『君戀しやと、呟けど。。。』

此処は虚構の世界です。
全作品の著作権は管理人である紫草/翆童に属します。
無断引用、無断転載は一切禁止致します。

『あきら Ⅲ』

2005-07-27 18:18:08 | 小説『あきら』
 電話が鳴り出した。  とりあえず、ナンバーディスプレイを確認する。  知らない人だ。どうしよう。  しかし時間的に、学校関係の人からの電話かもしれないと、私は受話器を取った。  聞こえてきたのは聞き覚えのない、年配の女性の声。にもかかわらず、 ――元気にしとった?  と馴れ馴れしく聞いてきた。 「あなた、誰?」  私の声が鬼のように冷たかったのは云うまでもない。ただ、その声の主は、そんなこと . . . 本文を読む
コメント

『あきら Ⅱ』

2005-07-24 11:53:57 | 小説『あきら』
 ――携帯を見る。  現在時刻、11:50a.m.  今日の下校は確か4時。  久し振りに、お昼食べていこっかな。  私は、栄の地下街で時折寄っている、パスタ屋の中へ入る。  おや。すでに一杯の、お客様。私に気付いた店員が一番奥が空いている、と教えてくれた。私は、そのまま奥へと進み席に着く。 「相席、いいですか?」  座るか否かで声がした。見ると、若くてハンサム(!)な男の子が立っている。二十 . . . 本文を読む
コメント (2)

『あきら Ⅰ』

2005-07-23 11:40:58 | 小説『あきら』
「あ~、ちょっと待ってぇ。ね~そこの黒い服着た女の人~」  時は六月、お昼前。  名古屋栄の地下街に、比較的高めの男性の声が綺麗に響き渡っている。  あと少し歩けばクリスタル広場。約束もなく歩く私は我関せずと放っていた。  だが、あまりに続く呼び声に (誰を呼んでいるのだろう)  と思わず聞き耳を立ててみる。  ん?!  黒い服? 「ちょっとぉ~黒い日傘も持ってる人~」  黒い日傘? 「 . . . 本文を読む
コメント (4)

にほんブログ村 小説ブログ

登録しています。押していただけると喜びます。
にほんブログ村 小説ブログへにほんブログ村  にほんブログ村 小説ブログ ショートショートへにほんブログ村