栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

「3歳勝ち馬評価」先週ぶんを4頭更新

2014-05-13 18:59:03 | POG

先ほど「望田潤の3歳勝ち馬評価」先週ぶんを4頭更新しました~

ドラゴンストリートの原稿を書いていてふと思い出したんですが、日曜の夜に「懐かしのヴィクトリアマイル」を語らいながら呑んでいて、しかし私も同級生もブロードストリートの名前がぜんぜん出てこない…

「ほらほら、あの、藤原英ご用達の血統やん、コジーンの肌の…」
「あ~あれやろ、藤田が乗っていつも3着の牝馬、もうここまで出てきてるんやけどなあ…」

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第19回NHKマイルC回顧~接戦でみせた奥深さ

2014-05-13 10:23:03 | 血統予想

東京11R NHKマイルC
◎10.ミッキーアイル
○18.ピークトラム
△8.サトノルパン
◎はこの世代のディープ産駒のPOGのイチオシで、もちろん配合はずっとほめてきた。まだ未完成で荒削りな部分を残したままで、東京マイルの大レースを一息に逃げ切るというのはたやすいことではないが、仮に自爆と圧勝が五分五分だとするならば、その五分五分の確率に賭けてみたいし、賭けてみる価値のある素晴らしい馬だ。○はチチカステナンゴ産駒らしい揉まれ弱さがあって、ひいらぎ賞や前走のように揉まれずフワッと先行したときのパフォーマンスはかなり高く、ここも大外から揉まれず気分よく走れれば通用していいし、馬券的な妙味はこれだろう。△は兄たち以上にナスキロ柔い体質で東京向きの斬れ味があり、まだトモが非力で突き抜けるまではどうかと思うが、ユタカならメリハリをつけて追い込めるだろうし、馬券圏内には差してきそうだ。

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勝ち時計1.33.2は2R前の準オープン湘南S(1.32.8)よりコンマ4秒遅く、ハイレベルとは言えなかった昨年(1.32.7)も湘南S(1.32.5)よりコンマ2秒遅い決着でしたが、いずれにしてもあまり評価できる時計とは言いがたく、だから6着入線までコンマ1秒内にひしめく大激戦に

ミッキーアイルの二の脚は今日も抜群で、運動神経が良くて動きが機敏で、最初の10完歩ぐらいで他馬より1馬身前に出てしまうので、「ああやっぱり速い…」とあそこで体感させてしまう効果は大きく、だからいつもこの馬は競られない

そもそも藤田という乗り役はヤンチャな暴走族では決してなくて、危ない運転をしたりマナー違反をしたり予定調和の展開(≒本人の逃げ)を乱したりすると怒鳴りつける小うるさいオッサンで(^ ^;)、だから大本命の逃げ馬に捨て身で競りかけるような真似はしないだろうし共存をはかるだろうと私は思ってました

まだ幼くて遊びながら走っているようなところは随所に見受けられ、妙なところで手前をコロコロ変えるのもデビュー時からあまり変わっておらず、今日も3角の入りのところでは逆手前で入ってて、そこからゴールまで4,5回手前を替えながら走っていました

そういう面も含め、走っている姿に“本気度”があまり感じられないのもデビュー当時から変わっていないのですが、コメント欄でファンさんも指摘されていたように、ゴールインしてからも後ろの馬に抜かれてはおらず、全くと言っていいほど減速してはいなかったのです

手前を何度も替えラチを頼りフラフラしながら、しかし後続がくればくるだけ同じ脚で伸びてゴールまで走りつづけたというこの内容は、多くの人が期待したスピード圧倒という勝ち方ではなかったけれど、この馬がまだ隠していた奥深さをかいま見せた勝ち方ではあったかなと

先のマイラーズCで、1人気のフィエロ(母ルビーがロックオブジブラルタルの全妹だからミッキーと3/4同血でもある)の連勝街道をストップさせたのは、シュタルケの前受けでついに覚醒した大器ワールドエースでした

ロックオブジブラルタル=ルビーの母系にもワールドエースの母系にもAlycidon=AcropolisとBe My Guestが入り、Burghclereに「Donatello+Hyperion」やTudor Minstrelを合わせているのは同じで、そして今日のミッキーの勝ち方はワールドエースとフィエロの叩き合いと重なるものがあり、接戦になって初めてそういう奥深さを、ハイインロー的な粘り腰を、抜かせない強さを見ることができたように思うのです

