ウォーク更家の散歩(東海道・中山道など五街道踏破、首都圏散策)

九州横断特急(熊本→大分・別府)  2023.6.13

 (熊本駅に停車中の「九州横断特急」)

 

熊本と大分を結ぶ「豊肥本線」は、「2016年の熊本地震で

被災」したのちは、徐々に運転再開していました。

 

そして、最後に残っていた「肥後大津~阿蘇」間が、

「2020年8月に全面復旧」し「全線運転再開」しました!

 

次頁の新聞は、その4年4か月ぶりの「全線運転再開」

記事です!

 

鉄道ファンの私は、豊肥本線が全線運転再開したら、

出来るだけ早く乗りに行こうと決めていました。

 

今回の帰省でその念願が叶って嬉しいです。

 

「全線運転再開」した区間には、私が今回乗った「九州横断

特急」以外にも、「特急あそぼーい」も走っています。 

 

(特急あそぼーいについては、

「JR九州・豊肥線・特急あそぼーい」を見てね。) 

 

         

「熊本駅」から、「豊肥本線」の「九州横断特急71号」

別府行きに乗ります。

(熊本9:11発→別府12:37着)

 

豊肥本線は、熊本から別府まで、世界で唯一のカルデラ横断

鉄道です。

 

 

先頭の1号車が指定席、後ろの2号車は自由席です。

 

 

「肥後大津駅」が近づくと、車窓の左手の菊陽町の高台には、

写真の様に、雑木林の中から無数の建設用クレーンが伸びて

います。

急ピッチで建設が進む半導体世界最大手の「TSMC」

(台湾積体電路製造)の新工場です。

今年末の完成を目指して、24時間体制で造っています。

地元新聞は、「半導体バブルに沸く菊陽町の狂騒:畑は

買い上げられ地価急騰、パチンコ店も連日満員」と

報じています。

報道によると、投資総額は約1兆円、TSMCの従業員は

1,700名、協力会社も含めると従業員は7,500人。

菊陽町の工業地の地価上昇率は全国トップで、経済効果は

10年間で4.3兆円。

TSMCからの地元行政への要望は、これらの従業員の

アパートの確保でした。

このため、この一帯ではバブルが起きていて、土地価格は

2~3倍に跳ね上がり、少ないパイを巡って不動産業者が

争っている状況だそうです。

また「第2工場」の話も出ており、この活況は5年~10年は

続きそうです。

「肥後大津駅」を出ると、豊肥本線は非電化区間となり、

阿蘇山の山越えです。

 徐々に高度が上がっていきます。

阿蘇のカルデラは、外輪山の一部が切れて、「立野峡谷」と

言われる深い谷になっています。

スイッチバック駅の 「立野駅」に到着しました。

ここで列車は「スイッチバック」し、進行方向が変わります。

(上の写真の右側の線路から上がってきた列車は、この位置に

停車して、今度は、反対側の左側の線路を上がって

行きます。)

「立野峡谷」に架かる写真の「新阿蘇大橋」です。

 「新阿蘇大橋」は、「旧阿蘇大橋」の600メートル下流に、

新たに架橋され、2021年に開通しました。

 

上の写真は、熊本地震による橋の崩落現場に残る

「崩落したままの旧阿蘇大橋」です。(赤色枠)

 

2016年の熊本地震で、橋直下の断層が動いたことにより

崩壊し、たまたま車で走行中だった大学生が車ごと

転落して死亡しました。

この「崩落したままの旧阿蘇大橋」は、保存工事を施され、

震災遺構としてそのまま残されています。

こちら側の岸には、展望広場と記念碑が整備されています。

豊肥本線は、このあとカルデラの中に入り、北側のカルデラを

東西に横切りって行きます。

 

車窓からは、上の写真の様に左手には「阿蘇山」が見え、

そして、下の写真の様に右手には「阿蘇山の外輪山」が

見えます。

 

九州横断特急は、阿蘇地方の中心地の「阿蘇駅」に到着

しました。

「阿蘇駅」は、阿蘇中岳の火口や、熊本市内の各所に向かう

バスが発着する交通の要所です。

駅のホームには、上の写真のJR九州のキャラクター

「くろちゃん」がお出迎えです。

 

駅前には、漫画「ワンピース」の登場人物の像が立って

います。

 

2016年4月の熊本地震直後、漫画「ワンピース」の

熊本県出身の作者「尾田栄一郎」は、「必ず助けに行く」

とのメッセージを発信しました。

 

そのメッセージ通りに、「麦わらの一味:ヒノ国復興」

として、県内9市町村に「麦わらの一味の仲間」の像が

設置されました。

 

前頁の写真の「麦わらの一味」像もその9体の中の1体

です。

 

阿蘇駅を出た列車は、次に、「阿蘇神社」の参道の入口にある

写真の「宮地駅」に到着しました。

 

 

宮地駅を出発した列車は、カルデラを出るために、トンネルの

区間が多い、標高差215メートルの難所越えが始まります。

 

熊本県側は、「立野峡谷」の部分の「外輪山」の一部が切れて

いるので、列車は、ここから阿蘇のカルデラの中へ入って

行けます。

 

しかし、大分県側は、「外輪山」にこの様な切れ目が無い

ので、列車は、ここから阿蘇のカルデラを出るために、

外輪山の急な坂を上ったのちに下る必要があります。

 

外輪山のトンネルを抜けると、ここまで急勾配を登り続けて

きた豊肥本線は、大分へ向かって、ひたすら下って

行きます。 

 

 

 

大分県に入りました。

 

酪農・農業王国の熊本県から、林業王国の大分県に入ったのを

実感します。

 

 

熊本と大分の県境で、大分側にある「豊後荻駅」に

着きました。

 

 

