■マーケット
週末のFRB議長の講演に注目集まる
きょうの日経平均株価の終値は1万6,598円19銭で、前の週末に比べて52円37銭と小幅に値上がりしました。しかし売買代金は、取引が活発とされる2兆円を大きく下回るおよそ1兆6,000億円でした。取引が低調なかでも値上がりとなった要因は円安・ドル高です。アメリカのFRB=連邦準備制度理事会のフィッシャー副議長が21日、追加の利上げに前向きな姿勢を示したことで、利上げへの期待から円を売ってドルを買う動きが強まり、きょうの東京外国為替市場では一時1ドル=100円台後半まで円安・ドル高が進みました。今後、市場が注目しているのは今週26日にアメリカのワイオミング州、ジャクソンホールで行われるFRB・イエレン議長の講演です。為替相場にも影響を与える利上げの時期をめぐる発言が焦点で、市場では、それまではこう着状態が続くのではとの見方が強まっています。
中国 杭州でG20サミット目前 警備強化の影響広がる
中国が議長国を務めるG20サミットまであと2週間。開催地では早くも厳重な警備がしかれ、地元に影響を及ぼしています。上海から吉田記者の報告です。
《中継担当:上海支局/吉田知可記者》
G20サミットが開かれる杭州はかつて習近平国家主席がトップを務めた浙江省の省都でいわばゆかりの地、先週現地を訪れてみますと、失敗は許されないという空気感が伝わってきました。市内には武装警察が巡回し、マンホールは一つ残らず不審物のチェックを実施し、封印されています。地元の人がネットに投降した動画には、厳戒態勢の様子も映し出されている。
サミット会場の周辺は世界遺産の西湖を擁する観光名所で、地元市民にとっても憩いの場です。しかし、そこには20日以降は集団行為を禁止の看板が立ち、娯楽活動は一切できなくなります。西湖周辺では先週末から広範囲にわたって一般車両の立ち入りが禁止となり、周辺の店からは困惑の声が聞こえます。
さらに、中国人に欠かせないネット通販にも影響が出ています。危険物排除のため、7月ごろから個人からの荷受けを停止するなど扱い量が激減しています。開催にあたり現地のインフラ整備は進んだ反面、地元市民にはいいことばかりではないようです。
■特集 「Made In Japan」で4年後に挑む
4年後の東京オリンピックに「メード・イン・ジャパン」で挑もうとする製造業の動きが広がっている。リオ五輪のセーリング会場となっているグアナバラ湾に視察に訪れたのは、ヤマハ発動機のセーリングチーム。実はヤマハの手がけたヨットは、1996年のアトランタ五輪で日本代表の重選手のペアに採用されたが、直前でフィーリングが合わないと言われてしまい、重選手は外国艇で銀メダルを獲得したのだ。それ以来ヤマハのヨットはオリンピックと無縁だったが、東京五輪を機に今年、チームを再始動した。今月、静岡県のヤマハマリーナ浜名湖では新型艇の初めての水上テストも行われた。一方、東京・墨田区の町工場も東京五輪に向けて動き出していた。金属加工を得意とする浜野製作所と、流体工学を専門とする東洋大学の望月教授は、カヌー競技に使う、より抵抗の少ないカヌーを開発しようとしている。目指すは金メダルを獲得し町工場の技術を世界に示すことだ。
取材先・ヤマハ発動機・浜野製作所・東洋大学
【東京五輪へ・メイドインジャパンの挑戦】
リオデジャネイロ五輪が閉幕し、次はいよいよ東京五輪。その4年後の大舞台にメイドインジャパンで挑む事を決めたメーカーがある。リオ五輪の華やかな舞台の裏で始まっていた日本企業の知られざる戦いを追った。
【4年後は五輪へ!リベンジに燃えるヤマハ】
今月13日、ヤマハ発動機セーリングチームの首脳陣がリオ五輪のセーリング会場を訪れた。リオ五輪には出場していないため、フェンス越しに競技場内の様子を視察する。ヤマハ発動機艇体開発部・藤井茂さんが手掛けたヨットはアトランタ五輪の時に重・木下ペアが使う1艇として採用されたが直前で重由美子さんに「フィーリングが合わない」と言われ、重・木下ペアは海外艇に乗って銀メダルを獲得した。その後はチャンスはなく、ドイツのツィーゲルマイヤーやニュージーランドのマッカイといったブランドが大半を占めている。五輪とは無縁のヤマハのヨットだが、東京五輪の開催を機にチームを再始動し再び世界への挑戦を始めた。ヤマハのマリン事業は主力のモーターボートや船に外付けするエンジン「船外機」が世界でシェアを伸ばす一方、ヨットでは存在感を示せていない。静岡県にあるヤマハマリーナ浜名湖で今月、新たに試作したヨットの初の水上テストが行われた。今回の試作艇はライバルを参考に船体剛性を高めたものだ。剛性とは硬さのことで、船体が硬ければ、波の影響で変形しにくく、選手は方向転換がしやすくなる。しかし硬い素材を使うとその分、船が重くなりスピードが落ちてしまう。重さと硬さのバランスをどうするか、実際に選手が載った感覚をもとに調整を重ねる必要がある。今後ヨットの改良を重ねて、まずは来年夏の世界選手権への出場を目指す。
