嫁さんから降ってきた「イスを修理して」の指令です。
今、夫婦で座っているイスはぐらついています。
そうだねー、ぐらついているから組戻し修理するかね。と思っていたら....
「そのイスではなくて、別に2脚あるでしょ」って。
「両親が遊びにくるまでにイスを直してよ」と、もっともなことを指令された。(嫁の両親が遊びにやってくる)
そういえば、ダイニングテーブルのイスが2脚なくなっていることに今頃気が付いた。
ずっと前から、目の前からイスがなくなっていたので、すっかりその存在を忘れていた。
「で、直して欲しいイスってどこよ。」となる私です。
嫁さんが夏服用の段ボール箱をどかして、その奥からイスが登場です。
その姿にあんぐり口を開ける私です。
背もたれが取れてるじゃん。それって素人修理できるものなの?
というのが、4日ほど前のことでした。
うーん。どうしよう。こんなのリサイクルショップで中古買ったほうがいいんじゃね。と思うのですが、我が家のリビングに収まるような小さいサイズのダイニングテーブルとイスのセットって無いんですよね。
うーんうーん。なんとか修理するしかないなー。と、数日間は睡眠中も夢の中で悶々としてました。
その家具を昨日と今日の2日間かけてなんとか素人修理しました。それをブログに書きます。
今回のターゲットは、狭小住宅向けのダイニングテーブルとチェアーのセットです。
狭小住宅向けなので、このセット構成でないとイスがきれいに収まらないという代物なんです。
ちなみに、このセットは16年ほど前に、ヤフオクで100円程度で落札した中古品です。もちろん車で引取りに行ってます。
それまでは、嫁さんの両親が使い古した古いダイニングテーブルを、嫁入り道具として持参してきたテーブルでした。
最初に若年夫婦が入ったマンションはそのサイズで良かったのですが、今のウサギ小屋に引越したらテーブルが設置できなくなりました。
しばらくは折り畳みテーブルで生活していたのですが、そのうちにヤフオクで激安をゲットするからと落札して入手したものです。
ゲットしてから、シート地の張り替えをして今に至ります。
貧乏でジャンクなものを食らって栄養偏りデブ夫婦を16年支えてきて、あちこちにガタが来たということです。
尚、背もたれが折れているものは、嫁さんが踏み台にしようとイスを持ち出して、背もたれを持って引き倒したら折れたとのこと。
何故にイスの座席を持って持ち歩かないのかが私には理解できません。
背もたれをもって隣の部屋まで引いて行ったとのこと。そりゃー背もたれも折れるってば....
と、そんなこんなで可愛そうなイスを修理したのです。
2016年4月30日の作業
玄関前スペースにイスを4脚並べて作業です。
いきなり背もたれの折れたイスの写真です。
デザインで背もたれに繋がる軸部分が細くなっているのです。
もちろんそこに負荷がかかります。背もたれを持ってイスを引きずり回したら「ポッキリ」というわけです。
背もたれがどういう構造になっているのか、よく観察します。
うーむ。どうにもこうにも。
その他にも、イスの接合部分が外れかかっているところがあります。
外れかかっている部分は組戻しすればいいだけなので、どうでもいいのです。
問題は折れた背もたれをどうやって復元するかなんですよ。
とりあえず背もたれを分析です。
高さは68mmです。
板厚は底面が20mm、上面が13mmで、途中からデザインで傾斜が付けられてます。
折れている軸部分は、直径11.5mmです。
板自体は薄い板を張り合わせた合板で湾曲しています。
こりゃー、背もたれ板を自作するのは止めよう。
背もたれ板部分はそのまま流用して、折れた部分をどうにか復元することを考えます。
この折れたところをボンドで貼り付けたところで、背もたれをもってテーブルからイスをちょっと引いただけてボンドが剥がれると思います。イスってけっこうな重量があるのです。
となると、次の2案を考えます。
案1) シャフトを用いて連結する
金属のスペーサーのようなパイプを用意する。
折れている部分をバッサリ切り取り、軸と背もたれ部分に穴をあける。
その穴にパイプを差込接着剤で固定。
金属シャフトになるので強度はあるだろうが、ボンドの接点が2か所になるので、運用における引き抜き方面の力に耐えられるだろうか?
