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モーニングサテライト・ウォッチ

2016.7.26 WBS・ワールドビジネスサテライト

2016年07月26日 23時59分59秒 | WBS
■マーケット

進む円高…背景は?
今日の東京外国為替市場でドル円相場は一時1ドル=103円台をつけました。政府の経済対策や日銀の追加緩和への期待が剥落したことがあります。SBIリクイディティ・マーケットの藤田行生氏は「政府から財政出動を伴う景気対策が出されたが、その内容が少し新鮮味に欠けていたこともあり、日銀が本当に追加緩和を行うかどうかということに不透明感が生じた」と、マーケットの期待が剥落した背景について述べました。



英メイ首相は“鉄の女”?
英国の新しい首相に就任したメイ氏は最近、サッチャー首相を彷彿させる強気の姿勢が話題です。メイ氏は、かつては考えをあまり表に出さず、EU離脱をめぐる議論でもほぼ日和見の態度でしたが首相になって、その姿は一変しました。対立する野党労働党のコービン党首には、辞任を求める声が相次いでいて、メイ首相はそこを攻撃しました。その攻撃する姿はサッチャー首相そっくりだと言われています。また、核保有国の指導者として、きれいごとは一切言わない姿勢も似ているようです。25日、英半導体設計会社を買収したソフトバンクグループの孫社長がメイ首相と面会しましたが、どこか緊張した様子でした。また、26日に安倍総理がメイ首相と電話会談を行い、英国で活動する日系企業の活動に悪影響がでないよう要請しました。これに対してメイ首相は考慮して対応すると応じています。中継担当:ロンドン支局豊島晋作記者







■【コメンテーター】冨山和彦氏(経営共創基盤CEO)

・会社の枠組みはなくなる!?将来目指すべき働き方とは
--今後、会社という枠組みはなくなっていくんでしょうか。
「完全になくなりはしないだろうが、知的創造性や新しいものを立ち上げる時にはプロジェクト化して仕事した方が競争力がある。効率もいいしスピード感もある。大きな組織を構えて、大きな設備を抱えて、集団で終身雇用で固定的メンバーで働くというやり方は必ずしも競争力がない。だんだんそういう働き方は減っていく。すごく多様でかつ色々な働き方がこれから増えていくだろう。」
--このプロジェクトチームの中にも副業している方もいるでしょうし・・・
「本業を持って副業としてやっている人もいるでしょうし、主婦の方もいるでしょうし、厚労省で『2035年未来の働き方』とい研究会をやっているんですけれども、20年後はだいぶ変わっているだろうと思う。AIも出てくるし、ネットももっと繋がるなど今から想像できない状況に、私たちの20年後はなっているかもしれない。」
--それだけ働き方が多様化してきますと、制度の在り方もそこに応じたものにしていかないと・・・
「だから現状は正社員で大企業で長い間働くのが有利な仕組みになっている。税制にしても社会保障制度にしても、あるいは労働市場のルールにしても。だからやはりそれを中立的にしていかないといけない。やり方によって差別にならないようにしないといけない。」
--優遇するのではなくて、あくまでも中立にするということですね。



・グローバリズム VS ローカル経済
--メイ首相、強いイメージを打ち出してきましたけれども、今後EU離脱をするというイギリスで、メイ首相というリーダーに求められていることは何ですか。
「これはアメリカも同じことが起きているんですけど、いわゆる政治的な対立軸というのは右対左とか、資本家対労働者とかいう感じではなくなってきているんですよ。特に先進国で比較的豊かな国ほど、グローバリズム対ローカル経済圏の対立みたいになってきている。要はグローバル経済圏で働いている人たち、あるいはおこで投資をしている人たちはどんどんお金持ちになっていくんですね。ところがローカル経済圏、地域に張り付いて、地域密着型の産業でで働いている人はあまり恩恵を受けていなんです。このあいだに対立軸が生まれていて、グーローバル対ローカルの対立になっている。」
--そのローカル経済圏のところにまた移民も入って来るということですね。
「そういう人が一番被害者意識を持ってしまうんですね。ただこれは実は19世紀まで遡ると、当時のアメリカやイギリスの2大政党制は、近い対立があった。重商主義対自由貿易、要はローカリズム対グローバリズムで、だから今の保守党の前身はもともとどっちかというと重商主義で、自由貿易論じゃないんですよ。アメリカの共和党も19世紀、南北戦争のころはむしろ保護貿易論だった。だからむしろ対立軸が19世紀に戻っているんです。」
--ということはメイさんはグローバル経済圏の方にもローカル経済圏の方にも対応する政策を・・・
「そういう政策を提示しないと、従来型の左右対立的な枠組みではもう有権者が抱えている問題には応えられないので、そういう意味では本当に強いリーダーシップで、新しい枠組みを提示しないとこの状況は乗り切れないと思います。」



・ポケモンGOで鳥取GO
--ポケモンGOに地方活性化のヒントがありますか。
「日本のキャラクターを使ってアメリカで生まれてグローバルに展開したサービスでしょ。これを日本のローカルが使って・・・・・・。そういうことがいまできる機会がいっぱい増えているんです。地方創生というとつい名産品とかいう思い込みがあるけど、固定観念を外して頭を柔らかくして世界中にアンテナを張っているといろんなチャンスがあります。もう一つ大事なことは、世界や周りから見て自分たちが本当に・・・・・。こんどはそれをちゃんと・・・・・・とリピートのお客さんが取れるようになるので、これから後の展開が楽しみですよね。」
(このおっさんの滑舌と相性が悪くて聞き取れなくて・・・・・・の部分が多すぎてごめんなさい)



