奈良盆地の南西隅にある、當麻寺を訪れる。こう書いて「たいまでら」と読む。
最初は大麻に関係があるのかと思ったのだが違った。この地域を地盤としていた葛城氏系の當麻氏が氏寺としていたらしい。創建は720年で相当に古い。
この寺はいくつかの点で有名だ。
・中将姫伝説
・国宝が7点
・牡丹の多い庭園
まず中将姫伝説。関東に住む僕らには馴染みが薄いが、浄瑠璃、歌舞伎にも取り入れられており関西では人気の説話だ。その生涯は短くも長いのだが、資料館にあった漫画が分かり易い。
あのバスクリンも、当初は「中将湯」として売り出した。
今も4月14日には「お練り」と呼ばれる供養式が開かれ大人気だという。これは行って見なければ。
国宝の中では、創建時から東西そろって残っているのはここだけという三重の塔の東塔、西塔。高台に立っており、木々の中に聳え立つ姿はこの寺独特のものだろう。
寺にはいくつか坊があるが、中之坊がお勧め。ここは牡丹で有名なのだが、まだ時期には早い。それでも奥の院に行くと寒牡丹が咲いていた。
中之坊にはまた、中将姫誓願桜というものがある。岐阜の願成寺で中将姫が女性の病平癒を願って植えたものだと言われ、山桜より花弁が多く、天然記念物の指定を受けている。ここの桜は、そこから分けて貰ったものだ。
折口信夫もここに一時滞在していたようで、歌碑もあった。僕もここがユースホステルでもあった時代に宿泊した記憶がある。
當麻寺では、各坊毎に入山料として3百円から5百円を求められて鬱陶しい。それでも中之坊ぐらいは見ておきたい。
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