案2) 折れている軸の中に鉄筋を通す
折れている部分をボンド接着するが、強度を出すために心材として鉄筋のようなものを内部に通したい。
しかし、直径11.5mmの木材内部に鉄筋を通すことが、私の技術で可能なのか?
以上の2案を考えるが、どっちもどっちのような。
ともかく手元に材料がないので、ホームセンターで部材がそろった方の案を採用することにする。
私の考えでは、作業の難易度が低いのは案1なんです。
なので案1に使えそうな、シャフトになりそうなものを探すのですが、なにぶん地方都市のホームセンターです。11.5mm前後のパイプ素材、および流用できそうなものはありませんでした。
9mmとか、16mm、20mmならあるのにね。
となると、案2の鉄筋コースです。
鉄筋といえば、こいうのは釘がお手軽流用なんでしょうけど、木材がもろそうで釘を叩き込むと割れそうなのよね。
それよりは、細い木ネジがいいかと考えます。もちろん木ネジが通るガイド穴は先に開けてネジを通す前提です。
で、こんなのを見つけました。
ネジ4本なのに192円と高価なのに驚きです。
それに、これはベストてはないのです。
私のイメージは、ステンレス製で頭が鍋ネジで太さは3.5mm程度で長さ10cm程を探してました。
しかし、長さが10cm以上で細めのネジがこれしかないのです。俗にいう2X4用のコースレットねじくぎでもサイズがありませんでした。かなり渋々で購入です。
このネジを背もたれ板を貫通して軸に通してやろうと考えます。
背もたれ板にネジを乗せてイメージします。
この薄い2cmの板の中を68mmまっすぐガイド穴を通すことができるか?
そんなの素人の私ができるのか?と思うのですが、スバル弄りで腐った鉄で苦戦したノウハウでは、その程度のことはできるだろうと脳みそが訴えるのです。
で、ドリルでガイド穴を揉みこんでみました。
まずは背もたれ底面軸側です。軸センターに綺麗に穴開けましたよ。
背もたれ上面です。
背もたれ板の厚みセンターを抜いたのですが、デザインで板の片側が削られているため、このような位置に穴が開きました。
これはちょっとまずいかも?もうちょっと斜めに通せということだった?
で、まずいと思うところは、ネジの頭です。
この皿の淵部分が板からはみ出すと思います。きっと....
まぁー、それでも皿が収納される部分を適当に広げます。
背もたれ板にネジを通してイメージをいだきます。
次はフレーム側です。フレームの軸部分にガイド穴を通します。
フレームを分解する前に、フレームが自立している状態で作業します。
ここまでして、フレーム部分を再チェックです。
組み合わせ部分に木工用ボンドが入れられているみたいですが、そのボンドの効力はなくスポッと組み合わせが抜けます。
前足1本はほぞ穴からクラックが広がってます。
前足の梁板はボンドもされておらず、ゆるゆるはめ込みで化粧釘で1点固定されているだけです。
化粧釘だけなのでこの板はゆらゆら動きます。なんとなくですが遊び用に意図的にこういう1点釘止めのような気がします。
さくさくと外れる組み合わせ部分を外しました。ボンドがしっかり利いている箇所は無理に分解しません。
超古い2液エポキシ系ボンドを持ち出します。
スバル弄りようにキープしていたのですが、もう何年も経って期限なんてとっくに過ぎているので、この家具の修理で使うことにしました。
ボンドを塗りこんで組戻しします。
背もたれの上面から長いネジを締めこんで軸内部を通してフレームの軸と合体結合させます。
フレームが組みあがりました。
背もたれはがっちり修復できました。
で、気にしていたボルトの頭ですが....
