奥州街道を歩く(22-3:大田原から鍋掛へ) 栃木県大田原市 12km 2017.11.1
2019-02-10 18:29:41
(写真は、中田原の一里塚)
朝から、大田原の金燈籠や歴代大田原藩主の墓などを見て
回り、宿場の外れの「大田原城址」を見学したところで
昼過ぎになりました。
先程、太田原神社から大田原城址の入口へ渡った高架の横断
歩道橋が、前頁の写真の中央に見えています。
大田原城址公園前のバス停がある奥州街道を少し進み、
「蛇尾川」(さびがわ)に架かる蛇尾橋を渡ります。
橋の上から振り返ると、右手に大田原城址の崖の木立が見え
ます。
蛇尾橋を渡り、先程、大田原城址の対岸に見えた「大田原温泉
・太陽の湯」に向かいます。
目指す日帰り温泉は、上の写真の「ホテル竜城苑」に併設
された下の写真の平屋の建物で、「大田原温泉・太陽の湯」の
看板が出ていました。
私は、当初、この奥州街道沿いの「ホテル竜城苑」に泊まる
つもりでインターネット検索したのですが、1泊2万円以上の
部屋しか空きがなかったので、仕方なく、西那須野駅前の
1泊4千円のビジネスホテルを予約しました・・・
「日帰り温泉・太陽の湯」は、ホテル竜城苑の併設の温泉
なので、入浴料は高めかなと思いましたが、意外に安く
700円でした。
施設は新しくて清潔感があり、内風呂には、大浴場の他に
サウナも付いていました。
露天風呂は、広い岩風呂と檜風呂があり、気持ちがいいです。
温泉は無色透明ですが、スベスベ感があり、少し硫黄の臭い
がします。
飲食スペース、マッサージ、ゲームなどの施設も充実して
いました。
お昼過ぎだったので、湯上りに、生ビールを飲みながら、
写真のランチ(750円)を食べます。
そして、未だ時間も早いので、ついつい良い気分になり、
生ビールをもう一杯・・・
私の街道歩きのタイトルを、”完全踏破の一人旅”から、
”温泉三昧一人旅”に変更しなければならない感じに
なりました・・・?
ほろ酔い気分で「太陽の湯」を出て、蛇尾橋に戻ります。
奥州街道は、蛇尾橋を左手に見て、大きく右にカーブして
県道72号になります。
道は一直線で、やがて左手に、広大な富士電機の工場の正門が
見えました。
その後は緩やかな上り坂になると、左手に、写真の立派で
広大な家がありました。
塀の脇には、上の写真の真新しい説明の石碑が立っており、
それによると、この家は平家の末裔の「瀬尾家」で、ここは
「居館(中田原城)跡」らしいです。
更に、一直線の道をどんどん進んで行き、巻川に架かる
二本松橋を渡ると、少し先のセブン・イレブンの駐車の脇に
次頁の写真の「中田原の一里塚」がありました。
右側の塚は失われ、左側の塚が少し削られた形で残って
います。
中田原の一里塚から、更に1キロくらい歩いた写真の市野沢小
入口の交差点には、「黒羽刑務所の作業製品の展示場へ
お気軽にお寄りください」と大きく書かれた目立つ看板が
立っています。
つい、刑務所の広告看板?に気を取られてしまいましたが、
実は、この交差点は、奥州街道と「棚倉街道」の追分(小滝
入口分岐点)なのです。
交差点の角には、刑務所の広告看板に隠れる様に、「記念物
(史蹟)道標」の白杭が立っており、大小3基の「道標」と
「聖徳太子顕彰」の石碑があります。
案内板によれば、「道標」には、正面は「南無阿弥陀仏」、
側面には「右 たなくら(棚倉)、 左 しらかわ(奥州街道
の白河宿)」と彫ってあるそうです。
しかし、案内板の立っている位置が曖昧なうえに、文字が風化
してしまっているので、大小3基の道標うちのどれの説明
なのかわかりません・・・
「棚倉街道」は、茨木県の水戸藩の城下町と福島県の棚倉藩の
城下町を結ぶ街道です。
1629年、有名な「紫衣事件」(注)で、流刑地の羽州上山
(かみのやま)と奥州棚倉に流されることになった沢庵と玉室
は、この追分で別れを告げました。
(注)紫衣(しえ)事件
「紫衣」とは、天皇の勅許を受けた高僧だけが着けることが
出来る紫色の袈裟の事です。
幕府は、朝廷がみだりに紫衣を高僧に授けることを禁じ
ましたが、後水尾天皇はこれを無視して、従来の慣例通りに
紫衣を与えました。
これに腹を立てた幕府が、これまでの朝廷の紫衣勅許を全て
無効にした、という事件です。
寺院の僧達も激しく幕府に抵抗しましたが、幕府のこれに
対する態度は厳しく、有名な沢庵和尚や玉室らは流罪と
なりました。
追分から更に暫く歩くと、練貫(ねりぬき)交差点に
来ました。
この辺りの交差点の表示は、交差点ではなくて十文字と表示
されており、バス停の名前も練貫十文字です。
なるほど、十文字の交差点のイメージが湧きやすくて分かり
易いです。
ここ練貫交差点のバス停から乗って、約20分で太田市役所へ
戻り、バスを乗り継いでJR西那須野駅へ向かい、東北本線と
新宿湘南ラインで、今晩、横浜の自宅に戻る予定です。
現在、15:45ですが、大田原市街地に戻る最終のバスの
時刻は、何と!15:14で、最終便が行ってからもう30分も
過ぎてしまっています!!
えぇ~?、最終便に乗り遅れた?、ウソ~・・・
最終便が15:14なんて早すぎない?、と、事前に最終便の
時刻を調べてはいたものの、ついつい愚痴が・・・
「大田原温泉・太陽の湯」で、のんびりと生ビールを飲み
過ぎて、気持ちが大きくなってしまったので、最終便の時刻
への緊張感が鈍ったのかな~?
う~ん?、電車も無い、バスも無い、タクシーも走ってない、
聞く人も歩いてない、こんな田んぼの中のバス停で、
日没になったらどうすればよいの?
ホントに、参ったなあ~・・・
途方に暮れ、バス停の前に呆然と立ち尽くしてしまいます
・・
(to be continued ・・・)
大田原宿から鍋掛宿までは、約12キロです。
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