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ラエリアン・ムーブメント
未来を恐れない人々へ : http://www.rael.org
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■これぞ総合栄養食の極みである…医師・和田秀樹が太鼓判「80歳以降は積極的に食べるべき」みんな大好きな料理
健康寿命を延ばす秘訣は何か。医師の和田秀樹さんは「若い頃の健康常識をアップデートすることが必要だ。血圧、塩分、コレステロール、どれも健康の敵のように言われているが、決してそんなことはない」という――。
※本稿は、和田秀樹『女80歳の壁』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。
■1杯ですべてが摂れる「総合栄養食」とは
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若返り 予防の秘策は ラーメンです
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年をとると、「関節が痛い」とか「手指が痛い」という人が多くなります。関節は、コラーゲンが減ってくると動きが悪くなるため、痛むのです。女性ホルモンの影響も、多少はあるかもしれませんね。
なので、これを防ぐには、やはりお肉などを積極的に食べたほうがいい。たんぱく質と脂質を摂取するには、お肉がいちばんだからです。
また、手指のしびれの原因には、末梢神経炎も考えられます。ビタミンB12の不足によって起こるのですが、補うためには「ビタミン類を足す」という意識が必要です。ビタミンB12は、魚介類に多く含まれるので、お肉だけでなく、お魚も食べるようにしたらいいと思います。
こんな話をすると、患者さんからは、よく聞かれます。
「先生、一度にいろんな栄養が摂れる食べ物はないの?」と。
そこで、私がお勧めするのは、ラーメンです。
■年齢とともに「常識」もアップデート
「ラーメンは若い人の食べ物」というイメージがありますが、そんなことはありません。じつは“幸齢者こそラーメン”なのです。
なぜか?
栄養の塊だからです。ラーメンのスープは、10種類から15種類の食品を入れて煮込んでいます。牛・豚・鶏の肉や骨、緑黄色野菜、根菜、キノコなど、あらゆる食材をバンバン入れてグツグツ煮込む。それらの豊富な栄養素が鍋に溶け出ています。しかも麺は炭水化物ですから、糖質も摂れます。トッピングで野菜を添えれば、1杯ですべてが摂れる「総合栄養食」なのです。
年をとるということは、これまでの常識が通じなくなる、ということでもあります。つまり、意識を変える必要があるわけです。
例えば、栄養面に関しても、幸齢期には「余っている害」より「足りない害」のほうが大きくなります。だから「雑食性のほうが体によい」という意識にしていったほうがいいのです。
家でパパパッと料理ができるのも女性の強みですが、どうしても同じようなメニューになりがちです。なので、ときには外食を取り入れる。
お友だちとおしゃべりしながら食事をするのもいいし、ひとりでラーメンを食べに行くのもいい。意識的に行動変容をしてみることが、幸齢期を乗り切る秘訣だと思うのです。
■なぜ女性は男性よりも長生きなのか
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健診を 受けぬ女子こそ 長寿なり
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拙著『女80歳の壁』(幻冬舎)では、男性ホルモン、女性ホルモンの話をしてきましたが、ここからは医療の話にシフトしていきたいと思います。
みなさんは、不思議に思ったことはありませんか。なぜ、女性は、男性より長生きなのか、と。
「生物学的に女は強い」ということもあるでしょう。しかしそれだけではなく、「健康診断を受けていない」ことが原因のひとつだと、私は思っています。
現代は、男女を問わず健康診断を受けるようになりましたが、以前は会社で行われるのが一般的でした。今の80歳以上の女性は専業主婦率が高く、働いていたとしてもパートなので男性の受診者が多かったわけです。
仮に、健康診断が寿命を延ばすなら、男性の平均寿命は延び、女性は縮むはずです。ところが、実際にはどうでしょう。平均寿命の男女差は拡がっています。しかも、圧倒的に(男性の平均寿命は81.05歳、女性は87.09歳)。
要するに、健診は長生きとは無関係、ということです。
■「正常値=元気で長生き」のウソ
私の母は94歳ですが、健診など受けたことがありません。おそらく、同年代の女性たちの多くが、健診を受けていないでしょう。これが幸齢女子の元気と長生きの一因だと、私は確信しているのです。
健診を受けて「オールA」という人はあまりいません。ほとんどの人が、何らかの検査項目で「B」や「C」がつく。年齢と共に、その数が増えていきます。
すると、どうなるか?
