貧者の一灯 ブログ

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貧者の一灯・番外編

2022年11月09日 | 貧者の一灯

















家族に委ねないで

高齢者が病院に運び込まれた時、延命治療
を行うべきか。本人の考えがわからず、家族が
難しい判断を迫られることも多い。

84歳の評論家、樋口恵子さんは、周囲に
「延命治療は辞退します」と宣言した。(聞き手・)

自身は延命治療を受けたくないと思って
いても、親の最期が近い時に「やめてほしい」
と言えるか。

自信のない息子・娘が多いそうです。

本人の意思がはっきりしていないと、身近な
人が困ります。周囲に「冷たい人だ」と思われ
たくなくて、延命治療を頼んでしまう場合もある。

ばあさん、じいさんは、今の時点の意思で
いいから、しっかりと文章で書き、配偶者や
子ども全員に伝えておく必要があるのでは
ないでしょうか。

私は名刺の余白に「回復不可能、意識不明の
場合、苦痛除去を除いては延命治療は辞退
いたします」と書き込み、日付を入れ、サイン、
押印をして後期高齢者医療被保険者証と一緒
に携帯しています。

医療機関の人は、まず保険証を探しますからね。
延命するだけの治療を断るには、この程度でも
いいそうです。

名刺は2年ほどで汚くなるので、日付を変えて
書き直します。娘にも渡してあり、「約束は守るよ」
と言ってくれています。

家族と話して

死は誰にでも必ず訪れるというのは百も承知。
ですが、自分が死ぬのは怖いし、やっぱり嫌。
せめて、安らかに死にたい。私は、安らかな死
の対極にあるのが延命治療だと思ったのです。

でも、延命治療を否定するわけではありません。

67歳の時に、つれあいを 看取みと りました。
多発性脳梗塞で倒れて気管切開し、 鼻腔
びくう から栄養を取る状態で3年3か月を
生きました。

ジャーナリストで、「プロダクティブ(生産的)
でなくなったら生きていたくない」が口癖でした
から、もし「殺してくれ」なんて言われたら困って
いたと思う。

でも、大学の教え子が見舞いに来ると微笑
を浮かべ、満足そうにしていました。生きて
いるのが嫌そうな顔は見せなかった。

存在そのものが「生きることはいいことだ」
と言っていたように思うんです。

だから、「無理な延命治療はしてほしくない」
でも、「ぎりぎりまでやってほしい」でもいい。

家族に「私が最期の時は……」と話してあげて
ほしいのです。心配なら「後で撤回するかも
しれないけれど、何も言わずにその時が来たら、
これが私の意思だよ」と言い添えればいいんです。

気が変わったら書き換えて、改めて家族に話す。


彼の死から十数年、私自身いつ死んでもおかしく
ない年齢になりました。死が近づけば延命治療
への考えも変わるかと思いましたが、今のところ
変わりません。

日本には、「私一人の命ではないから家族に
任せる」という人も多いようです。

でも、私は命を誰かに預けるのは嫌。

死について自分で決めるのは怖いけれど、
任される家族は気の毒です。

誰かに委ねる「おまかせデス
(death=死)」ではなくて、「自分のデス」
を考えていきましょうよ。…


もしもの話難しく…「家族と詳しく話した」4%

厚生労働省が2013年に行った調査によると、
自分で判断できなくなった場合に備え、

どのような治療を受けたいか・受けたくないかなど
を書面にしておくことに「賛成」と回答した人が、
60歳以上では64%に上った。

ただ、そう回答した人のうち実際に書面を作成
しているのは、わずか6%しかいない。  

60歳以上で、受けたい医療・受けたくない医療
について「家族と詳しく話し合っている」とした
人は4%。

「まったく話し合ったことがない」と答えた
人が44%いた。「もしもの時」に備えた話を
するのは、容易ではないことがわかる。

◎QOD=Quality of Death(Dying)
 「死の質」の意味。












フレイルを予防することの意味  

1つはフレイルに陥らないようにすること、
もう1つはフレイルが進行するのを防ぐことです。

フレイルサイクルにあるサルコペニアとは、

筋肉量が減少し、歩行速度が低下して
いるような状態を指します。

フレイルの状態の中でも、筋肉に
注目した概念です。  

サルコペニアには、加齢によるサルコペニア
と病気に伴って起きるサルコペニアがあります。

サルコペニアを出発点として、

まず加齢や病気で筋肉量が低下し
サルコペニアを起こすと身体の機能が
低下します。

具体的には足の筋肉量低下により
歩行速度が落ちたり、疲れやすく
なるため全体の活動量が減少します。

全体の活動量が減少すると、エネルギー
消費量が減り、必要とするエネルギー量
も減少します。

わかりやすくいうと、動かないとお腹が
空かないので食欲もなくなります。  

加齢による食事量の低下に加えて、
食欲低下もあると慢性的に栄養不足の
状態になります。

慢性的な低栄養の状態は、サルコペニア
をさらに進行させ、筋力低下が進むという
悪循環へ陥ります。

この悪循環を適切な介入によって断ち
切らないと、フレイルサイクルを繰り返し
要介護状態になる可能性が高くなります。  

フレイルの介入方法には、

持病のコントロール、運動療法、栄養療法、
感染症の予防などが挙げられます。

1.持病のコントロール  

糖尿病や高血圧、腎臓病、心臓病、
呼吸器疾患、整形外科的疾患などの
慢性疾患がある場合には、

まず持病のコントロールをすることが
必要です。

フレイルの筋力低下には、運動療法が
有効ですが、持病のコントロールがされ
ていないと高齢の方は体を動かすという
気持ちになれないこともあります。

また、持病の治療がうまくいっていない
とフレイルを悪化させてしまう可能性も
あります。

2.運動療法と栄養療法

高齢者に対し適切な運動療法を行うと、
サルコペニア、筋力低下に対しては、
高齢者であっても運動療法によって
筋力が維持される、ということが
研究で報告されています)。

運動療法は個人に合ったものから
始めることが大切です。

ベッドの上で足の運動を行うことから始まり、
椅子に座ったり立ち上がったりを繰り返したり、
歩行距離を徐々に延ばしていくように
運動強度を調整します。

筋力が低下している状態で、いきなり
立ち上がったり、無理に歩行しようとする
と転倒や骨折を起こす危険があります。  

また運動療法は栄養療法とセットで
行う必要があります。

低栄養状態で運動を行っても筋肉が
つかないどころか、低栄養状態を助長
してしまいます。

筋肉をつけるために必要な良質な
タンパク質を摂れるような食事指導
をします。

3.感染症の予防

高齢者の場合は、免疫力が低下している
ことが多いためインフルエンザや肺炎に
かかりやすいといわれています。

インフルエンザや肺炎をきっかけに、
重症化して入院、そして寝たきりになって
しまうこともあります。

日頃から適度な運動やバランスのよい食事
などにより感染症に強い体作りをするだけ
でなく、インフルエンザワクチンや肺炎球菌
ワクチンを接種しておくのもフレイルを予防
する1つの方法といえます。 …









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