(写真は、展望台からの白川郷の全景)
9月2日に、富山・八尾の「おわら風の盆」を
見物した我々のパック旅行のバスは、翌朝、砺波
(となみ)駅の横のビジネスホテルを出発して、
白川郷へ向かいます。
白川郷の駐車場で下りて、「であい橋」(吊り橋)
を渡り、白川郷の集落(世界遺産)へ向かいます。
白川郷の集落の中に入ったら、先ず、速足で、
展望台行きのバス乗り場を目指します。
20分に1本の展望台行きのバスに乗りました。
(往復400円)
写真は、そのバスの終点の白川郷の全景が
見渡せる「荻町城跡展望台」です。
眼下に広がる114軒もの「合掌造り」と
呼ばれる茅葺屋根の集落、水田、集落を取り囲む
山々、まるで昔の日本の原風景です。
ここは、白川郷で最高の撮影ポイントです。
展望台からの写真で分かる様に、白川郷の
合掌造りの全ての屋根が、南北に平行に
造られています。
それは、南北に細長い白川郷の渓谷には、谷筋に
沿って南北の風が吹き抜けるので、各家が風を
受ける面積を少なくするためだそうです。
その構造のおかげで、屋根裏の窓を開放すれば、
その吹き拔ける風で、夏場の蒸し暑い屋根裏が
カラリと涼しくなり、蚕が蒸し暑さでやられる
ことを防げたのだそうです。
そして、南北に平行な”屋根の向き”により、
”屋根の面”は東西に向くことになり、一日中
屋根に太陽が当たるようになり、屋根に厚く
積もった雪は溶け易く、濡れた屋根も乾き易く
なります。
展望台からバスで集落に戻り、合掌造りの建物を
眺めながら散策します。
大きな茅葺(かやぶき)屋根を、三角形に組む
丸太の組み方が、手のひらを合わせた「合掌」の
形に見えるので、「合掌造り」と呼ばれます。
この合掌造り独特の屋根の傾きは、豪雪地帯の
雪下ろしの作業をしやすくするためだそうです。
「合掌造り」は、一般的には、1階は、居住
スペース、紙すき、硝煙製造の作業場です。
上階は、釘を全く使わずに、太い柱と梁を組み、
荒縄とマンサクの枝で縛り上げた、堅牢で
柔軟な造りの養蚕の作業場です。
白川郷では、合掌造りの数か所の建物内の見学が
できます。
次頁の写真は、築300年以上という国重要文化財
「和田家住宅」です。
江戸時代に、代々庄屋を務めたという和田家は、
屋敷構えとして、石垣や防風林、消雪用の
石組溝や池を構え、土壁や庭園が当時の裕福ぶり
をうかがわせます。
中に入ってみます。(300円)
往時には、20人以上もの人が、この建物に住んで
いたというから驚きです!
(仏壇の間)
(囲炉裏)
1階が生活空間で、2階から上は、養蚕業などの
仕事のスペースとして使用されていました。
合掌造りのもう一つの特徴は、両妻(家の側面)
に明かりを取るために設けられた前頁の写真の窓
です。
2階から上の床には、下の写真の様な格子状の
隙間があり、冬には、囲炉裏から立ち上る暖気で
暖かさがが保たれる様になっています。
次頁の写真の様に2階の天井は意外と高く、
展示物で、蚕業や煙硝(火薬の原料)作りで、
栄えていた往時の生活を垣間見ることが
できます。
黒光りする立派な柱が、歴史を感じさせます。
写真の様に、屋根組みには釘を1本も使わず、
丈夫な縄で固定されています。
この縄が雪の重さや風の強さに対するしなやかさ
を生み出し、建物の耐久性を増すことになって
いるそうです。
和田家住宅を出て、次に、下の写真の「長瀬家
住宅」に入ってみます。(300円)
「長瀬家住宅」は、何と!、5階建ての合掌造り
です!
長瀬家は、加賀藩の漢方医でした。
1階は居間で、前頁の写真の500年前の壮麗な
仏壇があり、また美術品、食器などが展示
されています。
上階には、和田家と同様に、機織り機、農具、
馬の鞍など、昔の生活用具が展示されています。
上の写真は、平成13年の屋根の葺き替え作業の
写真で、全国からのボランティアも含め500人
以上が参加したそうです。
長瀬家を出て、慌ただしく、下の写真の「神田家」
に入ります。(300円)
神田家の合掌造りは、江戸後期に、石川県の
宮大工が10年もの歳月をかけて建造した
そうです。
ここの床下では、火薬の原料となる硝煙
(しょうえん)を作っていました。
下の写真は、「曲がり梁」で、雪の重みで根元が
曲がって丈夫な木を利用した梁(はり)です。
次頁の写真は、中2階の「火見窓」で、使用人の
寝室にあり、囲炉裏の火の用心をするための小窓
です。
(中2階)
(4階)
神田家を出て、合掌造りの合間を縫って散策
します。
どこを向いても長閑な田舎の風景です。
上の写真は、合掌造りの食事処です。
五平餅、みたらし団子、飛騨牛の串焼き等、
グルメの食べ歩きも楽しそうです。
上の写真は、合掌造りの土産屋で、どこか
懐かしい雰囲気です。
我々のパック旅行のバスは、白川郷での自由時間
が2時間しか無かったので、展望台から白川郷の
全景を眺め、合掌造りの建物内の見学を3軒
終わったところで時間切れになってしまいました。
合掌造りの美味しそうな蕎麦屋、喫茶店、
土産物屋などもあったのですが、立ち寄る
時間が無くて心残りでした。
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