又遅くなってしまって バス停まで着くと
白黒のねこが きょとんと 定位置に座っていた
まだ帰る人達が 結構いたけれど 誰も気にしていなかった
私もとりあえず 近くの スーパーへ寄って
家の買い物と 猫の好きなものを買ってこようと
やっと買い物を済ませて バス停に行くと ≪あれ ねこちゃんいない≫
どちらにしても ひとつづつ袋に入ったカリカリ餌を 例の餌入れバケツにいれた
その中には いつもタクシーさんがあげる カリカリ餌が入っている
そうして 次のバスの時間まで ベンチに座っていると
又白黒ねこが ちょこんと やってきた
急いで 買い物袋から かまぼこを出して 適当に手でちぎって
出ていた皿に のせた
これが 残りのかまぼこだよ 全部は食べれないと思って ちぎらなかった
あとで全部 ちぎれば良かったと おもったけど。。。
ベンチで見ていると 白黒は そのまま去ってしまった
そこへ タクシーさんの運転手さんが来て 二人で
≪なんだ これは
≫ って話してるので
急いで そこまで行って ≪あの 私がかまぼこを入れたんですけど≫
≪餌をやってると 駅員に結構怒られるんで ≫ と
≪ああ すみません とって捨てましょうか
≫
≪いやいや いいよ あいつら又きてきっと食べるだろうよ≫
≪子供が二・三匹いるから 食わせるだろう≫
≪えぇっ そうなんですか
でもあの子って子供の方ですよね≫
≪いるよ 子供 二・三匹≫
≪へぇ
そうなんだ じゃあすみません≫
そう言って ベンチに戻って見てると
あっ 白黒が皿の所に行って かまぼこを加えて ロータリーの茂みに
あっ 持っていった
食べてくれるんだ
その時 バスが来たので 発車するまで見ていた
するとバスの横を 白ソックスのねこが どこから現れたのか
かまぼこを加えて 前に追いかけて写真を撮った方向へ
小走りで どんどん走って行った
私はやっと 全部の物語が 見えてきた
あの頃 白ソックスは お腹が大きかった気がした
そう言えば今日は すっきりというより痩せている 子猫を産んだんだ
あの白黒が かまぼこがあるよと 知らせたんだ
それで白ソックスが かまぼこを取りに来たんだ
きっと子猫に運んで行ったんだ
小走りで一生懸命に かまぼこを加えていった
私はおもわず 感動で涙が出そうになった
≪これは 前に撮った写真だよ お腹大きい時ね≫
できれば 追いかけた この草むらに
箱でも置いて 暖かい毛布を敷いてやりたいと 真剣に考えるくらいだった
一生懸命 一生懸命 かまぼこを加えて走る姿に感動で 胸がキュンとなった
それほど 白ソックスの親の愛情が 愛おしかった
古い写真ばかりでごめんなさい