数値の悪い項目があると心配になります。「もしかして悪い病気かも」と。
「病は気から」と言いますが、心配すれば体調は悪くなります。
そして、病院に行けば必ず何らかの診断名がつき、薬を出されます。
その結果、飲む必要のない薬をわざわざ飲んで体をおかしくしてしまう。そんな人が多いのです。得をするのは、病院と製薬会社だけ。損をするのはみなさんです。
私は高齢者専門病院で、多数の例を診てきましたから、「検査データを正常にしたら、元気で長生きできる」などという思いこみは、ほとんどウソに近いとわかっています。
■「突然死」した医師の話
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健診で 人の寿命は 測れない
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私が尊敬する近藤誠医師の話をします。残念ながら2022年に亡くなりました。死因は虚血性心不全。いわゆる突然死です。
電車で移動中に気分が悪くなり、病院に行こうとタクシーに乗ったのですが、そこで心肺停止になったと聞いています。
ご家族に話を聞くと、「日頃から、元気なうちに、苦しまないでポックリ死にたいと言っていました。その通りになったので、本望だったと思います。有言実行の人でしたから」と仰っていました。
亡くなったのは残念ですが、強い意志をお持ちの方でしたので、ご自身の生き方を貫かれたのだなと思うと、少し救われたような気もしました。
近藤先生は、健康診断を徹底して否定していました。ネットでは近藤先生の訃報を受け「健康診断を否定した報いだ」などと、ひどい書き込みもありました。
ですが、健康診断を受けていたとしても、心筋梗塞は防げなかったでしょう。
■血液検査も心電図もあてにならない
健康診断では、心筋梗塞はわからないからです。血液検査でももちろんわかりません。コレステロール値が正常でも、心筋梗塞で亡くなる人は多数います。
心電図もあてになりません。高齢者専門の浴風会病院で知ったことですが、70代以降になると、元気なのに心電図が心筋梗塞の波形を表すことが、けっこうな頻度で見られます。逆に、心電図ではまったく異常は見られないのに、心臓の血管が詰まりかけていることも多数あるのです。
可能性があるとしたら、冠動脈のCT検査です。でも、これは健康診断の項目に入っていないので、健康診断ではやはり防げないのです。
たしかに、痛みや不調を訴えて、病院で検査を受けるのは有効です。しかし、一般の健康診断は、生活の質を下げたり、病気を増やしたりする原因にもなります。幸齢者は、とくに逆効果になることが多い。この事実は、しっかりと覚えておくべきだと思います。
■コレステロールは「敵」なのか
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医者の指示 まじめに聞くと がんになる
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みなさんもご存じだと思いますが、日本人の死因の第1位は「がん」です。死因の約25%を占めているので、4人に1人は「がんで死ぬ」と言えます。ちなみに、第2位は心疾患で、約17%。6人に1人は「心臓の病気で死ぬ」ということになります。
心疾患って、何か知っていますか? 真っ先に思い浮かぶのは、心筋梗塞ですよね。でも、それだけではありません。狭心症、不整脈、心不全、心臓弁膜症、心膜炎など、多数あります。それらを合わせて「心疾患」と呼んでいます。
医師はよく「血圧を下げましょうね」とか「血糖値を下げましょう」「塩分は控えてくださいね」「コレステロールは害ですよ」などと言います。
なぜだと思いますか? それは血管系の病気を防ごうとしているからです。
かつて日本人の死因の第1位は脳卒中でした。血圧が高かったり、塩分を多く摂ったりすると、血管が破れて死んでしまっていたのです。しかし、それは栄養状態が悪かった時代の話です。
■足りないと、免疫が落ちる
終戦後、栄養状態が改善するとともに、血管は丈夫になり、切れにくくなりました。脳卒中、特に脳出血で亡くなる人が大幅に減ったのは、このためです。
もはや血圧も塩分もコレステロールも、かつてのような“健康の敵”とは言えないのです。幸齢者の場合は、敵どころか“味方”とさえ言えます。
たしかに若い世代は、血圧、塩分、コレステロールは、コントロールしたほうがいいかもしれません。それによって心筋梗塞や脳梗塞など血管系の病気の確率はわずかに下がるかもしれません。しかしどれだけ下がるのか、本当に下がるのかは不明です。大規模調査をしたことがないので、実態はわからないのです。
ただし、ひとつだけ確かなことがあります。
「そんな生活をしていると、がんになりやすくなる」ということです。免疫力が落ちますからね。それは、自らがんになろうとしているようなものなのです。
■年間100体解剖して分かったがんの真実
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がんは無視 治療をしても つらいだけ
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がんは死につながる怖い病気、ということは誰もがよく知っています。
でも、それってどこまで本当なのでしょうか?