やっぱり皿の淵が飛び出しました。
数日運用してみて背中に違和感を感じるようであれば、飛び出し部分をグラインダーで削ることにしましょう。
さて、合体した軸部分です。
この細い軸の中を長いボルトが通ってます。よくぞ通ったなーと自家自賛です。
さて、もう一脚のイスはと確認です。
背もたれはついているのですが、よーくみたらクラックがあります。
もしやと手でひっぱったら簡単に軸が折れた。いやいや、ボンドだな。
嫁さんが木工用ボンドで修復を数回しているみたいです。でもねー、ここをボンドで貼るだけじゃ強度ないのよねー。と実感できました。
ということで、またバラバラです。
そして同じく組戻しです。
残りの2脚は背もたれの折れはありません。
組み合わせが外れそうになっていて、それが起因してグラグラしているだけです。
ついては、組戻しするだけの作業となりました。
次はテーブルです。
テーブルは嫁からの修理指令はないのですが、私の意見ではグラついているのです。嫁にいわすと「こんなもの」とのことですが、あきらかに問題点ありと思ってます。それを対策します。
狭いウサギ小屋なのでテーブルを分解しないと部屋から出すことができません。
テーブルを横倒しにして確認です。
むむむ。足を固定するブラケットなんですが....
そのブラケットが梁に固定されているのですが、固定ネジが抜けかかってます。
梁板が合板でして、その合板に短い木ネジを立て込んでブラケット固定です。
木ネジのところで合板が引きさかれています。
そりゃー、こんな状態だとブラケット固定が実質できていませんので、テーブルがぐらついて当たり前ということです。
というより、この梁板が合板っていうのはどうなのよ。こういう板は2X4の薄い1枚板が定説なんじゃないの?
合板に引き抜く方向に力のかかる木ネジを打ち込んだら、引き抜き力が加わると合板が裂けるのは当たり前なんだと思うのよね。
設計が間違ってないかい?それともコストカットでこういう組立にしたのかい?と、つっこみたくなります。
ともかく剥がれた合板をボンドで接着です。
玄関前スペースは狭くてテーブルなんて置けませんので、屋上に担ぎ上げます。
クランプ(はたがね)を所有しているはずなのですが、倉庫のどこか奥底にしまいこんで発掘できず、スバル弄りで使うバイスプライヤーを無理やり使うことで固定しました。
ボンドが固定するまで作業できないので1日目の作業はこれて終了です。
2016年5月1日の作業
テーブルの脚固定ブラケットとネジの組み合わせを考えます。
オリジナルはM3.5の短いタッピングネジです。
M3.5の短いタッピング4本で足が固定されるブラケットを支えていたのかと考えるとどうかと思います。現にネジが抜けかけていたんですよ。
タッピングを打ち込むならもっと太いやつでないとダメでしょ。でも太いタッピングネジを2cm厚の合板に打ち込んだら合板が割れるということなのかな?
私の解決策としては、中途半端なタッピングネジではなく、ボルトナットで梁板を貫通して挟み込み固定しようと思います。
しかし、M3.5だと不安です。期待値はM6のボルトなのですが、ネジ穴距離が近すぎて板の強度がなくなりそうです。
どうしようかなーと、M4のボルトを持ち出しました。
M3.5のタッピングネジが通っていた穴だからねー、M4のボルトが通るわけ.....
ええっ、M4のボルトがそのまま通るのかよ。ってことで、M4x30mmの鍋頭ボルトを採用です。
このブラケットですが、M4のボルトを通すように設計されていると思います。
なのに、オリジナルはM3.5の短いタッピングネジで固定なんて....なんだかねー。
梁にボルトが通るように穴を通します。
さくさくってブラケットをボルトナットで固定しました。
上から見るとこういう感じです。
この方法だとボルトの頭が表面に見えるのですが、テーブル天板の下でそんなに目立つわけではないし、こっちの方が強度もあるし、ということでボルトが見えることは気にしないことにします。
できたら、ブロンズ色したボルトを使うと良いんでしょうけどねー。手元にあったボルトがこれだったのよ。
この後は、ダイニングに運び込んで脚を取り付けして完成です。
もちろんぐらつきはまったくありません。がっしりしたテーブルになりました。
次はイスです。
昨日にフレームまで組み立ててボンドが固定されるのを一晩放置プレーしています。
それに座板を固定して完成です。
シート生地も張り替えしてあげればよかったのですが、嫁が生地を準備していなかったので今回は見送ってます。
背もたれに通した鉄筋替わりのネジが、ちょっと自己主張しています。
もちろんイスとして、しっかりしています。ぐらつきもなくなりました。
これで2日間の家具修理完了です。
素人修理ですがなんとか達成できました。
以上、家具修理したことをブログに書きました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます