ご訪問ありがとうございます
月子のティーハウス
(moon child's tea house)
第 6 話 祈りの前に
秋の午後のティーハウス
(今日、訪ねて来る人はいない)
月子にはわかっているようだ
レモングラスとミントのハーブティーを月子は淹れた
口にすると鼻の奥に香りが広がった
髪を後ろに束ね、月子はレターBOXを取り出した
BOXの中には、オフホワイトの封筒・便箋・モンブラン万年筆
(マイスターシュテック)が入っている
インクカラーはブルーブラック
ティーハウスのテーブルの上で、月子は手紙を書き始めた
さらさらとした時間が流れる
手紙の途中でハーブティーを飲んだ
(トントン)
…月子は笑った
ハーブティが冷めた頃、月子は手紙を書き終え
もう一度文面を確認してから封筒に入れた
最後に封かんをして、パラフィン紙で手紙をラッピングした
小さな藤のバスケットを取り出し
清酒の小瓶と共に、月子は手紙を入れた
ご一読ありがとうございました