今日は中盤緩んだこともあって4番手以下は馬群が密集し、そこで外を回らされた馬にとっては厳しい展開になり、結果内枠の馬が上位独占ということになりました

ピークトラムは馬群を嫌がるところが見受けられるし、最初から内に入れることはノリも考えてなかったと思うので、ああいうコース取りになってしまったのは仕方ない面もあったかと…エイシンブルズアイやアドマイヤビジンなんかも外枠に泣いたクチでしょう

そして中だるみしたことで後続は60秒-33秒のラップで脚をタメてピュッと差す競馬になり、キングズオブサザンやロサギガンティアは中山1800mに向いたBold Ruler的忍者走法の機動力型というべきですが、そういうタイプの軽い差しがハマりやすい質のレースになった…というところもあったでしょう

今週のG1も東京マイルのヴィクトリアマイルですが、このレースも手の内を知り尽くした古牝馬が集うので予定調和のスローになりがちで、そうなるとヴィルシーナみたいな小脚のきく機動力型が勝ちきるケースも出てきます

だからキングズオブサザンもロサギガンティアも東京マイルで好走するにはスローの注文がつくと書いたのですが、藤田が譲ってもここまで緩むとは想像できなかったし、またキングズが揉まれる競馬でゴチャついたところを割って伸びてきたのにもまたビックリ(^ ^;)

タガノブルグはミスプロ的ナスキロ的に柔らかな体質なので、今日のように長い直線をタメて追い込む競馬が合っているようで、ヨハネスブルグはいい種牡馬ですがマイルの大レースを前で受けて勝ちきるような奥行きとか底力には少し欠けるというべき血統で、だから今日に関しては、勝ちにいった和田より後方でタメた皇成の乗り方が正解だったとは言えるかもですが、でも和田には和田の持ち味がありますから、あそこで行くのが和田ですから

ヨハネスブルグはStorm Cat≒Narrate2×3のニアリークロスで、タガノブルグは母もNorthern Dancer5×3なのでヨハネス産駒の配合としてはあまりほめられないと書いてきましたが、この場合はStorm Cat≒Narrate≒マルゼンスキーのトリプルニアリークロスと解すべき配合で、そのあたりはもうちょっと研究の余地ありかなと

たとえばNorthern Dancer4×4・6を持つキングカメハメハもNorthern Dancerクロスを持つ牝馬との配合はあまり成功しませんが、例外的にオープン級の活躍をみせたフィフスペトル(母Nijinsky3×3)とショウリュウムーン(母Northern Dancer4×5)とラブリーデイ(母Northern Dancer4×5)の3頭は、自身がNijinskyのクロスに累進しているという共通点があるのです

ちなみにヨハネスブルグ産駒の勝ち馬26頭のうち、母Northern Dancerクロスはタガノブルグ、イタリアンフェッテ、ウィットウォーター、カメット、タカラジェニファ、ペプチドスピカの6頭だけで、2勝以上をあげているのはタガノブルグだけ、そしてタガノブルグ(母父スペシャルウィーク)とウィットウォーターとカメット(ともに母父ダンスインザダーク)はNijinskyのクロス

いずれにしてもホウライアキコやフクノドリームの配合がヨハネスブルグの教科書だというのが私の考えで、そのあたりも含め各馬の配合については「血統クリニック」を読んでいただきたいです

ロサギガンティアは400~200mの脚は一番で、これぞBold Rulerという加速でしたが、大外をまわったぶんもあってゴール前ではもう減速してました

器用な小脚が使えるタイプだけにどこかで内に入れたかったところでしたが、しかし今さらそういうトリッキーな戦略を善臣に求めるべきではないでしょう(^ ^;)

ショウナンアチーヴは戸崎が完ぺきに乗ってましたが、パワー型のこの馬には馬場が高速すぎたという鋭さ負けで、やっぱりエアレーション馬場のほうがパフォーマンスが上がるタイプではあるかと

サトノルパンは行きたがるのでユタカなら後方一気でメリハリつけてくるとみていたんですが、意外にゲートをポンと出てガツンと引っかかってしまいましたね…

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