■“一人企業”でも巨大ビジネス
働き方が多様化している中、個人で大企業並の大きな事業をいくつもこなす人が増えています。東京・南青山にあるシェアオフィスで働く髙木さんは現在2つの会社の社長で、年商は6,000万円です。髙木さんの成功の秘訣は、プロジェクトごとに各分野のプロを集めたチームを作ることです。こうした働き方は広がりをみせています。元ソニーで、電子書籍などの開発責任者だった野口さんは、56歳の時に起業しました。野口さんが目指すのはハリウッドの映画のように、一流のスタッフを集めた働き方。ソニー時代に手がけた製品を超えることが目標です。現在すすめている事業が、電子ペーパーを使った電子楽譜の端末の事業です。ソニー時代につながりのあったVAIOに製造を依頼して製品を作っています。できたばかりの試作機は、6月上旬にフランスのカンヌで開催された音楽産業見本市「midem」に出展。そこでの高評価を受け、現在は海外展開も考えています。
取材先・伊藤清商店・VAIO・寺田倉庫・btraxJapan


働き方が多様化している中、個人で大企業並みの大きな事業を幾つもこなす人が増えている。起業はハードルが高そうだが、特別な才能がなくてもできるという。どの様な働き方なのか取材した。

【才能よりチーム力で勝つ!?】
高木克人さん(43歳)は2つの会社を経営する社長で年商は計6000万円。以前は楽天の営業マンだった高木は4年前、40歳を目前にしてネット通販関連ビジネスの起業を決意した。しかし仕事場は自宅とシェアオフィスだけで、ネット会議は声を出せる飲食コーナーで行う。
高木さんの2つの会社の社員は高木さんのみで、各分野のプロとプロジェクト別にチームを作って仕事をする事が成功の秘訣という。高木さんは今の仕事のスタイルに手応えを感じていた。高木さんは「私には能力があまりないのでネットワーク。私は商談しているだけだ。」と話した。

【ソニーを辞めたエース技術者、“ハリウッド式モノづくり”に挑む】
新たな働き方は広がりを見せている。ソニーの技術者だった野口不二夫さんはソニーの電子書籍端末「リーダー」の開発責任者を務めるなどソニーの技術陣の中でもトップクラスの実績を誇っていたが、2年前に56歳の時に退職し1人で起業した。仕事の拠点は自宅とシェアオフィスだ。イメージしたのは企画毎にスタッフを集めるハリウッド方式である。ソニー時代に手掛けた製品を超える事が新たな目標だ。野口さんは独立後、最大のプロジェクトに乗り出していた。かつてソニーのパソコン部門だったVAIOとの電子楽譜「GVIDO」の開発している。野口さんに電子楽譜の開発を持ち掛けたのは寺田倉庫の寺田保信会長で、これまでにない電子楽譜はプロ同士の関わりで生まれていた。6月上旬にはフランス・カンヌで開かれた国際音楽産業見本市「midem2016」に試作機を出品し高い評価を得た。野口さんは年内にも始まる量産化に備えPRの為のチームを新たに立ち上げた。




■ニュース

ポケモンGOは地方を救う!?
配信開始以来、日本中で人気の「ポケモンGO」。これを観光の起爆剤にしようという動きが出始めました。鳥取県は「スナホ・ゲーム解放区」宣言をきのう告知。鳥取砂丘ではその「ポケモンGO」をプレイする人が目立ちます。手に入りにくいポケモンが出現したり、アイテムが手に入る「ポケストップ」という目印が数多く並んでいます。全国的に観光地の多くが「ポケモンGO」の規制に動く中、なぜ鳥取県は積極的に“解放”に動くのか。その理由を鳥取県の平井知事は「遊ぶのに安全だから」と語ります。もちろん狙いは客足の増加。周辺の商店では、ポケモンを呼び寄せるアイテムを使って、客を呼び込もうという作戦も始まろうとしています。平井知事は「旅の目的地として鳥取や山陰を選んでもらう」ことや、さらなる集客のために「ポケモンGO」の運営会社とコラボするケースも考えられると、この先の経済効果を狙っています。

《大浜メモ》(集客だけでは不十分、カギは「消費を促す仕掛け」
実際、集まってくる人が増える傾向にあるようです。ただ集まってきた人たちがいわゆる経済効果といわれるほどのお金を落としてくれるようになるには、まだ正直ハードルがあるかなという感じです。ポケモンGO目当てに砂丘に来てみたら、意外と食べたいものや買いたいお土産、宿泊したい旅館など、うれしい意外性というのが旅行にはとても大事なので、これをこれからどうやって作っていくかというのが非常に勝負どころだ。いま現状でいうと、海外からのお客さんは確実に鳥取砂丘は有名になって増えているが、国内からのお客さんが減っているそうだ。これを何とかしてポケモンGOをきっかけにして掴みたい。そこの旅先のイベント作り、施設造り、ソフト作りなどをどうするのか、勝負どころです。





どこで両替!? 「空港」で…「現地」で…
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今年の8月は日本旅行の調べでは海外旅行に行く人が去年に比べ40%増えるそうです。番組では外貨に両替する場合、どこで両替をすれば得をするのか調査しました。世界的に流通量が少ない通貨はその国で両替した方が得なケースが多いようです。また国内のどの場所で両替すると得なのか調べると、FXは為替取引を事業の柱としているため両替はサービスの一環で手数料を低めに設定しています。但し、FXで両替をする場合は、事前に口座を開かなければならない上に手元に外貨が届くまで時間が必要です。一方、為替取引の専門家は場所だけではなく時期にも損得があると分析しています。5、10日は貿易取引をする企業の決済日となることが多く、支払いで使うドルを調達するため円を売ってドルを買う動きが強まり円高ドル安が進みやすく、この日の午後から翌日の午前までは両替レートが高くなる可能性があると指摘しています。

