『君戀しやと、呟けど。。。』

此処は虚構の世界です。
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『あきら Ⅹ-ⅲ』

2005-08-21 22:14:15 | 小説『あきら』
「こんにちは」  少女は、明るく挨拶をする。  私は、声が出なかった、ただ無理矢理作る笑顔が、貼り付いたように固まった。 「こんにちは」  そんな私に気付いたのか、子が代わりに声を掛ける。  少女は納得したように、ニコっと笑って奥の暖簾をくぐっていった。 「ごめんなさい。私たち、そろそろお暇します。今日は有難う」  何だか、頭の中が、めちゃくちゃだった。  とにかく、此処にはいられない。それば . . . 本文を読む
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『あきら Ⅹ-ⅱ』

2005-08-21 18:28:03 | 小説『あきら』
 ピンポ~ン  ドキン!  私の心臓が、跳ね上がったように高鳴った。  時計を見ると、電話を切ってから35分が経っていた。玄関へ向かう息子の足音が聞こえている。  誰だろう。  誰だろう。。。  誰だろう。。。。。  私は息子の返事を待てなくて、無意識に立ち上がり、玄関に向かって歩き出していた。そこには以前よりも、ずっとずっと大人びて素敵になった、俊がいた――。  飛びつきたい衝動を . . . 本文を読む
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「雨が降る…」

2005-08-21 15:11:44 | 詩歌
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『あきら Ⅹ-ⅰ』

2005-08-21 11:30:51 | 小説『あきら』
「許しません! 離婚なんて、絶対に認めません――」  二年前の義母の声が蘇った。  子の高校進学を機に、私は離婚を申し出て、それを頭ごなしに反対された時の義母の声。  それまでも不安定な心理状態で暮らしていたというのに、この一言は私を奈落の底へと突き落とした。  子供という名で踏ん張っていたものが、義務教育を終えたことで、危うくなり始めていたのだ。意外にも、息子が、そのことに気付いた。  そして . . . 本文を読む
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