パーセント増の5,686万円と4年連続で上昇し、91年以来の高い水準となりました。
世界の空に“乱気流”?

200機近い航空機が展示されているイギリスの「ファンボロー国際航空ショー」は、約20兆円が動く“空の商談会”です。ボーイング社の新型旅客機や日本の自衛隊が購入を決めたF35戦闘機も並びます。LCCのエアアジアは、仏・エアバス社から旅客機100機、総額1兆円規模の大型契約を結びました。そして三菱航空機の小型ジェット旅客機「MRJ」も、スウェーデンの企業と最大1,000億円の契約を結びました。ただ、気がかりなのがイギリスのEU離脱問題です。ヒト、モノ、カネの流れが制限されるおそれや、先行きの不透明感から、様子見をする客が増えているといいます。会場にいたANAホールディングスの伊東会長も「正式な離脱には時間がかかるので、そこまでの影響がないことを祈りたい」と語ります。
熱中症対策飲料が続々…
今年も猛暑が予想される中、各社から熱中症対策飲料が続々と出ています。熱中症対策飲料の代表格、「ポカリスエット」。これを製造する大塚製薬はきょう、熱中症対策セミナーを開催しました。そんな中、大塚製薬が今年発売したのは「ポカリスエットゼリー」です。液体ではなく、ゼリー状にすることでおなかが膨れずに水分を摂取することができるといいます。この夏は、ほかにも塩分補給ができる「ファンタすいか」や味わいを濃くし塩分を配合した「濃いめのカルピス」など、各社から熱中症対策飲料が続々と出ています。熱中症対策飲料の市場規模は2013年以降高止まりを続けており、今年も引き続き好調に推移する見込みです。
■【ヒットの順番】出前
外食産業が落ち込むなか、宅配ビジネスが好調です。全国に加盟店1万3,000を超える大手宅配サイト「出前館」が集計した出前人気急上昇ランキングでは、トップ10のなかに、4つもボリューム満点ガッツリ系のメニューがランクインしました。第1位は「神保町ビーフ」の「特製とろけるローストビーフ丼」。こちらのお店は星野店長が1人で切り盛りしているため、出前は近くにある別の飲食店が行っています。人気店の出前サービスを請け負うという新しいビジネススタイルです。一方、6位にランクインしたのは「金沢カレー堂」の「オールスター」こちらの店舗はカレーだけで5店舗、合計7店舗も出前館に出店している出前専門店です。出前専門店は、1つのスペースさえあれば、さまざまな店舗を開店することができる上、人気が出なかった場合、閉店することも簡単だといいます。進化する出前ビジネスは、まだまだ広がりをみせそうです。

■【トレたま】リモコンで省エネ
米国で立ち上げたベンチャー企業で開発した装置を後付けするだけでスマート家電のようにするスマートリモコン。人感センサーを内蔵し自動で切ったり、GPSと連動させてエアコンを起動させることができる。リモコンを付けた絵禍根に対して設定温度、使用する時間帯を操作、調節し省エネにつなげたい考えだ。利用者の同意を得た上で来年の夏ごろには電力会社と協力し実証実験をしたいとしている。
《NatureJapan/塩出晴海社長》
「電力会社と組んで電力のピーク時にお金をもらってエアコンの温度を調整する。」
【商品名】ネイチャーリモ
【商品の特徴】電力会社の供給状況によって、設定温度などを調節できるリモコン
【企業名】NatureJapan
【住所】京都市
【価格】1万1400円~
【発売日】12月発売予定
【トレたまキャスター】相内優香