【どこで両替!?「空港」で・「現地」で】
《大浜キャスター解説》
国内と海外でどちらで両替をするのが得なのか比較した。ドルの場合は米国よりも日本国内で、ウォンの場合は韓国で両替した方が得と、世界的に流通量が少ない通貨はその国で両替した方が得なケースが多い。これは通貨の調達にはコストがかかるためだ。流通量の少ない通貨を調達するためには、輸送費や偽札の検査など、諸々のコスト負担が大きいために、その分手数料が高くなる傾向がある。
さらに日本国内で両替する場合にどこで両替するのが得なのか、羽田空港、銀行、両替商、FXを午後2時の時点のレートで比べてみた。金額だけ見ると一番得なのはFX。ただFXは事前の口座開設が必要になり、外貨が届くまでにも時間がかかる。

【いつ両替!?5・10日は避ける!】
海外旅行をする際、いつ両替するのかという事も大事なポイント。
マネーパートナーズの武市佳史チーフアナリストによると、1か月の中で五・十日の午後から翌日の午前中まで両替レートは高くなりやすく、ここで両替するのは損する可能性があるという。また五・十日は企業が貿易取引の決済日にしている事が多く、支払いに使うドルが足りない場合は円を売ってドルを買うため円安ドル高が進みやすい。一方、今週末に控えている日銀の金融政策決定会合について、武市チーフアナリストは「追加緩和した場合は円が売られやすいので両替レートは悪くなりやすい」と話した。





19人殺害の容疑者 犯行直後 コンビニに立ち寄る
神奈川県相模原市の障害者施設に侵入した男が入所者などを次々と刺して19人が死亡した事件で、逮捕された植松聖容疑者とみられる男が犯行直後にコンビニに立ち寄り、奇妙な行動をとっていたことが、テレビ東京の取材で明らかになりました。一方、植松容疑者が今年2月「障害者を殺す」などと発言し、医師の診察を受けておよそ2週間の措置入院をしていたこともわかりました。ただ、警察は刑事責任能力に問題はないと見ていて犯行動機の解明が大きな焦点になります。



タクシー初乗り410円 試験開始へ
国土交通省はきょう、東京都内でタクシーの初乗り運賃を410円に引き下げる試験を来月5日から9月15日にかけて実施すると発表しました。試験には23の事業者が参加し、新橋駅東口では全期間を通じて実施するほか、浅草駅など3ヵ所では期間を区切って実施する予定です。



スバル新「インプレッサ」 歩行者向けエアバッグ初搭載
富士重工業はきょうスバル「インプレッサ」の新型モデルを公開し、日本車としてはじめて歩行者向けのエアバックを採用すると発表しました。車の前面のバンパーにセンサーをつけ、人と衝突すると歩行者用のエアバッグが飛び出し、頭が窓ガラスなど車の固い部分にぶつかるのを防ぐ仕組みです。富士重工業はこのエアバッグを秋に発売予定の新型インプレッサのすべてのクラスに標準装備します。



谷垣幹事長 復帰めど立たず
自民党の細田幹事長代行は、自転車で転倒して入院中の谷垣幹事長について、「頸髄損傷で手術を受けた」と明らかにしました。谷垣氏の容態について、「意識がはっきりしていて、経過は順調」と強調した一方、復帰時期について、「正確な見通しは申し上げられない」と、言及を避けました。復帰が遅れれば、来月の党役員人事で幹事長交代の可能性もあります。



米大統領選 挙党態勢どこまで?民主党大会
米大統領選に向けた民主党大会、クリントン前国務長官と指名を争ったサンダース上院議員が演説し、党の結束を呼びかけました。その中で「クリントン氏が傑出した大統領になる」と述べ、サンダース氏の支持者の間にクリントン氏への反発が強まる中、支持を訴えました。ただ、最低賃金15ドルへの引き上げなど自らが主張する政策についてクリントン氏に実現するようクギを刺しました。一方、採択された民主党の政策綱領には、TPP=環太平洋経済連携協定について賛否の明示はなく、TPP反対派のサンダース氏などに配慮し、クリントン氏が難しい対応を迫られているとみられています。クリントン氏は28日に指名受諾演説を行う予定です。



アルコール対策市場 キユーピー参入
キユーピーは今日、世界で初めて大量生産に成功した「酢酸菌酵素」を配合した新しいサプリメントを発表しました。『よいとき』と名付けられたこの商品は、お酢由来の酢酸菌酵素を使用した商品です。キユーピーではこれまで、主力製品であるマヨネーズを作るのに欠かせないお酢に含まれる酢酸菌をろ過の際に捨てていましたが、今回の商品ではそのアルコール分解能力に着目。3年間の研究を経て、世界で初めて酢酸菌酵素の大量生産に成功し、販売までこぎつけました。





■【トレたま】冷える金属ゴーグルtoretama.JPG

パソコンのUSB電源にコードを接続して使う。2枚の銅板に半導体をはさんだものがセットされていて、そこに電気を流すと起こる“ペルチェ効果”の原理を利用しているという。

【商品名】エレアイスアイ
【商品の特徴】USB電源に接続するだけで、数秒で目元をクールダウンできる機械
【企業名】ブロードウォッチ
【住所】東京都港区南青山2-11-13南青山ビル4F
【価格】5,700円
【発売日】テスト販売中
【トレたまキャスター】北村まあさ






