先週、1,000円に到達したカーリットHD 100株を売り、これまでの銘柄累計利益で残る100株は恩株となった。
カーリットHDの概要と値動きと売買状況
2013年に持株会社化したが、元々は産業用爆薬等を製造している日本カーリット(現在は子会社)だった。自動車用緊急保安炎筒を作っている他、ロケットや防衛用ミサイルの固体推進薬原料となる過塩素酸アンモニウムを製造していて、防衛関連株として人気化することもある。
シリコンウェーハを製造・販売する子会社、伊藤園等の飲料充填業務を行っている子会社もある。
バブル期には横浜市保土ヶ谷区にあった広大な火薬工場の土地の含み益を材料に大きく買われた(1990年2月高値は2,890円)ので、その頃から名前は知っている会社だった。ちなみに、その工場は1995年に閉鎖され、今は周辺一帯の雑木林とともにカーリットの森と呼ばれる広大で自然豊かな公園になっている。
私がカーリットHDに投資したのは、2020年2月に560円で100株買ったのが最初で、新型コロナ感染症の蔓延が始まって株価が大きく下げてきた頃だった。3月にはさらに急落したので470円で100株買い増した。買った理由は、防衛関連で時々高く買われることがあるし、株主優待(後述)もあるので安ければ拾っておこうという感じだった。
2020年以降の週足チャートに私の売買履歴を追記したものを以下に示す。薄いピンクの網掛けはメイン口座で買と売が完了した分、薄いオレンジの網掛けはサブ口座で買と売が完了した分を表している。
9月13日に1,000円到達記念で売った分は2020年3月6日に買った分であり、税引前利益5.28万円、利益率112%、年利換算31.8%と中々の好成績となった。この結果、これまでの売買による税引後銘柄累計利益は7.47万円となり、2021年12月2日に648円で買った100株は個別管理上は恩株となった。
なお、「個別管理上は」と書いたのは、特定口座の売買損益は各口座内の移動平均取得価格を基に計算されるし、残った100株も移動平均取得価格(584円)での保有分としてメイン口座に残っているからだ。
カーリットHDの株主優待
上記の売買履歴では分かり難いかもしれないが、2020年2月に投資を開始して以来、最低でも100株は継続保有し続けるようにしてきた。100株以上、3月末権利確定でUCギフトカードがもらえる株主優待があり、3年未満だと500円分だが、3年以上だと1,500円分になるからだ。
保有株数が増えると以下のように優待内容はアップするが、100株保有が一番お得だ。
出所:ヤフーファイナンス(https://finance.yahoo.co.jp/quote/4275.T/incentive)
カーリットHDの年間配当は最近は20円だが、3年以上の株主優待を加えると100株で3,500円となる。私の648円の恩株に対する(配当+株主優待)利回りは5.4%となる。保有銘柄数を減らしたい気はあるが、恩株になったし、この利回りなので今後は放置する予定だ。
なお、この株主優待は本業とは関係ない優待だし、100株以上からだと一単元株主が増えるだけなので、廃止または改悪(例えば300株以上に変更)される可能性も高いと考えている。
最近の業績とニュース
好調な日本の株式市場と、幾つかの個別材料に支えられてカーリットHDの株価は今春以降上げてきた。そして、9月11日に通期業績予想を上方修正し、これが1,000円到達に寄与した。
通期予想EPSは109.4円、BPSは1427.5円なので、株価1,000円なら予想PERは9.1倍、PBRは0.70倍であり、まだ割高感はない水準である。前に高く買われた時の2018年1月高値は1,399円であるが、指標的には無理のない次の目標という感じだ。
H-ⅡA/BやH3ロケットなどの固体ロケットブ ースタ、また防衛産業用途の固体推進薬の主原料となる過塩素酸アンモニウムの増産計画を8月3日に発表した。将来の業績向上が期待できる。
日本カーリットが水電解に関する研究開発を東ソー・理化学研究所と共同提案し、NEDO委託事業に採択されたと7月10日に発表した。すぐに業績に寄与する話ではないが、水素関連銘柄にもなった。