栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

オリジナルな強さ

2010-11-24 11:58:25 | 血統予想

■スタミナを試されたことはない
エイシンフラッシュは母がRed God≒Stay at Home4×5のニアリークロスを持つので脚捌きに無駄がなく、重厚な血統のイメージながら上がりの競馬にも対応できる反応の俊敏さがあるのが強みだが、だからといってスロー限定で強い馬というわけではないだろう
これまで真の持続力勝負を試されていないだけで、そういうレースだともっと強い可能性は、血統面からは十分ある

■サンデーとデインヒルが噛み合ったら…
ロンシャンの道悪を平気でこなしてしまうナカヤマフェスタの底力やパワーは、主に母のデインヒルを使った凄い相似配合がもたらしたものと考えられるが、これまでデインヒル的なパワーで走るようなタイプは日本の高速馬場では大成しにくかった
この馬の凄いところは、サンデー+サッカーボーイというステイゴールドの和風ステイヤーとしての柔らかさしなやかさと、デインヒルの相似配合という欧中距離馬としてのいかつさ頑健さという、ふつうはなかなか噛み合いにくい真逆の資質が、信じられないほど理想的に噛み合っていることにある
あれだけ秘めたるパワーがあるのに、走りは決してコチコチの力馬風ではなくて、柔らかくストライドを伸ばして東京でも斬れる脚を使えるのは東スポ杯やメトロポリタンをみれば明らかだ

■Blushing Groomのオールラウンドさ
ペルーサはベストは2000mかもしれないが、この馬はBlushing Groomのオールラウンドな能力の高さが主に表現された馬で、いろいろと柔軟性に富んだ血だけにそのへんはあまりピンポイントで決めつけないほうがいいだろう
Blushing Groomを引く名馬たち、たとえばテイエムオペラオーもマヤノトップガンもヤマニンゼファーも、そしてアグネスデジタル(牝系はBlushing Groomと同じ)も、かなり幅広い距離レンジで大きなレースを勝っているしレースぶりも変幻自在で、Blushing Groomにはそういう柔軟性がある

■サンデー×Lyphard×ハイインロー
ローズキングダムは、サンデー×Lyphardなのにハイインロー的スタミナがもう一つ弱く、ここ一番で前受けで頑張るレースができないのでG1に手が届かないというバラ一族の悲運を、キンカメを配することで(=ハイインローの女王Miesqueの力を借りることで)朝日杯を勝ち、前受けすれば中距離のG1も手が届くところにいるということもダービーや神戸新聞杯で証明してみせた
ナカヤマフェスタが凱旋門で男を上げたのも、キンシャサノキセキが悲願のG1制覇を成し遂げたのも、シンゲンやリトルアマポーラが復活したのも、一言でいえばみんな前受けで頑張ったからなのだ
ユタカが菊の敗戦を踏まえてここで前受けできるのかどうか、結果や着順よりそういう気概や決意を見せてくれるのか、今回はそこに一番注目している
ペルーサも母父がバブルガムフェローの半兄で本来は前受けの馬だと書いてきたから、あの秋天の凄い脚をみても、やっぱり出遅れ癖はこの馬にとって致命傷になりかねないという危惧は持ち続けている

■相似配合なのにイイトコドリ
ヴィクトワールピサとブエナビスタは走った両親の相似配合で、基本的には高いレベルでの現状維持をめざした配合といえるのだが、スペシャルウィークもビワハイジもG1馬だが美点と欠点がハッキリしていて完全無欠のチャンピオンという馬ではなかった
ブエナの場合は、父の伸びのある体型とストライド、母の俊敏な小脚、この両親の美点がこれまた理想的な形で噛み合っていて、それはCaerleonが主に表出したことで噛み合ったという気もするが、結果的に両親の欠点をほとんど補ってしまえているのがやっぱり凄い
だからこの馬は、もちろん東京の中距離が最強には違いないが、たとえば中山で好位差しというリクエストにも難なく応えることができる

ナカヤマフェスタにしてもブエナビスタにしてもペルーサにしても、キャラの異なる父母の長所が理想的な形で噛み合って表出していて、その馬だけのオリジナルな強さや魅力に溢れているのが本当に素晴らしいですねと、JCの予想なんかよりそういうことばっかり書きたくなってしまいます(^ ^;)