2016.7.26 Newsモーニングサテライト

2016年07月26日 07時00分00秒 | MS
■マーケット

NYダウは反落
今週は忙しい週です。アメリカの利上げの行方や大手企業決算などが相次ぎます。きょうの株価は高値警戒感もあり揃って下落しました。原油価格の下落も株価の重石。先週末、稼働リグ数の増加が示されたこともあり、一時、3ヵ月ぶりに43ドルを下回る場面がありました。週の半ばから後半にかけて重要イベントが控えていて、週明けは積極的な買いという訳にもいかないようです。決算も発表企業数が増え、一段と業績見通しなどにも反応しやすくなりそうです。日米の金融政策の結果を見極めたいとの思惑もあり、影響を受ける為替はこのところ106円を挟んでのもみ合いが続いています。ダウが77ドル安、1万8,493ドル。ナスダックが2ポイントの下落、5,097。S&P500が6ポイントマイナスの2,168でした。続いて25日のセクター別騰落率です。10業種中で上昇したのは、一般消費財のみです。原油価格の下落が響き、エネルギーセクターは2%の大幅下落となり、相場の重石となりました。0 指標.jpg








【世界の株価】
25日の終値

























【NY証券取引所中継】米決算 ブレグジットの影響は?
解説はマンハッタン・グローバルフィナンシャルの森崇氏

--週明け一服な感じですね
今週水曜日のFOMC会議や決算発表を多数控え、模様眺め気分が強い中、史上最高値圏にある株式市場では、利益確定の売りが出ています。

--さて決算の序盤戦はどうご覧になりましたか。
予想よりも順調な滑り出しといえそうです。ここまで決算を発表した企業の8割程度で利益、6割弱で売上高が市場予想を上回わり、これが株価最高値更新の原動力になっています。
《決算発表済み企業(22日時点)》
 ・ 約8割 利益が予想を上回る
 ・ 約6割 売上高が予想を上回る
先週金曜日時点で、S&P500構成銘柄企業の利益予想が3%減でしたけれども、今月初めの4.5%減からは上方修正されました。
《S&P500社 4-6月期利益予想》
 ・ 22日時点 -3%
 ・ 1日時点 -4.5%

--今週以降、発表企業数も増えますよね。
はい、今週はS&P500構成銘柄の約4割が決算発表を予定しています。今回の決算の特徴は、実はブレグジットの影響を指摘する企業が多いことです。ロイターによれば6月下旬以降に決算を発表した63社中38社がブレグジットに言及し、ジェネラルモーターズやフェデックスなども懸念を示しました。アナリストの間ではブレグジットの悪影響は数か月後ではなくて数年後だとの見方が多くて、今後見通しを変える企業が出てくる可能性には注意が必要です。




【NY証券取引所中継】注目イベント続々
解説はマンハッタン・グローバルフィナンシャルの森崇氏

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--今週は世界景気の先行きを見通すうえでの指標・イベントが多いですね。
はい、その筆頭はFOMC連邦公開市場委員会です。インフレ加速を示すデータがそろっていないことやドル高を加速させかねないこともあり利上げなしとの見方が大勢です。世界の主要通貨に対する動きを示すドル指数は、イギリスの英国民投票以降、4%上昇しましたが、年初来では1.3%の下落です。決算八表が続く中、大半の企業はどのような形で影響が出てくるか、状況を見極めていると思われます。

--アメリカ以外でも重要指標は多いですよね。
はい、特に週後半、木曜日にはユーロ圏の景況感指数や消費者マインド、金曜日には日本の金融政策決定会合のny2-2.JPG結果、ユーロ圏のGDPの発表があります。

--それぞれどんな見立てでしょうか。
日本については政府による経済対策の効果を高めるために、追加の緩和策を導入するとの見方が少なくないため、現状維持の場合は円買いがやや強まりそうです。ユーロ圏に関しましては、先日ドラギ総裁が4-6月期の成長は1-3月期を下回る可能性があると指摘していて、もしGDPが予想通りならば、9月に追加緩和が実施される可能性が高まると思います。





【為替見通し】注目ポイントは「なお高水準の荒れ相場警戒感」
解説はFPG証券の深谷幸司氏

--まずはNY市場を振り返っていかがだったでしょうか。
原油が大きく下げたこと、アメリカの株価が調整したことで、ややリスク選好一服ということで円高方向に振れているという感じですね。

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--今日の予想レンジが、105.40円 - 106.40円です。
本日は消費者信頼感指数、住宅販売などアメリカの経済指標がいくつか予定されてるんですが、今日明日と FOMC が開催されるため、その結果、特に声明を見極めようという向きが多いとみられます。仮に指標が良好でも上昇までは見込めず、また東京時間は日経平均の調整も予想され 105円後半を中心とした揉み合いになりそうです。

--注目ポイントは「なお高水準の荒れ相場警戒感」です。
このところドル円相場は落ち着きを取り戻して、まあまあ堅調に推移しているという状況ですが、ただ 1か月物通貨オプションの価格の前提となっているドル円の予想変動率を見ると相場の荒れ度合いの想定というのはこの一年間で最も高い状況になってます。一方リスクリバーサルというドkw2.jpgル売り、ドル買いのどちらのオプションが人気があるかを見る指標では、次第に中立に近づいている状況ですね。つまり荒れ相場観が高まる中でどっちに行くかわからないという見方になっているようです。
利上げの折り込み度合いが少ない中での今週 FOMC、それから追加緩和期待の中での日銀の金融政策決定会合というふうになりますけれども、いづれも市場の期待感が外れて荒れ相場になる可能性があるので、注意が怠れないという状況なんだろうと思います。私は FOMC 声明はややタカ派寄り、日銀は現状維持となり、ドル円相場は 106円近辺ということと見てますけど、万が一 FOMC がハト派寄りで日銀が現状維持となると、 100円台に下落というリスクもあるかなと思います。0 為替.jpg
