拙著の第2章でも話しましたが、大事な話なのでくり返します。
85歳を過ぎたら、ほぼ100%の人には、がんがあります。これは私が勤めていた高齢者専門の浴風会病院で知った事実です。
亡くなった方のご遺体を、年間100例ぐらい解剖させていただくのですが、体のどこかにがんがあるのです。
そのなかの7割くらいの方は、自分ががんであることを知らないまま亡くなります。がんに気づかず、日々、普通の生活をしながら亡くなっていくのです。
さて、これは幸せか、不幸せか? みなさんは、どう思いますか。
■早期発見、早期治療が正しいのか
若い世代は進行が速いので、がんはどんどん大きくなり、体の機能を奪っていきます。しかし、幸齢者は進行が遅いので、がんに気づかぬまま、ふつうの生活を続けていくことができるわけです。
がんが、どれくらい前からできていたかはわかりません。少なくとも4?5年はあったと考えられます。この間“知らぬが仏”とばかり、ふつうの生活を続け、天寿をまっとうして亡くなっていかれたのです。
仮に、がんが見つかっていたらどうなっていたでしょう? 手術や治療をすれば、つらい思いをしながら余生を生きることになったでしょう。それで寿命が大きく延びればいいのですが、それほど変わりません。むしろ、苦しい思いをしながら、早死にしてしまうケースのほうが多いのです。
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和田 秀樹(わだ・ひでき)
精神科医
1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、アメリカ・カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。国際医療福祉大学教授(医療福祉学研究科臨床心理学専攻)。一橋大学経済学部非常勤講師(医療経済学)。川崎幸病院精神科顧問。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わっている。2022年総合ベストセラーに輝いた『80歳の壁』(幻冬舎新書)をはじめ、『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『老いの品格』(PHP新書)、『老後は要領』(幻冬舎)、『不安に負けない気持ちの整理術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『どうせ死ぬんだから 好きなことだけやって寿命を使いきる』(SBクリエイティブ)、『60歳を過ぎたらやめるが勝ち 年をとるほどに幸せになる「しなくていい」暮らし』(主婦と生活社)など著書多数。
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【元記事】
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/3a3bd621fc715c5b51985ed1794eeb5cdf1988ee
●「平和のための1分間瞑想」
https://www.raelianjapan.jp/1m4peace
●日本ラエリアン・ムーブメント
https://www.ufolove.jp
●無限堂出版
http://www.mugendo.co.jp/index.html
最後までお読みいただきありがとうございました。
ラエリアン・ムーブメント
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■これぞ総合栄養食の極みである…医師・和田秀樹が太鼓判「80歳以降は積極的に食べるべき」みんな大好きな料理
健康寿命を延ばす秘訣は何か。医師の和田秀樹さんは「若い頃の健康常識をアップデートすることが必要だ。血圧、塩分、コレステロール、どれも健康の敵のように言われているが、決してそんなことはない」という――。
※本稿は、和田秀樹『女80歳の壁』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。
■1杯ですべてが摂れる「総合栄養食」とは
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若返り 予防の秘策は ラーメンです
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年をとると、「関節が痛い」とか「手指が痛い」という人が多くなります。関節は、コラーゲンが減ってくると動きが悪くなるため、痛むのです。女性ホルモンの影響も、多少はあるかもしれませんね。
なので、これを防ぐには、やはりお肉などを積極的に食べたほうがいい。たんぱく質と脂質を摂取するには、お肉がいちばんだからです。
また、手指のしびれの原因には、末梢神経炎も考えられます。ビタミンB12の不足によって起こるのですが、補うためには「ビタミン類を足す」という意識が必要です。ビタミンB12は、魚介類に多く含まれるので、お肉だけでなく、お魚も食べるようにしたらいいと思います。
こんな話をすると、患者さんからは、よく聞かれます。
「先生、一度にいろんな栄養が摂れる食べ物はないの?」と。
そこで、私がお勧めするのは、ラーメンです。
■年齢とともに「常識」もアップデート
「ラーメンは若い人の食べ物」というイメージがありますが、そんなことはありません。じつは“幸齢者こそラーメン”なのです。
なぜか?