JC出走予定馬の血統表はここで
http://race.netkeiba.com/?pid=race&id=c201005050810

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もうお腹いっぱい

2010-11-23 21:36:31 | POG

銀閣寺に行った帰りに近くの燻房「SILVER SPOON 銀の匙」で買ってきた自家製のスモークチーズとベーコンが絶品で、スモークチーズを買うだけのために再訪したほどです(^ ^;)
薫製特有の香ばしさがたまらんです
普通のプロセスチーズみたいなのはまったく食べられない人が、「美味しい美味しい」とパクパク食べてました
ちなみにSilver Spoonはサンタアニタダービー馬でコインドシルバーの母母です(^ ^;)

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JCの原稿の下準備で日本馬の前走と血統表をザッと見直してたんですが、しかし本当に今年は揃いも揃ったというか、「なるほどなあ…この血がこういうふうに表現されてるから、こういう体型でこういうフォームで、こういうふうに大きく速く走れるんやなあ…」と、レースをみても血統表をみてもウットリの連続でもう満腹です(^ ^;)

けっきょく俺って単純に、素晴らしい馬の走る姿や血統表をみているのが好きなんやなあ~と、こういうレースの予想をしているとそう実感しますね~

やっぱりサラブレッドは芸術です…ということで

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毎週2歳戦勝ち馬の評価を書いていますが、このところ「父譲りの柔らかさと無駄のない脚捌きを受け継ぎ…」と、ディープインパクト産駒が勝つたびに同じことを繰り返し書かざるをえない状況で(^ ^;)、しかしこれだけ高確率でHalo≒Sir Ivorをバンバン伝えまくってくるとはさすがに思わなかったし、今でも毎週驚いてばかりです

母がエアトゥーレだろうがエリモエクセルだろうがシルクプリマドンナだろうが、走っている姿を一目みれば「お、これディープ産駒やな」とわかってしまうほど、フォームや走法の遺伝力の強さを痛感する今日この頃

脚捌きに無駄がなくて、柔らかいのに素早く動けて、軽い芝を手先で引っかけてサクサクッと走るには理想的な走り方なんですよね~

それにしても毎週毎週、Halo≒Sir Ivor的なこざかしい差し切りを見せつけられると、こっちはこっちでもうお腹いっぱいというか、その昔尾林さんと「打倒サンデー」を合い言葉に燃えていた、あの反骨心に近い感情すら湧いてきますな(^ ^;)

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NETKEIBA「プレミアサービス」「競馬総合チャンネル」では、「POGレース分析」と題して新馬未勝利戦勝ち馬の血統解説と評価をしています
今週(木曜公開)の一部を抜粋します

●サトノオー(牡)
父ディープインパクト、母エアトゥーレ(その父トニービン)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102789/
11/21東京・新馬(芝1400m良)1分23秒0(7馬身)
 アルティマトゥーレ、キャプテントゥーレの3/4弟で、こちらはLyphard4×3のクロス。Fair Trial的な俊敏さ前向きさで走っているのは兄姉と同じですが、ディープ産駒らしく体の柔らかさは兄姉以上で、こちらは東京でも追って味がありますね。1800mベスト。
A:芝ダ1600~2000

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JCに出てくるジャンポケ産駒とその配合

2010-11-23 13:28:57 | 配合論

「東京向き」と言われる脚質には主に二種類あると思うわけですが、一つはアクションが大きかったり脚や胴が長かったりという一完歩の大きさの問題で、もう一つは加速するのに時間がかかるが長くそれを持続できるというスピードの乗り方の問題

たとえばトニービンやキンカメの産駒なんかはストライド自体は特別に大きいというわけではないのですが、トップスピードを長く持続できるから東京が向くわけで、それはやっぱりHyperion的な側面というべきでしょう

ジャングルポケットの場合は体型的にも胴長でしたが、4・6・6×6・6・7・7・7・8というHyperion血量を誇り、ナタの斬れを長く持続できるのが最大のセールスポイントでした

産駒も勝ったG1が菊と春天とエリ女ですから、父の長所を受け継いだトップクラスはやっぱりストレッチランナーに出ています

Hyperionで固めたジャンポケに米血をもってきたという点ではオウケンブルースリもジャガーメイルも同じですが、オウケンの場合は母がNorthern DancerとGold Diggerのクロスで、Deputy MinisterやRibotなどアクの強い血も入り、体型なんかはジャンポケよりデピュティが強い感じがするし、馬のタイプとしてもDeputy MinisterをベースにHyperion的な粘りとGold Digger的な柔らかさ(ミスプロが柔らかいのはThe Tetrarch5×6のGold Diggerが柔らかいからなのです)が加わったようなイメージで、血統や体つきは力馬っぽくみえても走るとストライドがきれいに伸びるので東京や京都外でもズバッと斬れます
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2005102548/

