「おかあさん、お願い。ちょっと来て」
小さな手に連れられて行ったのは、いつも遊んでいる公園でした。
しかし、いつもの公園は、春の公園に変身していました。
公園を囲むように植えられた桜の木々。
その桜の木が、満開に咲き誇っています。
何て、綺麗なんでしょう。
小さな手は、私を更に奥へと導きます。
「おかあさん、これ」
そこには、しかめっ面をした雪ちゃんの顔がありました。
そして雪ちゃんの指差す方を見ると、そこには折れかけた桜がありました。
誰かの手に掛かってしまったのでしょう。
その枝は、今にも落ちてしまいそうです。
「お願い、写真を撮ってあげて」
そう云う雪ちゃんの瞳は真剣です。
その枝は、まるで来年はないと知っているかのように、びっしりと花びらをつけ咲いていました。
「そうね。ちゃんと咲いているところを撮っておいてあげましょう」
私は、カメラのシャッターを押しました。
その音を聞いて安心したのか、雪ちゃんは、いつもの遊具へ突進してゆきました。
~おしまい~
小さな手に連れられて行ったのは、いつも遊んでいる公園でした。
しかし、いつもの公園は、春の公園に変身していました。
公園を囲むように植えられた桜の木々。
その桜の木が、満開に咲き誇っています。
何て、綺麗なんでしょう。
小さな手は、私を更に奥へと導きます。
「おかあさん、これ」
そこには、しかめっ面をした雪ちゃんの顔がありました。
そして雪ちゃんの指差す方を見ると、そこには折れかけた桜がありました。
誰かの手に掛かってしまったのでしょう。
その枝は、今にも落ちてしまいそうです。
「お願い、写真を撮ってあげて」
そう云う雪ちゃんの瞳は真剣です。
その枝は、まるで来年はないと知っているかのように、びっしりと花びらをつけ咲いていました。
「そうね。ちゃんと咲いているところを撮っておいてあげましょう」
私は、カメラのシャッターを押しました。
その音を聞いて安心したのか、雪ちゃんは、いつもの遊具へ突進してゆきました。
~おしまい~
写真は、小牧山での‘折れた枝’
しかなかったので、びっしりの部分でないのが残念です。