栄養の塊だからです。ラーメンのスープは、10種類から15種類の食品を入れて煮込んでいます。牛・豚・鶏の肉や骨、緑黄色野菜、根菜、キノコなど、あらゆる食材をバンバン入れてグツグツ煮込む。それらの豊富な栄養素が鍋に溶け出ています。しかも麺は炭水化物ですから、糖質も摂れます。トッピングで野菜を添えれば、1杯ですべてが摂れる「総合栄養食」なのです。
年をとるということは、これまでの常識が通じなくなる、ということでもあります。つまり、意識を変える必要があるわけです。
例えば、栄養面に関しても、幸齢期には「余っている害」より「足りない害」のほうが大きくなります。だから「雑食性のほうが体によい」という意識にしていったほうがいいのです。
家でパパパッと料理ができるのも女性の強みですが、どうしても同じようなメニューになりがちです。なので、ときには外食を取り入れる。
お友だちとおしゃべりしながら食事をするのもいいし、ひとりでラーメンを食べに行くのもいい。意識的に行動変容をしてみることが、幸齢期を乗り切る秘訣だと思うのです。
■なぜ女性は男性よりも長生きなのか
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健診を 受けぬ女子こそ 長寿なり
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拙著『女80歳の壁』(幻冬舎)では、男性ホルモン、女性ホルモンの話をしてきましたが、ここからは医療の話にシフトしていきたいと思います。
みなさんは、不思議に思ったことはありませんか。なぜ、女性は、男性より長生きなのか、と。
「生物学的に女は強い」ということもあるでしょう。しかしそれだけではなく、「健康診断を受けていない」ことが原因のひとつだと、私は思っています。
現代は、男女を問わず健康診断を受けるようになりましたが、以前は会社で行われるのが一般的でした。今の80歳以上の女性は専業主婦率が高く、働いていたとしてもパートなので男性の受診者が多かったわけです。
仮に、健康診断が寿命を延ばすなら、男性の平均寿命は延び、女性は縮むはずです。ところが、実際にはどうでしょう。平均寿命の男女差は拡がっています。しかも、圧倒的に(男性の平均寿命は81.05歳、女性は87.09歳)。
要するに、健診は長生きとは無関係、ということです。
■「正常値=元気で長生き」のウソ
私の母は94歳ですが、健診など受けたことがありません。おそらく、同年代の女性たちの多くが、健診を受けていないでしょう。これが幸齢女子の元気と長生きの一因だと、私は確信しているのです。
健診を受けて「オールA」という人はあまりいません。ほとんどの人が、何らかの検査項目で「B」や「C」がつく。年齢と共に、その数が増えていきます。
すると、どうなるか?
数値の悪い項目があると心配になります。「もしかして悪い病気かも」と。
「病は気から」と言いますが、心配すれば体調は悪くなります。
そして、病院に行けば必ず何らかの診断名がつき、薬を出されます。
その結果、飲む必要のない薬をわざわざ飲んで体をおかしくしてしまう。そんな人が多いのです。得をするのは、病院と製薬会社だけ。損をするのはみなさんです。
私は高齢者専門病院で、多数の例を診てきましたから、「検査データを正常にしたら、元気で長生きできる」などという思いこみは、ほとんどウソに近いとわかっています。
■「突然死」した医師の話
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健診で 人の寿命は 測れない
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私が尊敬する近藤誠医師の話をします。残念ながら2022年に亡くなりました。死因は虚血性心不全。いわゆる突然死です。
電車で移動中に気分が悪くなり、病院に行こうとタクシーに乗ったのですが、そこで心肺停止になったと聞いています。
ご家族に話を聞くと、「日頃から、元気なうちに、苦しまないでポックリ死にたいと言っていました。その通りになったので、本望だったと思います。有言実行の人でしたから」と仰っていました。
亡くなったのは残念ですが、強い意志をお持ちの方でしたので、ご自身の生き方を貫かれたのだなと思うと、少し救われたような気もしました。
近藤先生は、健康診断を徹底して否定していました。ネットでは近藤先生の訃報を受け「健康診断を否定した報いだ」などと、ひどい書き込みもありました。
ですが、健康診断を受けていたとしても、心筋梗塞は防げなかったでしょう。
■血液検査も心電図もあてにならない
健康診断では、心筋梗塞はわからないからです。血液検査でももちろんわかりません。コレステロール値が正常でも、心筋梗塞で亡くなる人は多数います。
心電図もあてになりません。高齢者専門の浴風会病院で知ったことですが、70代以降になると、元気なのに心電図が心筋梗塞の波形を表すことが、けっこうな頻度で見られます。逆に、心電図ではまったく異常は見られないのに、心臓の血管が詰まりかけていることも多数あるのです。
可能性があるとしたら、冠動脈のCT検査です。でも、これは健康診断の項目に入っていないので、健康診断ではやはり防げないのです。
たしかに、痛みや不調を訴えて、病院で検査を受けるのは有効です。しかし、一般の健康診断は、生活の質を下げたり、病気を増やしたりする原因にもなります。幸齢者は、とくに逆効果になることが多い。この事実は、しっかりと覚えておくべきだと思います。
