チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世(83)の発言が性差別的として批判を受け、謝罪表明するに至った。この出来事は多くのニュースサイトで取り上げられており、以下は時事ドットコムからの引用。
【ニューデリー時事】チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世が、自らの後継者が女性なら「より魅力的であるべきだ」と英BBC放送のインタビューで発言し、批判を受けて謝罪に追い込まれた。
問題となったのは6月27日のインタビュー。女性インタビュアーは、ダライ・ラマが以前、後継者が女性になる場合は「魅力的でなくてはならない」と発言したとして、「あなたの言葉が多くの女性を苦しめると思わないのか」と強い口調でただした。
これに対し、ダライ・ラマは「より魅力的であるべきだ。人々は彼女の顔で判断しないとは思うが」と笑顔で返答した。
女性を蔑視する発言だとして批判の声が上がり、ダライ・ラマは2日、声明を出し、「傷ついた方々に心から謝罪する」と表明。女性差別の意図はなかったと釈明した。
7月3日付の河北新報・国際面でもベタ記事扱いでこの出来事が載っており、宗教最高指導者も女性に関わる発言には気を使う時代になったのか……と感じた。騒ぎの元になった「魅力的」だが、果たして容貌を意味していたのか、或いは外貌も含め言動全般だったのか、上の記事だけでは伝わらない。時事ドットコムには興味深いコメントがあった。
ぶっちゃけ言葉が難しいからこうなったのでは まず
・ダライラマ14世が語った直接の言葉が「魅力的」という意味だったか
・日本語で言うところの「魅力的」という意味がどういう意味として報道されるか
1番目で英BBC放送の翻訳技術が問われるし2番目で日本国内のマスコミ(JIJI.COMも含まれる)の認識能力が問われる
そして情報を得る側には「ダライラマ14世の真意とは全く違う誤解された情報が伝わる」というからくり
マスコミ一般この誤解を発生させてしまって「どんな得があるか」という話になる(ID:740835)
BBCの女性インタビュアーとは誰なのだろう?BBC関係者といえ、必ずしもキリスト教徒のアングロサクソンとは限らない。インド系という可能性もあるし、インド女性の舌鋒の鋭さには定評がある。
ただ、仮にも宗教指導者となれば、外貌も含め言動全般が「魅力的」でなければ務まらないのは言うまでもない。男性でもそれが求められるし、まして女性であれば尚のこと。女優クラスの美貌とまではいかずとも、少なくとも平均以上を信者は求めるだろう。まして映像の時代、各界の指導者には暗に容姿端麗が求められる。
性差別発言を論った女インタビュアーだが、新興宗教はともかく仏教、キリスト教、イスラム教などの世界宗教の教典には性差別や女性蔑視発言が頻繁に出てくるのを知らないはずはない。釈迦自身も十大弟子の1人アーナンダにこう言っていたという。
「女は怒りっぽい。女は嫉妬深い。女はケチだ。女は馬鹿だ。だからこそ女は公開の席には座れず、職業にも就けず、職業で一人立ち出来ないのだ」
「女の欲しがるものは、結局男で、心奪われているのは、装飾品、化粧品、依りどころとしているのは子供で、ただひたすら夫を独占したがっている。つまり支配権が欲しいのだ」
さすがは釈迦、2,500年前に女の本質を見抜いている。一方、パトロンであるコーサラ国王パセナーディの王妃マッリカーが王女を産んだ際、落胆した王にこんな言葉をかけていた。
「女といえども、中には男よりずっとすぐれた人もいます。智慧が深く聡明で、戒もよくたもち、姑を敬い、夫に貞節な女もたくさんいます。そんな女の生んだ子は、英雄となり、大国の王となることもあります。女がいなくては、立派な男も生まれないのではありませんか。
今生まれた女の赤ん坊が、どんな素晴らしい偉い王を生むかわかりません。心から王女の誕生を祝福して、王妃をねぎらっておあげなさい」
※釈迦の言葉は『釈迦と女とこの世の苦』(瀬戸内寂聴、NHK人間講座テキスト2000年4~6期)からの引用。
また、ある時釈迦は、夫たる者は時々妻に装身具や美しい着物を買ってあげるべきだと教えている。21世紀でも釣った魚に餌をやらぬ男は多い。
そもそも性差別を問題とすれば、既存宗教は成り立たなくなる。釈迦やキリスト、ムハンマドが生きた時代と現代では価値観が違い過ぎるのだ。男女平等を説く大宗教など聞いたことがない。どの宗教も女を抑圧するが、男より女のほうが宗教に救いを求める傾向があるのは否めない。
ヒンドゥー至上主義者の中には、ジーンズをはく女にアシッド・アタック(酸攻撃)を行うと宣言する者までおり、イスラム原理主義者へ性差別と言っても、それは神が決めたことと歯牙にもかけない。この種の男どもこそ真の性差別主義者だが、BBCの女性インタビュアーは連中には及び腰らしい。
https://www.honzuki.jp/book/251050/review/180307/
https://www.honzuki.jp/book/216674/review/120350/
タイトルで誤解されそうですが、レビューに目を通したら小説のようですね。堅苦しいキリスト教史ではなく広島弁で語られているとは面白そうです。
ちなみに『仁義なき戦い』はТVで見ました。主役の菅原文太は宮城県出身なので。