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『前車(ぜんしゃ)の轍(てつ)』
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「前車の覆轍は後車の戒め」から出た言葉。前を行った車の轍(わだち)の跡。転じて、前の人の失敗。また、後の人の戒めとなるような言動。
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主に、「前車の轍を踏む」として、前の人と同じ失敗をすることを表わす。
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類:●前轍を踏む●二の舞を演ずる
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<松下幸之助一日一話> PHP研究所編
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職責の自覚
お互いに欠点というものはたくさんあり、何もかも満点というわけにはいかない。だから、自分の足りないところは他の人に補ってもらわなければならないが、そのためには自分自身が自分の職責を強く自覚し、その職責に対して懸命に打ち込むという姿勢が大切である。仕事に熱心であれば、おのずから職責の自覚が高まるし、職責の自覚があれば、人はまた常に熱心である。そうした自覚、そうした熱意は多くの人の感応を呼び、協力も得られやすくなる。そういうことから、みずからの職責を自覚し、全身全霊を打ち込むという心がけだけは、お互いにおろそかにしたくないと思うのである。