この駅舎には、物産館、図書室、歴史資料展示室を併設して

いるそうです。

宮地駅から42分、滝廉太郎の名曲「荒城の月」の「岡城

(荒城)」で有名な「豊後竹田駅」に到着しました。

ホームからは、上の写真の様に、岡城の城下町の武家屋敷を

模した駅舎の屋根が見えます。

昔、岡城へ行きましたが、「荒城の月」の雰囲気を漂わせる、

大きくてなかなか立派なお城でした。

 

九州横断特急は、上の写真の様に、阿蘇の市街地を高い位置

から眺めながら、阿蘇外輪山の山中を走っていきます。 

 

 

 

 

 

 やがて、列車は大野川に沿って徐々に下っていきます。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

車窓は平野の風景になりました。

 

 

 

車窓が都会の風景に変わり、「日豊本線」と並走しながら

大分川を渡ります。

 

日豊本線と合流すると、もうすぐ「大分駅」です。

 

豊後竹田駅から1時間13分で「大分駅」に着きました。

 

 

大分駅のホームには、写真の様に、温泉の入り方の順番の図解

が並んでいます。

 

大分駅から先は「日豊本線」になります。

 

列車は、「別府湾」に沿って走ります。

間もなく終点の「別府駅」に到着しました。 

別府駅の前には、上の写真の「油屋熊八」の奇抜な像があり

ました。

「油屋熊八」は、亀の井ホテルの創業者で、日本初の女性バス

ガイドによる定期観光バスを発案したユニークな実業家だ

そうです。

 

 

 

 

 

九州横断特急


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コメント一覧

mrsaraie
iinnaさんへ

そうですよね、観光バスのガイドさんが、盛んに、女性バスガイドの定期観光バスを、油屋熊八が発案した話しをしますので記憶に残りますよね。

ええ、九州横断特急からは、阿蘇山や日田の山林を満喫出来たので、鉄道ファンの私は大満足でした。


iinna
>「油屋熊八」は、亀の井ホテルの創業者で、日本初の女性バスガイドによる定期観光バスを発案
銅像を見ましたが、名前までは憶えていません。古風な名です。
観光バス等でお世話になりました^^

九州横断特急からは、阿蘇山を眺めたりしながら景色を楽しめます。

> 新庄監督を起用して、新球場へ観客を呼び込む作戦だったみたいですね。
そんなところだろうと思ってました。勝負の世界ですから、チョット違うと考えるものの今風な起用法です。


https://blog.goo.ne.jp/iinna/e/b52ffb80ccde5e40e8a76c80d7cc72d5
mrsaraie
s1504さんへ

そうでしたか、別府温泉に宿泊して、私とは逆のコースで熊本に向かわれたのでしたか。

ええ、九州横断鉄道は阿蘇のカルデラの中をのんびりと走る高原列車のイメージだったんですが、大地震の被災状況からすると、結構難所も多いんですね。

災害列島に住む日本人に生まれた以上、自然災害との戦いを繰り返して生きていく覚悟をしましょうね。


s1504
(ウォーク更家)様、こんばんは。
ぼくは別府温泉にと泊まったあと熊本に向かったので逆のコースだったみたいです。
停車した駅とかあまり覚えてないのですが九州横断鉄道は難所もあったんですね。
今回詳しく説明していただき,地震からの復旧がいかに大変だったか思いを新たにしました。
日本人は自然災害との戦いを繰り返して生きていくんですね。逞しい民族だわ。
mrsaraie
iinnaさんへ

そうでしたか、出張で大分から熊本まで豊肥本線に乗ったんでしたか。

豊肥本線の大分~熊本は、結構長い時間乗ることになりますよね。

途中のスイッチバックは、絶対に印象に残ります。

ええ、大分は関サバですよね。
iinna
出張で、大分から熊本までを「豊肥本線」で行きましたょ。
途中でスイッチバックするのを興味深く体験しました。
何の仕事で廻ったかを忘れたのに、夜の席に関サバがなく翌日のお昼で食べたことは覚えています。

その豊肥本線も熊本地震で途切れ、2020年8月に全線運転再開していたのですね。


> 暑い夏は水分補給にスイカが最高です。
は水分がタップリですから、お腹も満たされます。


https://blog.goo.ne.jp/iinna/e/f8007c1c51e846e24a13551502bc8f7a
mrsaraie
s1504さんへ

ええ、阿蘇を訪れるのに必要な念願の鉄道がようやく復旧しました。

崩落した阿蘇大橋は遺構として保存するみたいです。

通行中に落ちた若者のクルマと遺体は、その後、行政は捜索を打ち切ったのですが、ご両親が執念で探されて手掛かりを発見され、ご遺体は無事回収されたみたいです。

そうですね、ようやく、地元の皆さんも、本格的に観光に取り組めます。
s1504
(ウォーク更家)様、阿蘇を訪れるには絶対必要な鉄道が復旧したようですね。
崩落した阿蘇大橋は保存するんですか。
通行中に落ちた若者のクルマと遺体は回収されたんですよね。
もう昔のことに思われますが、やっと観光に取り組めますね。
ご苦労様ですね、地元の皆さんも。
mrsaraie
hidebachさんへ

そう、目も眩む様な渓谷なので、復旧のための新しい橋も難工事だったと聞いています。

それにしても、たまたま車で走行中に、直下型地震に襲われて転落死した大学生の恐怖と無念は想像を絶します。

ええ、カルデラの中の途中駅は、牧草地や高原野菜、それに素敵な高原の温泉地などで、それなりに人口もあります。
hidebach
>途中にひっかかっている橋が震災遺構として保存

工事困難な場所だったことが良く解ります。
大変な工事だったようですね。

途中駅も何か所もあるようですが、それなりに人口もあるのでしょうね。
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