【日本株見通し】注目ポイントは「業績に対する市場の高反応」
解説はマネックス証券の広木隆氏

--今日の予想レンジは、16400-16600です。下限16500円から少し下げたんですね。
下げたのは、重要イベント目白押しの今週は、現状維持、現状水準での揉み合いかなと思っていたんですけれども、さっきのニュースで財政の規模が逆に後退しているという、あれがちょっと今日は重しになって夜間取引の先物水準より下に16500円を割るんじゃないかなと思っています。

--16400円ぐらいで見ていきたいということですね。でも今週は決算の発表がありますけれども、業績に対してはどうなんでしょうか。好反応なんですか。nk1.JPG
あくまでも序盤戦の反応を見ただけですが、事前にはやはり円高の影響を受けて下方修正ラッシュというのが懸念されていて、株価の重しになると思っていたんですけれども、出てきたニュースには結構好反応を示す企業が多いですね。円高に確かに業績下方修正をしているんですけれども、ただもうそれは織り込んで材料出尽くしでむしろ株価は上がると・・・。この表の企業は全部買い気配できて、大幅上昇という格好ですね。なので悪材料出尽くしという以上に、中身を見ているんですよね。円高で減益はもう分かった、だけど実際(安川電は)中国でロボットの受注が伸びているだとか、(日電産は)主力のモーターが好調だとか、(マツダは)欧州が主戦場なんですけど、結構車が売れていて販売が好調だとか、思ったほど悪くない。減益は減益だけど、想定よりはいいじゃないかという反応になっている。だからマーケットが中身を見始めているというのが地合いが改善している証拠だと思います。
--為替に負けないファンダメンタルズ、実力の部分を評価しているということですね。





■【プロの眼】市場が求める日銀の“積極姿勢”
決算発表の本格化やFOMCなど材料目白押しの今週、マネックス証券の広木隆氏は中でも28日からの日銀金融政策決定会合に注目する。各種物価指標やインフレ期待がこれだけ弱いなか、現状維持という選択肢はないとし、追加緩和を決定する確率は8割程度あるとする。そのメインシナリオ、また市場の反応を分析する。

--さて「市場が求める日銀の“積極姿勢”」とありますが、28日の金融政策決定会合、これだけ期待されていれば、動くとなるか、どうでしょうか。
物価指標とかインフレ期待がこれだけ低調であれば、ゼロ回答、現状維持というのはないと思いますね。僕は8割ぐらいの確率で追加緩和があると思いますけれども、ただ怖いのは2割ぐらい現状維持という可能性もあるかなと思っています。

--では緩和をした場合、広木さんは何をするかというと、セットですか。pro1.JPG
(フリップ1:追加緩和のシナリオ)
そうですね。3次元全部やらないとダメですね。新しいことを何ができるかというと、社債の年限を伸ばすとか、あとは地方債や財投債に買い入れ対象を拡大するということもあるんですけれども、金利も深掘りする。まあ全部やらないとダメでしょうね。

--これだけやれば市場は反応しますか。
いや、そうでもないと思いますね。これはもうある意味、全部マーケットの想定範囲内ですよね。だとするとそれが出てきても結局は材料出尽くしとなって、円高株安になってしまう可能性も十分あると思います。

--となるとどういうことをすればいいのか、ですよね。
やっぱり何でもやるんだという日銀の積極姿勢ということですね。結局量を増やしても、これだけ効かないというのは分かっているので、量とか、金利とかじゃないんですよね。やっぱり重要なのはタイミングで、マーケットがこれだけ期待しているタイミングで、日銀が思い切った積極的な姿勢を見せるかどうかだと僕は思うんですよ。pro2.JPG




















--積極的な姿勢を見せる今がタイミングなんだというお話でした。
(フリップ2:ヘリマネの思惑で上下)
例えばヘリコプターマネーの話がすごく出ています。このグラフは、為替がいかにヘリマネのニュースが出ると反応してきたかということなんですけども、マーケットはここまで踏み込んでほしいという話なんですね。ただ重要なことは、このタイミングで真正のヘリマネ、例えば無利子永久国債が発行されて日銀がそれを引き受けるなんてことが、ここで出るなんてことは誰も思っていないわけです。ただ将来それに向かって一歩踏み出すぐらいの迫力を見せるかどうかですね。

--その迫力を見せるにはどうしたらいいですか。
僕はやっぱりこれ(国債)だと思うんですよ。結局量じゃないんですけど、このタイミングですよね。つまり経済対策が議論されている中で、かつ現状の80兆円を買うのでさえ限界だと言われているなかで、これを思いっきり増額する、そうするとたぶん財政ファイナンスだとかマンタリゼーションだとかいろんな話が出てくる。だけどそういう批判を恐れずに日銀がこういう政策を打ったら、それはやっぱり日銀の強固な意志、何でもやりますということになるんだと思いますね。

--つまり効果はさることながら、姿勢を見せることが大事ということですね。
だからもちろんそうなると円安が進むだろうし、マーケットのために金融政策をやっているわけではないんだけれども、マーケットを利用するというのも重要なことだと思いますね。

