『君戀しやと、呟けど。。。』

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「ねこ」

2008-12-31 16:30:23 | 童話
「じじ~」
 我が子の声が猫を呼ぶ
「じじ~ どこ~」

「どうした!? じじ、いない?」
 右へ左へと動き回る我が子をつかまえ、聞いてみる
「じじ おそと いっちゃった」
 おやおや。半べそかいている
「大丈夫。帰ってくるから」
「ほんと?」

 生まれた時から一緒にいる猫
 黒猫の“じじ”
 いっつも近くにいるもんね

「お庭で“じじ~”って呼んでごらん。“にゃ”って返事するかもよ」
 するとニコっと笑って駆け出してゆく

「おかあちゃ~ん じじ いたよ~」
 きっと、その声で逃げてくな

 あ。
 今度は我が子も出て行った

               ~おしまい~

                         著作:紫草
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