プチ早期退職者の資産運用+αブログ

会社四季報の達人が教える10倍株・100倍株の探し方

 楽天KOBOの電子書籍。著者:渡部清二、発行日:2018年6月28日、発行者:東洋経済新報社『会社四季報の達人が教える誰も知らない超優良企業』を新刊で読んで以前紹介したが、同じ著者の少し昔の書籍だ。


 7月14日から楽天証券で新サービスが開始された。楽天KOBOと、楽天証券の投資情報メディア「トウシル」がコラボレーションし、おすすめのマネー本が無料で読めるようになった。ベストセラー書籍などを楽天KOBO提供のクーポンで20%OFFで買えるというのもある。

 無料の書籍のページに行くと7~8月分として50冊ほど投資本が並んでいて、ダウンロードボタンをクリックすると楽天会員のログイン画面になり、ログイン後、期間限定(今ある書籍は9月1日まで)の書籍データをダウンロードできる。今回は、試しに表記の書籍を読んでみた。


 出所:楽天証券会員限定!おすすめマネー本


 本書は、四季報読破を続けている著者が、読破を続ける意義をうたっていて、その中から大化け株を探すということに特化して解説している。先に紹介した本の中にも「大きく成長する会社の見つけ方」の章があり、10倍株の探し方が書いてあるので、そちらを読んでいればほぼ事足りるだろう。

 また、本書のポイントとなる部分は目次で網羅されていて、投資関連の基礎知識のある人はわざわざ本文を読まなくても目次を見るだけで書いてある主旨はだいたい分かるかもしれない。事例が色々紹介されていて理解を深める効果はあるが、読み物に近い印象も受けた。

 なお、本書に書いてある条件に合致した銘柄があっても、大きく増収増益を続けるような会社はそれなりの株価まで買われているだろうし、銘柄個別の株価変動に加えて相場全体の変動(暴落)がある中で10倍になるまで持ち続けるのは至難の業だと思う。そもそも成長期待が剥がれれば、途中で力尽き、暴落もあり得る。したがって、有望銘柄発掘の観点として本書を活かすのはいいとしても、実際には10倍株探しに拘らない方がいい気がする


 以下、読みながらメモした点を少しだけ書く。

 注意して見ている「気づき」のポイント
① 世の中や会社が大きく転換するするようなコメント
② 突然伸びだす売上高などの業績
③ チャートの転換

 時価総額を決めるのは事業のポテンシャル。ベストシナリオの市場規模が時価総額を決める。

 何十年ぶりかの最高益ということは、何十年ぶりかに会社が生まれ変わったということ。過去の最高益すら忘れられ、逆に気づかれないケースも多く、安値で放置されることが多いのだが、徐々に知られ始めると株価は暴騰する。

 10倍探しのポイントはたった4つ
1.成長性を示す「増収率」が高い

 4年で売上高が2倍、年20%以上の増収を継続しているか
2.稼ぐ力を示す「営業利益率」が高い
 目安は営業利益率10%以上
3.オーナー経営者で筆頭株主
 個人のオーナー=トップマネジメントがベスト!
4.上場5年以内
さらに意識しておきたいポイントは目次(後述)の通り。

 PERには割安さの指標という視点だけでなく、期待値という視点もある両方の視点から観察する。たとえ割安でもカタリストがなければ株価も上昇しないので、カタリストを見つけることが重要

 10倍株探しを指南する本書で伝えたい内容は、格言「人の行く裏に道あり花の山」そのものだ。


 参考までに目次(Amazonで普通に見られる)は以下。

プロローグ
四季報読破で見つけた10倍株/ハンバーガーではなくテンバガーに注目/会社の先輩からの叱咤激励「四季報、全部読んでこい!」/四季報は投資の武器として最強/読み始めて4冊目で20倍株

第1章 【事例編】四季報から見つけた10倍株・100倍株
 1 変化・転換点への「気づき」から始まる―機関投資家とも対等になれる
 2 1964年東京オリンピックで10倍株になった意外な銘柄からわかること
 3 「株価が何倍になるか?」を考えるとき、重要なのは時価総額
 4 株主優待狙いで取得の銘柄が10倍になった
 5 「何十年ぶり」の最高益銘柄に注目

第2章 【実践編】10倍株探しの4つのポイント
 1 10倍株を探すポイントに気づいたきっかけ
 2 ポイント① 成長性を示す「増収率」が高い
 3 ポイント② 稼ぐ力を示す「営業利益率」が高い
 4 ポイント③ オーナー経営者で筆頭株主
 5 ポイント④ 上場5年以内
 6 増資や株式分割を行っている
 7 PSR、PER、PBRの高さは気にしなくてもいい
 8 買いは分散投資。売りはストーリーで決める
 9 10倍株を探すときのポイントまとめ

第3章 【事例編】10倍株はこうして見つけろ
 1 RIZAPグループ――変遷をたどって大化けの背景を知る
 2 ソニー――元祖ベンチャーから投資の極意を知る
 3 トヨタ――約13万倍!?日本一の“大化け”株
 4 TOKYO BASE――2年で10倍達成。100倍株になるか?

第4章 お宝銘柄をみつけるための常識・非常識
 1 「PERが低い割安株=よい株」は本当か
 2 決算発表直後と四季報発売前の「空白期間」にお宝銘柄を発見
 3 相場が大きく下落したときの銘柄選別とは
 4 右肩下がりの銘柄から見つけろ
 5 10倍株を探すときに役立つ投資格言はどれだ?
 6 中興の祖に注目!
 7 政策・国策から大相場の初動に気づく
 8 大化け続出の低位株がなくなる? 

第5章 四季報を読む&使うための技術
 1 読破の時間がない人のための10倍株を探せる読み方
 2 成長株、優良株、割安株……、分類を見極める
 3 四季報に載っている株価チャート欄の活用法
 4 会社四季報オンラインのスクリーニング活用術

番外編 気になったコメント おもしろコメント


【2022.8.17追記】

 楽天証券の新サービスでの2冊目として、高橋ダンさんの『僕がウォール街で学んだ勝利の投資術 億り人へのパスポート渡します』を読んで、感想をツイートしたので記録として追記しておく。改めて記事にする予定はないので。








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