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カテゴリー;Novel
午前六時、東雲の空に月を見た。
あの人も、この月を見ているだろうか。
深夜勤務明け、空を見上げることなどないかもしれない。
それでも同じ月を見ていたらいいな、と願う――。
出勤途中のバッグの中で、スマホが震え出したのが分かった。
取り出すと、彼からのメールが送られている。
―綺麗な月が浮かんでいたよ
―こういうの、好きでしょ
思わず微笑み、表示された写真に魅入る。
そこには、まあるい白い月が小さく写っていた――。
【終わり】
著作:紫草
ニコッとタウン内サークル「自作小説倶楽部」2022年12月小題:安らぎ
イラスト提供
by 狼皮のスイーツマンさん