--では現状維持だった場合にはマーケットの反応は怖いですね。
急落でしょうね。







■【NY便り】特集:ラストベルトで高まる民主党への不満
アメリカのオハイオ州にあるヤングスタウンは労働組合の支持を背景に民主党が強い地域ですが、今年は異変が起きています。鍵店のオーナーのトニーさんはかつて民主党員でしたが、今年は共和党に投票するといいます。ヤングスタウンは1930年代から製鉄業で栄えてきましたが、70年代以降、海外の安価な製品に押されて衰退しています。こうした地域はラストベルト=「さびついた工業地帯」と呼ばれ、民主党離れが進んでいます。中でもオハイオ州は民主党から共和党にくら替えした人が11万人と、共和党の3倍以上となっています。一方、同じラストベルトに位置するモネッセンの市長はオバマ大統領に支援を要請しましたが支援は得られず、民主党への不満を口にしています。


米民主党大会開幕 焦点は「結束」
11月のアメリカ大統領選に向けた民主党の党大会が先ほど開幕しました。クリントン前国務長官を大統領候補に指名する見通しで、党の結束を確認できるかが大きな焦点です。
《中継:フィラデルフィア/内田広大記者》
【米民主党大会始まる、反クリントンで危機?】
先ほど開幕した民主党大会の会場だ。現在は地元の市長や上院議員が来賓挨拶を行っており、場内では大歓声が上がっている。この一体感というのは共和党よりも今の時点では上かもしれない。ただ早い段階で党の結束を固めようとしてきた民主党だが、ここにきて決定的な亀裂が入りかねない騒動が起きている。大会の開催地フィラデルフィアでは24日、サンダース支持者によるデモが発生した。民主党の幹部が指名争いでサンダースを追い落とす計画を立てていたことが暴露され、この幹部は辞職に追い込まれた。大会初日の今日サンダースが演説する予定で、その発言に注目が集まっている。。支持率ではトランプ氏をリードしてきたクリントン氏だが、体制は盤石とはいえない。さらに逆風となる動きが、本選挙で激戦となる地域で起きている。

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オハイオ州ヤングスタウンは、かつて鉄の生産量が全米3位だった。この辺りは労働組合の支持を背景に代々民主党が強い地域だ。ところが今年は異変が起きていた。創業46年になる鍵の店のオーナーのトニー・ラムーノさんも民主党員だったが、長年支持してきた共和党のトランプに投票するという。理由を尋ねると「街を見てほしい」と案内してくれた。
街はさびれていた。1930年代から製鉄業で栄えていたヤングスタウン。米国経済の発展を支えてきた。しかし安い海外製品に押され70年代からは衰退の一途。こうした重工業や製造業が衰退した地域は「ラストベルト」(さび付いた工業地帯)と呼ばれている。中でも大統領選の激戦地区であるオハイオ州、ペンシルべニア州で民主党離れが進んでいる。例えばオハイオ州では民主党から共和党に鞍替えした人が、共和党の3倍以上に達している。ある製鉄工場は4年前に経営破たんし
xて、ドン・ラーキンは職を失った。溶鉱炉はついに今週解体されることが決まった。ドンさんは民主党への不信を口にする。一方、民主党への反発は政治家の中にもある。
同じくラストベルトに位置する製鉄の街モネッセンの市長のロウ・マブラキス氏は民主党員だが、今年はトランプへの投票を考えている。理由はオバマ政権から市に対する支援が得られなかったことだ。大統領に宛てた手紙を見せてくれた。
《ロウ・マブラキス市長の手紙》
『オバマ大統領、あなたの助けが必要です、この手紙は3通目です。モネッセンには荒廃した家屋がたくさんあります。クリントン氏と一緒にモネッセンに来てこの国を築いた人たちをねぎらい、支援してください。』
《モネッセン市/ロウ・マブラキス市長》NYtayori3.JPG
「殴りたいくらい怒り心頭だ。国民を守るべきなのにこの国はやっていない。政府は目を覚ますべきだ。」

ご覧の通り、アメリカ経済が好調な中で、ラストベルトは半ば置き去りにされている。トランプ候補も先週鉄鋼労働者に向けて「自分が大統領になれば雇用を復活させる」と演説した。今後クリントン氏とトランプ氏のどちらの政策を有権者が支持するのか、11月の本選挙で勝敗のカギを握りそうだ。
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■【コメンテーター】マネックス証券/広木隆氏

米企業決算、最悪期は過ぎた?
--決算ですけども、予想よりもいいみたいですね。
「いつものパターンなんですけれどもね、前の1-3月期が5%減益で、この4-6月期の同じような減益予想だったんですけれども、徐々に減益幅が縮まってくる。そうすると前期1-3月期がアメリカの企業業績のボトムだったということが確認できる決算発表になっているので、それを受けてのアメリカ株の最高値更新ということだろうと思います。」
--FOMCがあります。広木さんは9月というふうに見ていらっしゃいますが、そうなるとドル高になると業績にまたちょっと・・・
「また足を引っ張ってくるという形で、この繰り返しですね。」




・日経超特急/財政支出6兆円に
--この額をどう評価しますか。
「これは僕もちょっとびっくりしたんですけれども、いつの間にか議論がちょっと変わってしまっていて、今年度の二次補正で真水3兆円という話だったじゃないですか。これは来年度以降、数年間で6兆円ということは、今年度の直近の補正はいくらかというと、1.3兆円程度の公共事業を中心に2兆円程度にとどまる可能性と記事の中に書いてあるんですけど、そしたらむしろ規模縮小じゃないかという感じがしますね。」