■コレステロールは「敵」なのか
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医者の指示 まじめに聞くと がんになる
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みなさんもご存じだと思いますが、日本人の死因の第1位は「がん」です。死因の約25%を占めているので、4人に1人は「がんで死ぬ」と言えます。ちなみに、第2位は心疾患で、約17%。6人に1人は「心臓の病気で死ぬ」ということになります。
心疾患って、何か知っていますか? 真っ先に思い浮かぶのは、心筋梗塞ですよね。でも、それだけではありません。狭心症、不整脈、心不全、心臓弁膜症、心膜炎など、多数あります。それらを合わせて「心疾患」と呼んでいます。
医師はよく「血圧を下げましょうね」とか「血糖値を下げましょう」「塩分は控えてくださいね」「コレステロールは害ですよ」などと言います。
なぜだと思いますか? それは血管系の病気を防ごうとしているからです。
かつて日本人の死因の第1位は脳卒中でした。血圧が高かったり、塩分を多く摂ったりすると、血管が破れて死んでしまっていたのです。しかし、それは栄養状態が悪かった時代の話です。
■足りないと、免疫が落ちる
終戦後、栄養状態が改善するとともに、血管は丈夫になり、切れにくくなりました。脳卒中、特に脳出血で亡くなる人が大幅に減ったのは、このためです。
もはや血圧も塩分もコレステロールも、かつてのような“健康の敵”とは言えないのです。幸齢者の場合は、敵どころか“味方”とさえ言えます。
たしかに若い世代は、血圧、塩分、コレステロールは、コントロールしたほうがいいかもしれません。それによって心筋梗塞や脳梗塞など血管系の病気の確率はわずかに下がるかもしれません。しかしどれだけ下がるのか、本当に下がるのかは不明です。大規模調査をしたことがないので、実態はわからないのです。
ただし、ひとつだけ確かなことがあります。
「そんな生活をしていると、がんになりやすくなる」ということです。免疫力が落ちますからね。それは、自らがんになろうとしているようなものなのです。
■年間100体解剖して分かったがんの真実
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がんは無視 治療をしても つらいだけ
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がんは死につながる怖い病気、ということは誰もがよく知っています。
でも、それってどこまで本当なのでしょうか?
拙著の第2章でも話しましたが、大事な話なのでくり返します。
85歳を過ぎたら、ほぼ100%の人には、がんがあります。これは私が勤めていた高齢者専門の浴風会病院で知った事実です。
亡くなった方のご遺体を、年間100例ぐらい解剖させていただくのですが、体のどこかにがんがあるのです。
そのなかの7割くらいの方は、自分ががんであることを知らないまま亡くなります。がんに気づかず、日々、普通の生活をしながら亡くなっていくのです。
さて、これは幸せか、不幸せか? みなさんは、どう思いますか。
■早期発見、早期治療が正しいのか
若い世代は進行が速いので、がんはどんどん大きくなり、体の機能を奪っていきます。しかし、幸齢者は進行が遅いので、がんに気づかぬまま、ふつうの生活を続けていくことができるわけです。
がんが、どれくらい前からできていたかはわかりません。少なくとも4?5年はあったと考えられます。この間“知らぬが仏”とばかり、ふつうの生活を続け、天寿をまっとうして亡くなっていかれたのです。
仮に、がんが見つかっていたらどうなっていたでしょう? 手術や治療をすれば、つらい思いをしながら余生を生きることになったでしょう。それで寿命が大きく延びればいいのですが、それほど変わりません。むしろ、苦しい思いをしながら、早死にしてしまうケースのほうが多いのです。
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和田 秀樹(わだ・ひでき)
精神科医
1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、アメリカ・カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。国際医療福祉大学教授(医療福祉学研究科臨床心理学専攻)。一橋大学経済学部非常勤講師(医療経済学)。川崎幸病院精神科顧問。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わっている。2022年総合ベストセラーに輝いた『80歳の壁』(幻冬舎新書)をはじめ、『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『老いの品格』(PHP新書)、『老後は要領』(幻冬舎)、『不安に負けない気持ちの整理術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『どうせ死ぬんだから 好きなことだけやって寿命を使いきる』(SBクリエイティブ)、『60歳を過ぎたらやめるが勝ち 年をとるほどに幸せになる「しなくていい」暮らし』(主婦と生活社)など著書多数。
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