Deputy MinisterはBunty Lawless5×3でLadder≒Parade Girl6×4・5で、このカナダのFair Play系の独特の力強さ(Man o'War系に通じるような)を伝えてNorthern Dancer系の大きな枝の一つになりましたが、このいかつさを日本の高速芝で開花させるには、アパパネやアドマイヤジュピタやエイシンデピュティやレジネッタやピンクカメオやサンアディユやメイショウベルーガのようにナスキロクロスで柔らかみを補う必要があり(スリープレスナイトはスプリントなのでパワーごり押しでOK)、オウケンの場合はそれをGold Diggerのクロスで補っているといえるでしょう

もしGold Diggerのクロスがなかったら、Hyperion的な硬さやRibot的な前駆がもっと遺伝して、もっとピッチ走法の力馬になったと思いますよ

ジャガーメイルは母母父がノーザンテーストなのでHyperionクロスもしっかり継続されていますが、同時にサンデーの柔無駄なさやナイスランディングのTurn-to≒Perfume2×2を取り入れることでズブく硬くならないようバランスを取っています
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2004107116/

トールポピーの母母はTom Fool4×3で、トーセンキャプテンの母母はCaerleon×Mill Reefのナスキロラトロ的ニックスで、こういう軽さや柔さを補う仕掛けを母母のところでしないと、母父サンデーだけではHyperionの剛性に負けてしまうのかもしれません

ヒカルカザブエやアヴェンティーノなんかはそこの仕掛けが弱かったので、あくまで父のHyperionらしさのみで、粘りや頑張りだけで走っているというべきでしょう

そう考えるとアプリコットフィズも、母のHalo≒Boldnesianだけではちょっと仕掛けが足りなかった…という部分はあるのかもですね~

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血統クリニック~東スポ杯2歳S

2010-11-23 08:11:56 | 血統予想

競馬総合チャンネル「血統クリニック」ではメインレースの出走予定馬の血統解説をしています(毎週木曜更新)。東スポ杯はこんな感じでした…

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◆緊張と緩和の妙配合
 イイデタイガーの母シャンハイレディはRiverman≒Mill Reef3×3、Never Bend≒Bold Reason4・5×4・4というもの凄い配合。ステイゴールドはNever Bendを持つ牝馬と相性が良く、ナカヤマフェスタ,アルコセニョーラ,コスモプラチナ,ソリッドプラチナム,トウショウウェイヴなどの母がNever Bendを持っている。しかもステイゴールドは強いクロスを持たないのでこういうクロスのうるさい牝馬との配合も合っており、この配合の緊張と緩和の妙で思わぬ大物誕生という期待も持てる馬だ。勝てばアッサリとみて単勝を買いたい。

◆東京1800mで更に斬れる
 サダムパテックはフジキセキにSeattle SlewでBold RulerとPrincequilloのクロスらしい柔らかな身のこなし。「サンデー×ミスプロ×War Admiral×La Troienne」のA級配合形でもある。距離延長も直線が長くなるのもプラスで、東京1800mならもっとパフォーマンスは上がるだろう。軸ならこれかも。

◆奥のある「マンカフェ黄金配合」
 アッパーイーストはココナッツパンチの全弟で、メイショウクオリア、ベストメンバー、ヒルノダムール、サンディゴシチーなど活躍馬続出の「マンカフェ×Blushing Groom」の黄金配合。前走は辛勝だが遊びながらのもので奥深さは十分感じられた。母ココパシオンはシェーヌ賞(仏G3・芝1600m)勝ち馬で、兄より母のマイラーっぽさが出た体型なのでこの1800mがベストだろう。
 ビップセレブアイは粒ぞろいだった新馬戦を快勝。ゼンノロブロイ産駒で母父Blushing Groom系といえばペルーサと同じで、母系にRivermanが入るのはアグネスワルツと同じ。俊敏自在な差し脚でここも上位を狙う。
 フェイトフルウォーはステイゴールド×メジロマックイーンだからドリームジャーニーと同じ配合で、サトノペガサスを寄せ付けなかった勝ちっぷりも良かった。マークは必要。
 ダコールは母がUnbridled's Songの全妹で、そこにディープインパクト。配合は可もなく不可もなくだが、競馬センスがいいし距離延長にも不安はない。
 マイネルラクリマはチーフベアハート産駒でSecretariat≒Sir Gaylord4×6、そして母母がHyperion5・6×5・5・6・8だから配合はまとまっている。距離はこれぐらいあったほうがいいし実績を無視できないが、もう少し動きに俊敏さがあればといったところ。
 トーセンケイトゥーはダノンムローの半弟。母はニュージーランド1000ギニー勝ち馬で、Never Bend≒Bold Reason5×3。そこへハーツクライでHail to Reasonをクロスし、パワーで先行する1800mタイプに出た。
 サトノペガサスは母母ロゼカラーでおなじみのバラ一族。Lyphard4×4・4のクロスなので斬れというより粘りで走るタイプだからどちらかというと東京より中山向きで、距離ももう1Fあったほうがベターか。
 リフトザウイングスはレインダンスの甥。この牝系はRobertoが入るので捲り脚質になりやすいが、この馬も前走の3角からの捲りはハーツクライ+Robertoというイメージで、どちらかというと小回り向きの脚質といえる。