【4年後は五輪へ!“下町カヌー計画”始まる】
東京・墨田区の町工場が4年後に向けて動き始めていた。金属加工を得意とする浜野製作所はより抵抗の少ないカヌーを開発し東京五輪を目指そうとしている。これまでにも金属加工の技術を生かして深海探査機の開発など下町を盛り上げるプロジェクトに積極的に携わって来た。今回、地元で開催される五輪を盛り上げようと専門家とタッグを組んで新たな挑戦を始めた。4年後を目指して始まった下町カヌープロジェクトで、町工場の技術を世界にアピールする事はできるのか。
■ニュース特集
東京五輪 成功へ 日本の技術活用始まる
4年後に開かれる東京五輪に向け、メダルをリサイクル金属100%で作れるかが研究されています。試算では、約1500個の金メダルに必要な金は9.6キロですが、今の小型家電リサイクル制度で回収されている分は、その10倍で、十分可能だといいます。福岡県北九州市でリサイクル事業を手がける「アステック入江」は原田氏と共に今年3月、金メダル9個を試作しました。リサイクルの金メダルはどう作ったのでしょうか?東京大学で行われたシンポジウムでは、新国立競技場の設計者の隈研吾氏が、木と炭素繊維を組み合わせることを提言しました。組み合わせることで強度が増すということで、隈氏は新国立競技場にも、この技術を使用することを示唆しました。
【東京五輪・テーマは「環境」】
リオデジャネイロ五輪は閉幕した。そして続く2020年の東京五輪を成功させるため様々な場所で日本の技術の活用が始まっている。
《相内キャスター》
リオ五輪で日本は史上最多の41個のメダルを獲得した。そのメダルには銀メダルと銅メダルで30%のリサイクル素材が使われていた(JOC調べ)。一方、東京五輪では環境面を配慮した五輪を目標としていて、全てのメダルでリサイクル素材を使う事を検討している。ロンドン五輪を元に算出すると量は金で9.6kg、銀で1210kg、銅で700kgが必要だ。これらをリサイクルだけで賄う事は可能なのか。
【リサイクルで“金メダル”を量産!?】
メダルをリサイクル金属100%で作れるかを研究する物資材料研究機構・原田幸明特命研究員は現状の日本のリサイクルシステムで全メダルを賄う事が可能と話した。既に資源循環システムが確立している日本だからこそリサイクルメダルの意義があるという。
【ゴミが金メダルに?驚きの“錬金術”】
福岡県北九州市でリサイクル事業を手掛けるアステック入江は、物資材料研究機構・原田幸明特命研究員と共にリサイクル金メダルを試作した。原料はパソコンや携帯電話などの電子基板だ。これを黒い液体で銅やニッケルなど金以外の金属を溶かしてろ過する。1回のろ過で約30gを回収でき、ロンドン五輪の金メダル5個分に相当する。メダルに必要とされる金の量は9.6kgで、デスクトップパソコンでは7万4000台、携帯電話では32万台分の基盤が必要になる。いよいよ4年後に迫った東京五輪。天然資源は乏しいが日本には都市鉱山と呼ばれる再生資源が豊富にある。高橋正幸社長はこの都市鉱山を活用し環境や資源を大切にする意識を世界に発信したいと話す。
【新国立競技場は木を活用!?】
今日、東京大学で行われたシンポジウムで、東京五輪のメイン会場・新国立競技場の設計者である東京大学・隈研吾教授は木材にカーボンファイバー(炭素繊維素材)を組み合わせる事を提言した。木材を炭素繊維で補強する事で強度が増すという。この技術を開発したのは小松精練だ。五輪に向けて様々な建築物に使用される事を期待している。設計した隈教授もメイン会場となる新国立競技場にこの技術を使用する事を示唆した。環境と1つのテーマとした東京五輪。4年後に向けた準備は動き出している。
「チケット不正転売」防ぐ技術 実用化
