ウォーク更家の散歩(東海道・中山道など五街道踏破、首都圏散策)

岐阜県・白川郷 (世界遺産) 2017.9.3


(写真は、展望台からの白川郷の全景)


9月2日に、富山・八尾の「おわら風の盆」を
見物した我々のパック旅行のバスは、翌朝、砺波
(となみ)駅の横のビジネスホテルを出発して、
白川郷へ向かいます。



白川郷の駐車場で下りて、「であい橋」(吊り橋)
を渡り、白川郷の集落(世界遺産)へ向かいます。
白川郷の集落の中に入ったら、先ず、速足で、
展望台行きのバス乗り場を目指します。
20分に1本の展望台行きのバスに乗りました。
(往復400円)

写真は、そのバスの終点の白川郷の全景が
見渡せる「荻町城跡展望台」です。

眼下に広がる114軒もの「合掌造り」と
呼ばれる茅葺屋根の集落、水田、集落を取り囲む
山々、まるで昔の日本の原風景です。

ここは、白川郷で最高の撮影ポイントです。

展望台からの写真で分かる様に、白川郷の
合掌造りの全ての屋根が、南北に平行に
造られています。

それは、南北に細長い白川郷の渓谷には、谷筋に
沿って南北の風が吹き抜けるので、各家が風を
受ける面積を少なくするためだそうです。

その構造のおかげで、屋根裏の窓を開放すれば、
その吹き拔ける風で、夏場の蒸し暑い屋根裏が
カラリと涼しくなり、蚕が蒸し暑さでやられる
ことを防げたのだそうです。

そして、南北に平行な”屋根の向き”により、
”屋根の面”は東西に向くことになり、一日中
屋根に太陽が当たるようになり、屋根に厚く
積もった雪は溶け易く、濡れた屋根も乾き易く
なります。





展望台からバスで集落に戻り、合掌造りの建物を
眺めながら散策します。
大きな茅葺(かやぶき)屋根を、三角形に組む
丸太の組み方が、手のひらを合わせた「合掌」の
形に見えるので、「合掌造り」と呼ばれます。

この合掌造り独特の屋根の傾きは、豪雪地帯の
雪下ろしの作業をしやすくするためだそうです。

「合掌造り」は、一般的には、1階は、居住
スペース、紙すき、硝煙製造の作業場です。
上階は、釘を全く使わずに、太い柱と梁を組み、
荒縄とマンサクの枝で縛り上げた、堅牢で
柔軟な造りの養蚕の作業場です。
白川郷では、合掌造りの数か所の建物内の見学が
できます。
次頁の写真は、築300年以上という国重要文化財
「和田家住宅」です。

江戸時代に、代々庄屋を務めたという和田家は、
屋敷構えとして、石垣や防風林、消雪用の
石組溝や池を構え、土壁や庭園が当時の裕福ぶり
をうかがわせます。

中に入ってみます。(300円)
往時には、20人以上もの人が、この建物に住んで
いたというから驚きです!

(仏壇の間)


(囲炉裏)


1階が生活空間で、2階から上は、養蚕業などの
仕事のスペースとして使用されていました。

合掌造りのもう一つの特徴は、両妻(家の側面)
に明かりを取るために設けられた前頁の写真の窓
です。

2階から上の床には、下の写真の様な格子状の
隙間があり、冬には、囲炉裏から立ち上る暖気で
暖かさがが保たれる様になっています。


次頁の写真の様に2階の天井は意外と高く、
展示物で、蚕業や煙硝(火薬の原料)作りで、
栄えていた往時の生活を垣間見ることが
できます。


黒光りする立派な柱が、歴史を感じさせます。

写真の様に、屋根組みには釘を1本も使わず、
丈夫な縄で固定されています。

この縄が雪の重さや風の強さに対するしなやかさ
を生み出し、建物の耐久性を増すことになって
いるそうです。



和田家住宅を出て、次に、下の写真の「長瀬家
住宅」に入ってみます。(300円)

「長瀬家住宅」は、何と!、5階建ての合掌造り
です!

