『君戀しやと、呟けど。。。』

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『白い月』

2023-01-10 21:25:44 | 作品b 【掌編】
カテゴリー;Novel 


 午前六時、東雲の空に月を見た。

 あの人も、この月を見ているだろうか。
 深夜勤務明け、空を見上げることなどないかもしれない。
 それでも同じ月を見ていたらいいな、と願う――。

 出勤途中のバッグの中で、スマホが震え出したのが分かった。
 取り出すと、彼からのメールが送られている。

―綺麗な月が浮かんでいたよ
―こういうの、好きでしょ

 思わず微笑み、表示された写真に魅入る。
 そこには、まあるい白い月が小さく写っていた――。


                       【終わり】

                             著作:紫草


ニコッとタウン内サークル「自作小説倶楽部」2022年12月小題:安らぎ


イラスト提供
by 狼皮のスイーツマンさん

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