オリンピックで「チケットの不正転売」が大きな問題となっている。日本時間22日に閉幕したリオデジャネイロ・オリンピックでは、IOC=国際オリンピック委員会の理事が、チケットの不正転売の疑いで拘束され、2020年に開催される東京オリンピックに向けても課題となっている。そうした中、日本では不正転売を難しくする「電子チケット」が実用化されている。スマートフォンにチケットを表示し、会場で特殊な「スタンプ」を押すことで認証する仕組みだ。スタンプが押される動画が表示されるため、チケット画面をコピーして他人に転売するなどの行為ができない。そのシステムを作った会社、EMTGの冨田義博社長は「お金目的でチケットを購入する人のために、本当に行きたい人が行けなくなっている」と指摘。不正転売撲滅のためには、偽造しにくい電子チケットを普及させ、さらに「行けなくなった人が公式に転売できる“場”が必要」と語った。
【「チケット不正転売」防ぐ技術・実用化】
五輪を巡ってはチケットの不正転売が大きな問題となっている。リオ五輪ではIOC(国際オリンピック委員会)の理事が不正転売の疑いで拘束されるという事件があった。最大30倍もの価格で転売をし、上げた利益は3億円以上と言われている。2020年の東京五輪でも懸念されるチケット不正転売問題の克服に向けた新技術の実用化が始まっている。
【東京五輪の課題「不正転売」・解決のカギは電子チケット?】
千葉県柏市で行われた「かしわ街ごとキッザニア2016」では今年から電子チケットを導入した。これはスマートフォンを持つ本人にしか使えない仕組みになっていて、チケット画面をコピーして他人に転売する事は不可能だ。この電子チケットのシステムを作ったのがEMTG。既にこの電子チケットはコブクロなどの有名アーティストのライブでも使われている。このシステムを作った背景には深刻化する不正転売問題があったという。
《EMTG/冨田義博社長》
「今は人気チケットをおかね目的で先に購入して、本当に行きたい人が行けなくなっているということが起こっている。業者だけでなく、個人でも(転売が)増えたのが問題だと思います。」
人気のチケットを最初から転売目的で買い、インターネットオークションで高値で売る例が増えているというのだ。これでは一般のファンが通常価格でチケットを買うのが難しくなる。2020年に開かれる東京五輪でも不正転売によって価格が高騰する事が懸念される。不正転売をなくすには偽造されにくい電子チケット導入に加え、公式なチケットを人に譲る場が必要と冨田義博社長は指摘した。
《EMTG/冨田義博社長》
「勝った人が行けなくなった時にどう定価で譲れるとか、オフィシャルなチケットを人に譲る場が絶対に必要だと思っています。」
■ニュース
台風9号 あす朝に北海道へ上陸
関東では台風9号により、交通機関など様々なところに影響がでています。台風9号のため東京・東村山市の西武多摩湖線では土砂崩れが発生。電車が脱線し、一部の区間では現在も運転見合わせが続いています。また、JR山手線では原宿駅での倒木の影響により一時運転を見合わせた他、関東・東北の各線路で運休や遅れが相次ぎました。空の便でも、羽田空港を発着する航空機を中心に500便以上が欠航となりました。台風9号は午後11時には宮城県大崎市付近にあると見られ、暴風域を伴いながら北上しています。今後、速度を上げながら東北地方を通過し、あす朝には北海道に再上陸する見込みです。その後はオホーツク海へと進んで、あす夕方には温帯低気圧に変わる予想です。
日中韓外相会談 24日に東京で開催
岸田外務大臣は、日中韓3ヵ国の外相会談を、24日に東京で開くと正式に発表しました。会談では、北朝鮮の核実験やミサイル問題への対応や、3ヵ国首脳会談の年内実現へ向けての協議が行われます。また、岸田氏は両外相と個別の会談を予定していて、中国の王毅外相に対しては、沖縄県・尖閣諸島の周辺で続く挑発行為について直接抗議し、自制を求める考えです。
シャープ 給与カット廃止へ
経営再建中のシャープの戴正呉新社長はきょう、大阪の本社で取材に応じ、9月から一般社員の「給与削減」を実質的に廃止する方針を示しました。減額分は「手当て」で穴埋めします。歯止めがかからない「人材流出」を防ぐのが狙いです。管理職は、成果を上げた人に対し手当を支給するとしています。シャープは、去年8月から一般社員で2%、管理職で5%「給与」を減額していました。また、人員削減については、「業績の改善がなければ仕方がない」と述べました。
お盆の国際線利用 1割増加
