二学期スタートです。 . . . 本文を読む
『あきら』
全15話になりました。
無事に、終了です。
最后は、ちょっと急ぎ足でしたので、後で手直しするかもしれませんが、とりあえず終わらせます。
何だか、Blogのバランスを取るのが難しく、かなり適当に切っていったので、上手く収まって自身驚いているところです。
読んで戴きまして、有難うございました。
暫し、充電致します
「もうひとつの‘あきら’」 . . . 本文を読む
「勝手に思い込むなよ」
と子に声を掛けられる。思わず顔を上げた。
小さく、大丈夫と答えたが、感情は先走っていた。何故なら。。。
「あのクリスマスパーティの時、できた子だね」
俊は、そう云って私を見た。
もう云い逃れは、できない。俊は、私の姿を見ている。孕んだ、お腹を知っている。
私は覚悟を決めて、肯定する。
「ええ。あの時抱かれた、たった一度の過ちだわ」
「過ち? あきらが、あの時 . . . 本文を読む
「私の名前は、大崎あきらです」
目の前で、泣き腫らした真っ赤な目の少女は、はっきりとした口調で、そう云った。
あきら?!
「悪いけど、もう少し黙って聞いてやってくれるかな」
私の表情を読んだ俊が、すかさず声をかけてくる。
「うん、分かった」
私も、その心算だった。彼女の顔を見たら、口を挟むことは躊躇ってしまう。そのくらい真剣な瞳が、そこにはあった。
「パパの名前は、大崎俊です。あそこ . . . 本文を読む
「こんにちは」
少女は、明るく挨拶をする。
私は、声が出なかった、ただ無理矢理作る笑顔が、貼り付いたように固まった。
「こんにちは」
そんな私に気付いたのか、子が代わりに声を掛ける。
少女は納得したように、ニコっと笑って奥の暖簾をくぐっていった。
「ごめんなさい。私たち、そろそろお暇します。今日は有難う」
何だか、頭の中が、めちゃくちゃだった。
とにかく、此処にはいられない。それば . . . 本文を読む
ピンポ~ン
ドキン!
私の心臓が、跳ね上がったように高鳴った。
時計を見ると、電話を切ってから35分が経っていた。玄関へ向かう息子の足音が聞こえている。
誰だろう。
誰だろう。。。
誰だろう。。。。。
私は息子の返事を待てなくて、無意識に立ち上がり、玄関に向かって歩き出していた。そこには以前よりも、ずっとずっと大人びて素敵になった、俊がいた――。
飛びつきたい衝動を . . . 本文を読む
「許しません! 離婚なんて、絶対に認めません――」
二年前の義母の声が蘇った。
子の高校進学を機に、私は離婚を申し出て、それを頭ごなしに反対された時の義母の声。
それまでも不安定な心理状態で暮らしていたというのに、この一言は私を奈落の底へと突き落とした。
子供という名で踏ん張っていたものが、義務教育を終えたことで、危うくなり始めていたのだ。意外にも、息子が、そのことに気付いた。
そして . . . 本文を読む
――元気?! 冬子さん。
受話器を通して聞こえてきた声。
それは待って待って待ち望んで、でも二度とかかってくることのなかった俊の、あの時と全く変わらぬ彼の声のように聞こえた。
「俊なの?!」
半信半疑の私。これが誰かの冗談とかだったら、私は耐えられないだろう。
――そうだよ。そろそろ迎えに行きたいんだけど、いいかな。
迎えに来る。
何処へ。
誰を。
私は受話器を持ったまま、立 . . . 本文を読む
――俺、店辞めるわ。
深夜、突然、かかってきた俊からの電話。
めったにかけてこないけど、それでも、かけてきた時は、今何してたとか、子はどうしてるとか、根掘り葉掘り聞いてきた。
それが、今日は全部パスして、いきなり本題?!
「何か、あったの?」
出来うる限り、ゆっくりと聞いてみる。
しかし、返事はなかった。
クリスマスパーティーから三ヶ月。私は俊に逢ってない。
殆どがメールだけ . . . 本文を読む
「ね、聞いてる?」
はっ、と我に返ると目の前に俊がいる。
どうして此処に俊がいるの?
此処、私の家よ。
「だって、この人、旦那さんなんだろ。じゃ、挨拶しなきゃ。冬子は俺が貰いますって」
「やめて! 何を云うの。私は俊とは一緒にはなれない」
そう云った時、涙がはらりとこぼれた。。。
――気付くと布団の中だった。隣には子の寝息が規則正しく聞こえている。
「夢・・か」
私は、全身汗を . . . 本文を読む
「いつか、俺のものになってくれる?!」
俊が、そう云ってKissをした――。
ひとしきり泣いた後、私達はマスターの云う通り、その場を離れ駅裏のビジネスホテルへとやって来た。
とにかく臭かったのだ。俊が折角買ってくれたブラウスも、そのまま着てしまったら、同じこと。そこでシャワーを浴びる為、ホテルへの移動となったのだった。
シャワーを浴びベッドへと腰を下ろす。俊が濡れた髪をタオルで拭いて . . . 本文を読む