投資信託の積立を一部売却した際のトータルリターンについて実例を示す。
トータルリターンとは
投資信託の過去の一定期間の総合的な運用成績を表す。分配金や値上がり益(値下がり損)を含めて、一定期間にどれだけ値上がり(値下がり)したかを示す。例えば、マネックス証券で投資信託の銘柄検索をすると、基準価格の3年間のトータルリターンが表示されて、分配金の有無に関係なく成績を比較しやすくなる。
なお、分配金については税抜きで再投資したものとして計算されているが、非課税口座以外では、実際には税金を引かれて再投資となるので、分配金のあるものは不利である。一般的に言って、投資信託は分配金のないものの方が得なのは常識の一つだ。もちろん、非課税で運用する、分配金を使う予定があるなら別だが。
保有中の投資信託のトータルリターン
実際に投資信託を保有していると、その投資信託の保有によってどのくらいのトータルリターンが得られたかを見ることができる。マネックス証券の場合だと、投資信託トータルリターンのメニューで表示できる。今回、確認のために初めて見た。普段見る口座残高の方では表示されていないし、ポートフォリオとしてほとんど売買せず長期保有しているので気にしていなかった。
年に1回は投資信託トータルリターン通知書というので知らせてくれる(電子交付)が、これもちらっと見る程度だった。
保有中の投資信託のトータルリターンの計算式は次のようになっている。
出所:マネックス証券 投資信託トータルリターンについて
(https://info.monex.co.jp/fund/total_return.html)
積立でのトータルリターン
楽天ポイントの活用・獲得を兼ねて、楽天ポイントや楽天カードによる投信購入で少額投資を行っている。楽天カードでの方(楽天・全米株式インデックス)は毎月積み立てているだけで売却したことはないが、楽天ポイントでの方(eMAXIS Slim先進国株式インデックス)は毎月の購入の他に高値圏での売却や暴落時の追加購入をしている。その結果、両者のトータルリータンの見え方が違うので、積立でのトータルリターンというものを意識することになった。
楽天証券での口座残高を以下に示す。
eMAXIS Slim先進国株式の方はトータルリターンが評価損益よりも2,600円ほど多いが、売却で確定させた利益分の違いだ。税金が引かれているので、実際にはこれより小さいし、額としては微々たるものだ。
二つの運用を始めた時期はだいたい同じだが、トータルリターンを取得総額で割って利益率でみると、楽天・全米株式は13.4%、eMAXIS Slim先進国株式は21.8%となってだいぶ差がある。投資対象の違いはあるものの、この差は高値圏での売却、暴落時の追加購入の効果だと言えよう。
長期積立を前提とすれば、暴落時に追加購入するのはよいが、高値圏に来たからと言って利益確定するのがよいとは限らない。現在高値圏だとしても、長期的にはさらに値上がりすることが期待できるからだ。しかし、私の楽天ポイントでの投資は、運用が主目的ではなく、楽天市場の買い物でのポイントアップが主目的だ。それで、高値圏では気楽に売却し、結果的にポイントの換金にもつなげているだけだ。