国内の主要航空各社がきょう発表した、お盆の間の利用状況によりますと、国際線は前の年に比べて11%増えておよそ80万人、国内線も前の年に比べて4.7%増えておよそ421万人といずれも好調でした。特に国際線では、燃料サーチャージがなくなり、リゾート路線や長距離路線が伸びました。新たな休日「山の日」が設けられたことや、円高傾向などが影響しました。
7月の粗鋼生産量 4ヵ月連続↑
日本鉄鋼連盟が発表した7月の粗鋼生産量は、前年の7月より0.5%多い888万6,000トンで、4ヵ月連続で増加しました。ただ、まだ需要は弱く、鉄鋼連盟は「実質的には横ばい程度」だとしています。鉄鋼業界では、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた建築需要の増大や自動車生産の回復を予想する見方が多いものの、円高の進行で輸出の先行きには不透明さが増しています。
7月のスーパー売上高 5ヵ月ぶり↑
日本チェーンストア協会がきょう発表した7月のスーパー売上高は、前の年に比べて0.2%増え、5ヵ月ぶりに前の年を上回りました。売り上げが伸びる土日が去年よりそれぞれ1日ずつ多かったことが寄与しました。全体の6割以上を占める食料品は、1.4%のプラスでしたが、住宅関連品は梅雨明けが遅かったことからエアコンなどが不振で3%のマイナスでした。
石川県の農家×和菓子屋 創作和菓子コンテスト
きょうから東京・六本木で、石川県の農家と和菓子職人のコラボレーションで行われる創作和菓子コンテストが開催されます。地元の農家と和菓子職人がペアを組み、和菓子に使う原材料の生産から商品の開発、販売まですべて自分たちで行う『農菓プロジェクト』の一環として開かれるこのコンテスト。砂糖を一切使わず米こうじの甘さだけで作った生キャラメルや、ほかにも加賀野菜など石川県ならではの食材を使用した和菓子の試食サイズ13個を一箱1,080円で販売します。商品には応募用紙が同封されていて、味や、見た目、価格の3点から購入客がランキングし、上位の入賞商品はホームページなどで発表されます。
■【トレたま】光でお絵かき
「wordee」はマウスのように動かすと後が残り光る。本体裏面についている紫外線LEDの光で専用シートが反応。軌跡が浮かび上がる。ひらがな、カタカタ、漢字、英語で表示させることができる。海外でも広く販売する考えで今後は中国語やスペイン語の言語を追加予定。
《JellyWare/崔煕元社長》
「文字を出すことで自然と興味を持ってもらう。知育的な効果も狙って開発した。」
【商品名】wordee
【商品の特徴】LEDの光で蓄光シートに絵や文字を描けるおもちゃ。スマホと連動させて文字の学習もできる。
【企業名】JellyWare
【住所】東京都新宿区新宿7丁目26-7ビクセル新宿1F
【価格】8,000円前後(予定)
【発売日】12月発売予定(日本、米国、韓国)
【トレたまキャスター】北村まあさ
■【コメンテーター】熊谷亮丸氏(大和総研執行役員経済分析室長チーフエコノミスト)
・東京オリンピック、環境に配慮・日本らしさの発信を
--もう次の東京オリンピックを目指して、日本中いろんなところでいろんな動きが始まっていましたけれども、やはり問題になるのはオリンピックという絶好の機会をどう持続的な成長につなげていくかですよね。
「箱モノで一時的に成長するのではなくて、持続的に、例えば環境の問題、バリアフリーの問題、その辺りに取り組むことは非常にポイントですね。」
--ただ持続的な成長という面では、オリンピックはどうなのかというと、こちらをご覧ください。
(フリップ:オリンピック後の成長)
「一般に言われるのはオリンピックを開くと、翌年の成長率は落ちるというふうに言われているんですね。左側の数字がオリンピック時の成長率で、右側が翌年の成長率です。88年のソウル以降で見ると、2勝5敗なんですね。ただ上がったところを見ると、アメリカとイギリスですから、言ってみれば先進国、G7諸国についてはむしろ成長率が上がるという傾向もあるんです。見習うべきはイギリスのケースで、世界都市ランキングというのがあって、イギリスはずっとニューヨークの後塵を拝していたわけですが、オリンピックに向けて都市を整備をして、そこで一気に抜いて今はずっと1位です。例えばオリンピックの期間中に63か国のビジネスリーダーを呼んで、グローバルビジネスサミットというのを開いて、これは非常に好評だったんですよね。」
--そういうことを日本も続けていけば何らかの成長に・・・
「発展途上国型の箱モノでやるのではなくて、やはり先進国らしいレガシーを残すそういうオリンピックにしないといけないと思います。」
