トーキング・マイノリティ

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本当に素晴らしいニッポン女性!? その三

2014-07-10 21:40:05 | 世相(日本)

その一その二の続き
日本人男性が変わらない限り、日本の少子化は決して止まらない」には賛否両論のコメントが寄せられており、池田信夫氏のように「いろんな話がごちゃごちゃになっている悪文。女性の権利を連呼すればいいというもんじゃない」と感情的な意見も。一方、江本真弓氏を支持する放送大学の藤根美穂氏は、「要するに日本の男性もインドの男性と頭の中身は何にも変わらない、という点で私は結構わかる文章だと思う…」と述べている。
 つまり、女性蔑視思想において、日本とインド、第三世界の本質は変らないということだし、その点において私も同意する。だが、インドについて故意なのか、江本・藤根両氏が語らなかったことがある。首相も出したほどなので政界はもちろん、学界や経済界での女性進出では日本をずっと上回っているのだ。女の半数ちかくが文盲、絶対的的な貧困にあえぐ一方、各方面に進出した女性が活躍する国がインドである。

 インドに疎い方は何故このよういな格差があるのか?と思われるだろうが、それもカースト制の“恩恵”なのだ。高学歴で社会的地位の高い女性は総じて高カーストであり、低カーストやネパール人をメイドに使っているため、外での仕事がやれる事情がある。インドは女同士でも徹底した階級社会であり、高カーストの女はそのシステムを崩そうとは思わず、内心は当然視している。
 さらに学歴や社会的地位の高い女たちは総じて少子化、せいぜい子供は2人くらいで、子沢山は貧しい低カーストが相場なのだ。性知識も乏しい低カーストは、跡継ぎの男児欲しさに出産を繰り返し、早婚もあり少子化とは縁がない。

 だが、少子化ならば欧米先進国も日本とさほど変わりないはず。日本よりは出生率が上にせよ、実際に産んでいるのは移民が多いという実態を江本氏は無視しているのか?1990年代半ばだったか記憶があいまいで恐縮だが、ドイツの産婦人科病院を映していた日本のТV番組を見たことがある。妊婦は移民ばかりでドイツ人妊婦は全くの少数。いったい何処の国の病院だと思ったが、下手すると日本の近未来かもしれない…と慄然とさせられた。
 女性の社会進出で日本が欧米諸国に後れを取っているのは事実である。しかし、その社会進出も移民や外国人メイドがあってこそなのだ。家政婦やナニーと呼ばれるベビーシッターがいるため母親も働けるし、米国でかつてその職種は黒人だったが、近年はヒスパニックやアジア系になっている。つまり、欧米の格差社会が背景にあり、その点ではインドと変わりない。

 高価なスーツに身を包み、CEOの職に就いている白人女の家では、有色人種の女達が低賃金で家事をこなしているのだ。俗に「職業に貴賤はない」と言われるが、後者も好き好んで家政婦になったとは思えない。彼女らも出来れば収入、社会的地位の高い職に就きたいと思っているだろうが、それも望めず、子供の養育費を稼ぐために他国の女主人に仕えているのこそ、南北問題の縮図そのものだろう。インドと本質的にどこが違うのか?米国、インド共に女主人は、稼ぎの悪いと見なしたメイドを早々クビにすることに躊躇いはない。

 マスコミは東京都議・塩村文夏への野次を煽動的に取り上げたし、彼女は外国メディアとの記者会見まで行って、日本の現状を訴えていた。間もなくこの女の正体がネットや週刊誌で暴かれ、過去の発言を紹介しているサイトもある。
 私も人気ブログ記事で塩村が放送作家時代、アイドルの少女たちに散々パワハラをしていたことを知った。彼女の制作した番組も初めて知ったが、AV以上に下品だった。こんな女が女性の権利を訴えていたとは呆れる。欧米メディアは嬉々として日本の女性蔑視と取り上げたが、そもそもキリスト教とは結婚と多産奨励の宗教ではなかったのか?聖書から一部引用したい。

また主なる神は言われた、「人がひとりでいるのは良くない。彼のために、ふさわしい助け手を造ろう」(創世記2:18)
それで人はその父と母を離れて、妻と結び合い、一体となるのである。(同上2:24)
あなたがたは、生めよ、ふえよ、地に群がり、地の上にふえよ。(同上9:7)
しかし、不品行に陥ることのないために、男子はそれぞれ自分の妻を持ち、婦人もそれぞれ自分の夫を持つがよい。(コリント人への第一の手紙7:2)
しかし、女が慎み深く、信仰と愛と清さとを持ち続けるなら、子を産むことによって救われるであろう。(テモテへの手紙一、2:15)

 ひょっとして、セクハラ野次主の鈴木都議はクリスチャンだったのか?魔女狩りは世界史でも類を見ないキリスト教圏の女性虐待だが、米国では未だに進化論を教えない学校も少なくないとか。進化論どころか、米国人の4分の1が「地球の公転」を知らなかったことを伝えるネットニュースもある。中絶問題は常に選挙戦の争点であり、中絶を行う産婦人科医を射殺するキリスト教原理主義者もいるのが米国。
その四に続く

◆関連記事:「フェミニズムにみる階級制
 「生きながら火に焼かれて
 「男と女、生まれ変わるならどちらがいい?

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2 コメント

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貴族? (トオニ)
2014-07-24 22:04:51
前に各国の女性の社会進出がどれだけ進んでいるかという調査結果を見たことがあります。
そのランキングの上位は欧州、それも北欧が多く、日本は中位くらいだったと覚えています。
白人上位主義のような内容にうんざりしてましたが、今回の記事を読んで納得しました。
メイドに乳母とは、何だか貴族みたいですね。
キリスト教による女性蔑視の反動もあるんでしょうが。
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Re:貴族? (mugi)
2014-07-25 22:09:21
>トオニさん、

 まさに欧米での女主人とメイドの関係は貴族制そのものでしょう。調査結果のランキングというのは、各国の社会背景の違いを挙げておらず、白人上位主義の印象操作に最適。20世紀初めの英国貴族の館を描いた英国ドラマ『ダウントン・アビー』など、モロに階級社会だったし、主人と下僕やメイドは決して一緒に食事をとることはしない。

 欧米人は日本人から欧米は階級社会と言われるのをかなり嫌がるそうです。しかし、実際は階級制があり、有色人種のメイドを使うのを当然視しています。聖書からは異教徒はキリスト教徒に奉仕するために作られた、とも解釈できます。

 中東で働くメイドは悲惨ですよ。産油国でのメイド虐待を紹介したサイトがあります。これなら日本でお茶くみ、コピーをしていた方が遥かにマシ(笑)。
http://www.bllackz.com/2010/11/blog-post_18.html
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