長瀬家は、加賀藩の漢方医でした。



1階は居間で、前頁の写真の500年前の壮麗な
仏壇があり、また美術品、食器などが展示
されています。



上階には、和田家と同様に、機織り機、農具、
馬の鞍など、昔の生活用具が展示されています。



上の写真は、平成13年の屋根の葺き替え作業の
写真で、全国からのボランティアも含め500人
以上が参加したそうです。

長瀬家を出て、慌ただしく、下の写真の「神田家」
に入ります。(300円)



神田家の合掌造りは、江戸後期に、石川県の
宮大工が10年もの歳月をかけて建造した
そうです。
ここの床下では、火薬の原料となる硝煙
(しょうえん)を作っていました。

下の写真は、「曲がり梁」で、雪の重みで根元が
曲がって丈夫な木を利用した梁(はり)です。


次頁の写真は、中2階の「火見窓」で、使用人の
寝室にあり、囲炉裏の火の用心をするための小窓
です。



(中2階)

(4階)


神田家を出て、合掌造りの合間を縫って散策
します。


どこを向いても長閑な田舎の風景です。






上の写真は、合掌造りの食事処です。


五平餅、みたらし団子、飛騨牛の串焼き等、
グルメの食べ歩きも楽しそうです。


上の写真は、合掌造りの土産屋で、どこか
懐かしい雰囲気です。


我々のパック旅行のバスは、白川郷での自由時間
が2時間しか無かったので、展望台から白川郷の
全景を眺め、合掌造りの建物内の見学を3軒
終わったところで時間切れになってしまいました。

合掌造りの美味しそうな蕎麦屋、喫茶店、
土産物屋などもあったのですが、立ち寄る
時間が無くて心残りでした。

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コメント一覧

ウォーク更家
生活の知恵が詰まった白川郷
http://blog.goo.ne.jp/mrsaraie
ええ、展望台からの眺めは最高で、白川郷の全体感が掴めました。

まあ、何と言っても、パック旅行は、移動が困難な場所でもスムーズに移動出来る利点があるので、時間制限の欠点は目をつぶるしかないですね。

合掌造りには、日当たり、風通し、暖房などの生活の知恵が詰まっていることが、家の中の見学でよく分かりました。
Komoyo Mikomoti
白川郷、いいですね!!
http://blogs.yahoo.co.jp/ya3249
バスのパック旅行は、移動が困難な場所でもスムーズに移動できるのがいいですね。
展望台からの眺めは最高です。

ただ、時間制限があるのは残念ですね。
ここだと1日時間をとっても楽しめそうです。

合掌造りの家には、
屋根の向きとか、暖気を有効に活用するしくみとか、
いろいろな生活の知恵がつまっているんですね。
ウォーク更家
白川郷の展望台
http://blog.goo.ne.jp/mrsaraie
ええ、荻町城跡展望台からの白川郷の全景は最高でした。

なるほどね、加賀藩の”隠し”硝煙作りの地だったんですね。

桜が満開の白川郷の写真は素敵ですね。

こきりこ祭り、こちらも優雅な踊りみたいで、行ってみたいです。
もののはじめのiina
白川郷
http://blog.goo.ne.jp/iinna/e/d81a6627ec041d25d244c020eaae6f56
野外博物館の合掌造り民家園を見物して満足していたのですが、「荻町城跡展望台」が白川郷の全景が見渡せるのを見逃しました。
此処からの眺めは、最高ですね。 また、行きたくなりました。
http://blog.goo.ne.jp/iinna/e/e4076932899ff4d818d5959c8bba0300

五箇山などは加賀藩の隠し硝煙作りの地でしたから、隠しておきたかったのでしょう。

こんな山奥の合掌造りを背にして踊る「麦や こきりこ」は風情がありますよ。
http://blog.goo.ne.jp/iinna/e/5fb9a3d36eb51b01ef13d1a9be6bc912

ウォーク更家
見応えのある合掌造り
http://blog.goo.ne.jp/mrsaraie
ええ、想像以上に、大きくて、がっしりと頑丈な、そして美しい、見応えのある合掌造りでした。

そうでしたか、遠い岐阜に疎開とは大変でしたね。

養蚕の「美濃和紙で囲った行燈のようなものに裸電球を入れて温め、卵を産み付けさせて孵化させる」という具体的なやり方は、初めて知りました。

疎開先で、蚕の生態を興味津々で観察しているhide-san少年の姿が目に浮かびます。

そう、山奥の何もない白川郷や八尾町が、何故、昔は豊かだったのか、不思議でした。

西洋輸出が、”1位=黄金、2位=絹の時代”に、うんと財力を蓄えたんでしょうね。
hide-san
見応え
http://blog.goo.ne.jp/hidebach
見応えのある合掌造りですね。

戦前疎開していた場所が岐阜県でした。
やはり養蚕をしていましたが、
まゆから蛹(さなぎ)そして蛾にして、
その蛾に美濃和紙で囲った行燈のようなものに、
裸の電球を入れて温め卵を産み付けさせて、
それは孵化して蚕になります。

糸のような細い幼虫が大きくなると、
桑の葉を食む音が、サクサク聞こえます。

大きくなって、やがて繭を造ります、
ご存知のその眉を茹でて、一本づつ絹糸にしていきます。

明治の初め西洋に輸出できる人気商品は、
1.黄金2.絹糸だったそうですね。

蚕の懐かしい思い出です。
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