--そうするといかに膨らんだオリンピック関連施設の建設費を減らしていくか、ここも・・・
「減築という考え方がありますが、これはやはり競技の後の観客数などを減らしたりして、会場を小さくする、こういう考え方が重要ですね。」
・中国G20サミット
--中国ではすでに厳戒態勢になっているようですが、このG20で一番のテーマとなるのは何ですか。
「これは何点かあって、やっぱり大きいのは為替の切り下げ競争、これをやめようと確認することが1つのポイント。もう1つはいま世界経済が低迷していますから、これに対してカンフル剤というよりは、構造改革でどうやって立ち向かっていくか、こういう文脈の下でおそらく中国の過剰設備問題というのもかなり論点になるんじゃないかと思います。」
--開催地ですが、通貨の問題もそうですし、過剰設備の問題もそうですし、いろいろと詰められることが中国は多そうですね。
「メンツは保たないといけないですけど、相当責められる部分はあると思いますね。」
・アメリカの利上げは早くて12月!?、海外経済にリスク残る
--そして日本のマーケットも今日は膠着状態だったようですが、ジャクソンホールでFRBのイエレン議長が何を話すか、利上げの時期については皆さん気になりますよね。
「利上げの時期に言及するかどうかというのは最大のポイントですね。私はおそらくそこには言及しないんじゃないかと思っています。理由はいくつかあって、1つはまず、世界経済の状況について、イエレン議長が相当慎重に見ているんで、年末ぐらいまで見極めたいと思っている。」
--いま9月というような声も出てきていますが、そうはならないですか。
「ええ、もう1つはアメリカで大統領選挙がありますから、その前に利上げをして、そのことでドルが高くなって、トランプ氏を刺激するのは避けたいというのが、やはり心のどこかにあると思うんですね。だから結論としては12月以降にずれ込むだろうと考えています。」
--アメリカの実体経済はもう利上げに耐えうる状況になっていますか。
「フィッシャー副議長はそういう状況だと、そういう言い方をしていますから、利上げをしてもおかしくない状況ではあるわけですけれども、ただ他方でこのフィッシャー副議長が言っているのは、労働生産性の伸び悩みの問題ですね。これは金融政策では対応できないわけですから、構造改革、規制緩和、財政政策、こういうところで対応するということですので、その意味では実体経済から見れば、ゆっくりだけれども徐々に利上げをしていくという状況だと思います。」
--あとはイエレンさんが懸念している海外リスクはどんなものがあるんでしょうか。
「これはもういろんな問題が山積していて、中国のバブルの崩壊の問題ですとか、ヨーロッパの金融システム、不良債権処理の問題、それから中東の地政学的なリスク、またロシアの問題、かなりいろんなところに地雷が埋まっているような状況ですね。」
・消費者の節約志向根強く
--7月のスーパー売上高は5ヶ月ぶりに前に年を上回ったと聞いて、よしと思ったら、土日が去年より1日ずつ多いというのが実情で、どうも消費が本格的に回復してきたわけではなさそうだということなんですが、そんななか、人々の節約志向が一目で分かるグラフがあるんですよね。それがこちらです。
(フリップ:食料価格の推移:消費者物価・購入単価のグラフ)
赤いグラフは、食料品の消費者物価の動きを示していて、青いグラフが購入単価ということなんですが、この2つがなぜ開いて行っているかというと、購入単価というのは今まで高い牛肉を買っていた人たちが、もう高い肉をやめて安い鶏肉や豚肉を買うと青いほうの購入単価というのは下がるわけですね。ところが赤いほうは牛肉同士で比べていますから、そういう家計の節約志向というのは、赤いグラフには反映していないわけです。
--2つが開いてきているということは、つまり買うものが変わってきていると・・・
「どんどん安いものを買って、節約志向で、やはり将来不安などがあって家計が防衛しようという方向に来ているという状態ですね。」
--これは解決には時間がかかりますか。
「いま経済対策を打たれていますが、抜本的には社会保障制度の抜本改革で将来不安を無くしていく。もしくは労働生産性を上げるとか、かなり中長期な構造的な取り組みが必要になると思います。」
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます