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HAT秋の展示会

2009年01月10日 | 日記
HAT秋の展示会
発達科学部3回生 湯通堂 健


 2008年の11月、喫茶HATのほうでは初となる秋イベントを行いました。住民の方と学生が趣味の品(手芸作品、写真、絵など)を持ち寄り合う「HAT秋の展示会」です。

 そもそも、HAT神戸灘の浜という震災復興住宅は、かなりの大規模を誇るものの、その大きさ故に住民の方同士のつながりが持ちづらく、人間関係の面で希薄になってしまいがちであるという問題点が囁かれています。孤独感を募らせるだけではなく、生活のなかでもしもの事があっても誰にも気づいてもらえないかもしれない、という不安も確かに存在しています。
 
 もちろんLSAやSCSといった地域の見守りのシステムや、婦人喫茶や給食会、手芸サークルや書道サークルなど、盛んに住民の方同士の交流をもつ機会は企画されています。しかし、必ずしも外に積極的に出てくることのできる方ばかりではないし、つながりづくりを応援するには、住民の方の間に入っていくという視点も必要になってきます。喫茶HATでもその視点は大事にしてきました。

 しかし、普段の活動ではなかなかそこまで踏み込めている気がしませんでした。住民の方どうしでも、お互い「神大喫茶であの人の顔はよく見るけど、どんな人なのか知らないし話した事もないわ」という風なつながり以上には進めずにいました。

 そこで、あるメンバーが今回の展示会を発案しました。趣味の品を持ち寄り、それを通じてお茶会に来られている方どうしの相互理解を少しでも深めて欲しい、というのが目標です。学生も作品を用意し、住民の方と同じようにそれを展示しました。

 先述の通り、HATでは手芸サークルや書道サークルが盛んだったり、個人の趣味で刺繍や絵画等をされていたりと、お茶会もそうした作品とそれを自慢というか紹介しあう住民の方の笑顔で賑わいました。「○○さんは書道をやっておられると聞いていたけど、まさかここまで達筆とは・・・」というように、住民の方の意外な側面をたくさん知り合える良い機会となりました。学生も、空いた時間で作ったぬいぐるみや絵や、中には模型を持参してきたメンバーもおり、普段には見られない活気が溢れていました。

 また、趣味の作品というきっかけを通じて、普段は関わりのない方同士が熱く話し合っておられたり、普段は寡黙で孤立しがちな方が趣味の写真を持ってこられたためその方の周りに人だかりが出来たりと、つながり作りのきっかけとしては上々であったと自画自賛しています。

 反省点としては、このイベントで出来たつながりをもっと深く確かなものにするためのサポートがあまり出来ていないことや、初の試みであったからかお茶会の運営面で非常にバタバタしてしまったことなどが挙げられています。同じコンセプトで、再び展示会をやってみたいものです。

 とりあえずは、住民の方の普段以上の笑顔を見られたことを嬉しく思い、メンバー同士これからも頑張っていこうと決意しました。