貴女へ。。。
by P900iv . . . 本文を読む
電話が鳴り出した。
とりあえず、ナンバーディスプレイを確認する。
知らない人だ。どうしよう。
しかし時間的に、学校関係の人からの電話かもしれないと、私は受話器を取った。
聞こえてきたのは聞き覚えのない、年配の女性の声。にもかかわらず、
――元気にしとった?
と馴れ馴れしく聞いてきた。
「あなた、誰?」
私の声が鬼のように冷たかったのは云うまでもない。ただ、その声の主は、そんなこと . . . 本文を読む
――携帯を見る。
現在時刻、11:50a.m.
今日の下校は確か4時。
久し振りに、お昼食べていこっかな。
私は、栄の地下街で時折寄っている、パスタ屋の中へ入る。
おや。すでに一杯の、お客様。私に気付いた店員が一番奥が空いている、と教えてくれた。私は、そのまま奥へと進み席に着く。
「相席、いいですか?」
座るか否かで声がした。見ると、若くてハンサム(!)な男の子が立っている。二十 . . . 本文を読む
「あ~、ちょっと待ってぇ。ね~そこの黒い服着た女の人~」
時は六月、お昼前。
名古屋栄の地下街に、比較的高めの男性の声が綺麗に響き渡っている。
あと少し歩けばクリスタル広場。約束もなく歩く私は我関せずと放っていた。
だが、あまりに続く呼び声に
(誰を呼んでいるのだろう)
と思わず聞き耳を立ててみる。
ん?!
黒い服?
「ちょっとぉ~黒い日傘も持ってる人~」
黒い日傘?
「 . . . 本文を読む