・日刊モーサテジャーナル/民主党大会、開幕草々先行き不安
--民主党大会の外ではサンダース支持者がデモを行っているということです。
「資本主義が一番いいシステムじゃないという話が出ていますけれども、やはり資本主義というものが行きすぎると、例えばヘリコプターマネーの議論もそうですし、ベーシックインカムの議論もそうですし、国が何とかしなければ、守ってくれなければ、という話になっているんですね。かなり社会主義的な話になってくる、非常に皮肉であり、矛盾ですよね。」
--資本主義と大きな政府が一緒にならないといけない時代になるのかどうか、という感じなんですかね。



・今週の金融政策について
--金融政策ウィークなんですけれども、FOMCでハト派的にもし傾いた場合はどうなりますか。
「もちろんそれは円高要因になってしまうし、そういうところでもし日銀が現状維持を決めたら、これはもう為替は100円割れぐらいまであるかなという感じです。」



・今日の経済視点 「タイミングが大切」
いま僕が日銀の現状維持の可能性、さっきの特集の中で2割ぐらいあるんじゃないかって言いましたけれども、為替も株価もマーケットが落ち着いている、そうなるとマーケットからの催促というか、緊迫感がないということに加えて、経済対策、財政支出が一応名目上は膨らましている格好になっているので、いまが財政の出番だということで、金融政策は温存でいいんじゃないかというインセンティブが日銀内に働くとすれば、それは大いなる間違いだといいたいですね。QQEだけじゃ効かないです。あれをやっても多分効かないです。ただこのタイミングでやるからこそ僕は意義があると思っている。





■今日の予定

6月企業向けサービス価格指数
決算(キャノン、日清製粉グループ本社)
米FOMC(~27日)
米6月新築住宅販売件数
米決算(アップル、ツイッター)





■ニュース

米民主党大会開幕 焦点は「結束」
11月のアメリカ大統領選に向けた民主党の党大会が先ほど開幕しました。クリントン前国務長官を大統領候補に指名する見通しで、党の結束を確認できるかが大きな焦点です。

《中継:フィラデルフィア/内田広大記者》
【米民主党大会始まる、反クリントンで危機?】
先ほど開幕した民主党大会の会場だ。現在は地元の市長や上院議員が来賓挨拶を行っており、場内では大歓声が上がっている。この一体感というのは共和党よりも今の時点では上かもしれない。ただ早い段階で党の結束を固めようとしてきた民主党だが、ここにきて決定的な亀裂が入りかねない騒動が起きている。大会の開催地フィラデルフィアでは24日、サンダース支持者によるデモが発生した。民主党の幹部が指名争いでサンダースを追い落とす計画を立てていたことが暴露され、この幹部は辞職に追い込まれた。大会初日の今日サンダースが演説する予定で、その発言に注目が集まっている。クリントン氏は26日に大統領候補に指名される見通しで、大会最終日の28日には指名受託演説を行う。党の結束に向けて手腕が問われそうだ。中継でした。




ヤフー 中核事業をベライゾンに売却
経営再建中のアメリカのインターネットサービス大手、ヤフーは25日、検索サービスをはじめとする中核事業をアメリカの通信大手、ベライゾン・コミュニケーションズに売却すると発表しました。売却額は48億3,000万ドル、日本円で約5,120億円に上り、2017年1月から3月期に売却を完了させる方針です。日本のヤフージャパンと中国のアリババの株式は今後も保有を続けます。



米スプリント 最終赤字増加
ソフトバンク傘下のアメリカの携帯電話大手、スプリントが25日発表した4月から6月期の決算は、1年前に比べ最終赤字が大幅に増えました。4月から6月期は積極的な値引きなどが収益を押し下げる形となり、赤字額が1年前の2,000万ドルから3億200万ドルに増加しました。ただ携帯電話の契約件数の増加幅が予想を超えたことから株価は時間外取引で一時27%以上上昇しました。
《米スプリント 4-6月期決算(前年比)》
売上高  80億1200万ドル(-0.2%)
最終赤字  3億 200万ドル(赤字拡大)
実質1株損失  8セント (予想と一致)



日中外相 「南シナ海」議論
岸田外務大臣はきのう、ラオスで中国の王毅外相と会談し、南シナ海問題について国際的な仲裁裁判の判決に従うよう中国側に求めました。岸田外務大臣は会談で、「仲裁裁判所の判決が最終的なもので、紛争当事国を法的に拘束する」と述べ、南シナ海での中国の主権を否定した仲裁判決を順守するよう中国側に求めました。これに対し王毅外相は「日本は当事国ではない。言動を慎むよう求める」と強く反発しました。中国が仲裁裁判所の判決を受け入れる考えがない事を改めて示し、両国の議論は平行線となりました。一方、9月に中国で開かれるG20=20の国と地域の首脳会合では両国が協力することで一致したほか、開催に合わせた日中首脳会談の実現に向けて準備することでも合意しました。



世界遺産候補に長崎教会群
2018年の世界文化遺産登録を目指す国内の候補として文化庁の審議会は、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の推薦を決定しました。長崎の教会群は、江戸時代を中心としたキリスト教禁制とその後の信仰復活の歴史を伝えるもので、潜伏キリシタンが暮らした天草の崎津集落など12資産を対象としています。



「ペッパー」台湾進出
ソフトバンクはきのう人型ロボット「ペッパー」の海外展開第1弾として台湾で法人向け販売を始めたと発表しました。台湾では銀行や小売店におよそ100体を貸し出し、接客などを行わせることを想定しています。2年契約での料金は日本円で月額8万8千円程度でペッパーを製造している鴻海精密工業のグループ会社が販売を手掛けます。



障害者施設に男侵入 15人死亡確認n7.JPG
きょう、午前2時半ごろ、相模原市緑区の障害者施設「津久井やまゆり園」に「刃物を持った男が立ち入った」と神奈川県警に通報がありました。警察当局や相模原市消防局によりますと、男に刃物で刺されるなどして少なくとも15人が死亡、20人が重傷で、ほかにもけが人がいるということです。神奈川県警によりますと午前3時ごろ、津久井署に「私がやりました」と男が出頭。県警は20代とみられるこの男を逮捕しました。事件の詳しい経緯や動機を調べています。




熊本地震 不明学生の車発見か
熊本地震で行方不明のままとなっている大学生・大和晃さんの家族が熊本県南阿蘇村の河原で晃さんが乗っていた車と同じ黄色の車体を発見したとして、きのう、県に捜索の早期再開を要請しました。大和晃さんは、4月16日の本震で崩落した阿蘇大橋周辺を車で走行中、土砂崩れに巻き込まれたとみられています。父親の卓也さんによりますと、24日午後、崩落現場からおよそ400メートル下流周辺で発見したということです。大和さんの家族は、きのう、熊本県の担当者と面会し、土砂に埋もれていた車の残骸の写真や周辺の地図などを示し、捜索を求めました。県の担当者は「回収方法を早く検討したい」と応えました。





■日経超特急

①年金債務最大91兆円
上場企業の年金債務が2015年度末で91兆円と過去最大に膨らんだ。年金債務は企業が年金・退職金を支払うために、現時点でどれだけ蓄えておくべきかを示すものだ。日銀のマイナス金利政策の影響で金利水準が全般に下がって運用環境が悪化し、年金債務を厳しく見積もらないといけなくなった。この結果、企業年金の未積立額は26兆円に拡大し、業績の重荷になるのが避けられない情勢だ。



②ポケモン相場失速
きのうの株式市場では、任天堂株がストップ安。関連株もそろって大幅安となった。任天堂が22日にポケモンGOによる連結業績への影響が限られると発表したのを機に、短期売買する投資家が一斉に利益確定に動いた。



③財政支出6兆円に
政府は来月2日にもまとめる経済対策の骨格を固めた。焦点となっていた国と地方の財政支出は今年度2次補正予算や来年度予算案などの数年間の予算総額を6兆円程度に積み増す方向で調整する。効率的な投資先を選定するため、観光や農業のインフラ整備計画を年内にまとめる方針を打ち出す。財務省は当初、真水を3兆円程度に留める案を示しいてたが、政府与党内の増額要求に配慮し倍増させた。きょうからの与党調整でさらに増える可能性も残っている。



④数量に回復の芽、問われる持続力
日本の輸出にデフレ圧力が強まっている。貿易統計によると、1-6月期の輸出額は前年比8.7%減と、6年半ぶりの大きな落ち込みとなった。新興国経済の減速に加え、円高が円換算の輸出額を押し下げているのが原因だ。ただ数量ベースでは輸出が底打ちする兆しもあり、今後の持続力が試される。





■日刊モーサテジャーナル

①民主党大会、開幕草々先行き不安
民主党大会を前に大会委員長が辞意行明した。ニューヨークポストは『船から落っこちた』という見出し。「クリントンと副大統領候補ケーン上院議員の乗るボートに穴、民主党の先行きは不安だ。」と伝えている。一方、ウォールストリートジャーナルは、「クリントン氏は変化した民主党をまとめる必要がある」と課題を挙げている。記事は、「最近の民主党は白人の割合が減る一方、資本主義が必ずしも一番良い経済システムとは考えず、しかも社会主義をタブー視しない、いわばリベラル化が進んでいる。」、と解説。クリントン氏といえば夫のビル・クリントン氏と同様に財界寄りの中道派として知られるため、時代の変化に追いつき党内をまとめられるか、懐疑的に見ている。



②謎の原油在庫、相場の波乱要因か(ウォールストリートジャーナル)
このところまた原油価格が下落傾向にあるが、実は謎の原油在庫の存在がアナリストを悩ませていて、相場を読みにくくしている、と報じている。記事によると、原油の供給過剰の懸念がくすぶる中、公表義務がある先進国以外の国や企業にどのぐらい原油の在庫が眠っているのか、わからないのが現状だ。例えば中国やロシアは原油在庫をあえて公表していないほか、シンガポール沖には大きな巨大タンカーが停泊していて、最大4300万バレルの原油が積まれている可能性があるそうだ。記事は、こうした状況はすでに市場を混乱させている、と指摘。例えば先月、ナイジェリアの原油関連施設が襲撃され、原油価格が50ドルを超えたが、その後発表されたナイジェリアの原油輸出量に変化はなく、どこから原油が湧き出たのか、アナリストは把握できなかったという。



③ハイテク化する夏の恋人探し(ニューヨークポスト)
最近のニューヨーカーはアプリなどハイテク技術を駆使して恋人探しに奔走し、充実した週末を過ごしている、と記事は伝えている。ウィーポと呼ばれる新しい出会い系アプリは、利用者はクラブやバーに行く前に、お目当ての場所での男女比率やそこに向かう客のプロフィールなどをチェックできる。記事は、ほかのアプリと大きく違うのは、同じ場所に向かう人と連絡が取れるので、出会いまでの時間が大幅に短縮される点だ、と指摘している。このウィーポは4ヶ月前に登場したばかりだが、ニューヨークを中心に既に利用者は5万人を超えたということだ。