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まだまだ主役不在か

2010-11-22 14:21:12 | 血統予想

京都11R マイルCS
◎6.ジョーカプチーノ
○8.ダノンヨーヨー
▲16.サプレザ
△15.ゴールスキー
×3.ライブコンサート
×17.キンシャサノキセキ
注7.ショウワモダン
注10.マイネルファルケ
◎はレッドディザイア、ガルボ、テイエムオーロラなどと同じ「マンカフェ×カーリアン」の黄金配合。母系の奥に柔らかなナスルーラ血脈が入るので、柔らかなストライドで走るが少し後肢が非力で、平坦芝良の1600m以下では(2.0.1.0)、負けたのが一年半ぶりのスワンS3着だけだからまだ底を見せていない。1400mがベストという気もするが、京都もCコースになって先週よりは時計も上がりも速くなったし、この馬場ならマイルでも惰性で流れ込めるだけのスピードがある。レッドスパーダに影も踏ませなかったNHKマイルだけ走ればいけるメンバーだ。

東京9R からまつ賞
◎1.チェリービスティー
○9.コスモソーンパーク
△3.ポピュラーストック
×7.フォーエバーマーク
バクシンオーにヘイローやミスプロをいくら入れても、プリンスリーギフトやナスルーラをいくらクロスしても、父以上に速くなることはなく(速くなったら大変だが)、柔らかくなって動きが却って緩慢になることも多いので、グランプリボスのように1400mベストになりがちだ。ここに出てくるバクシンオーもそんなタイプだろうが、スローの上がりの速い競馬想定だと◎のほうが鋭さ俊敏さで上とみたい。

福島12R 伊達特別
◎4.シルクスチュアート
○12.エバーシャイニング
▲11.スプリングアルタ
△5.キングウェールズ
△13.ドミネーター
×10.バウンシングライト
×16.テイエムシバスキー
注1.キンセイポラリス
注9.エーブチェアマン
◎を再度狙う。前走は道悪を気にしていたとの陣営のコメント。ゼンノロブロイ産駒の成功パターンを踏襲した配合で、ヴァンダライズに東京で1馬身先着だから1000万でも通用する裏付けはある。相手もゼンノロブロイ産駒の○で、こちらは「サンデー×リファール×ハイインロー」だから前受けで渋い血統で、紫苑Sは位置取りが後ろすぎた。吉田隼で未勝利勝ちのような好位付けなら圏内は堅い。マイヨールの逃げなのでヒモ選びは持続力重視で。

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「非力なダンツホウテイがあれだけ斬れるということは、京都Cコースはほぼノーマルな良馬場と考えていいだろう」と土曜に書いたのですが、それに加えてジョーカプチーノがもの凄いラップで引っ張ったので、先々週までのBコースでは考えられないようなレコード決着に

1000m通過56.7はここ10年では最速で、これに次ぐのがアグネスデジタルが勝った年の56.9とハットトリックが勝った年の57.1で、どちらも大外一気の追い込みが決まってます(最速はタイキシャトルとキョウエイマーチで決まった97年の56.5かな?)

だからダノンヨーヨーやサプレザの位置取りで正解だったわけで、しかも道中サプレザをダノンが前にみる形になったので、よっしゃ2頭で差し比べやりまひょか~という意識が乗り役に働いたのはやむをえないし、それで2頭とも最後きてるわけですからミスとまではいえないのですが、時計も上がりも速くなってインもあまり掘れなくなったCコースにおいて、人気馬がみんな外に意識がいくとこういう結末にもなってしまうわけですね~

外枠なのにゲート出て2F目にはもう内に潜り込んでいたエーシンフォワードと、ずっと外を回り続けた2~4着馬との差は、思いのほか大きかったということでしょう

パドックでは昨年比+18キロのサプレザが良く見えて、なるほど今年のほうが強くなっているのかコンディションがいいのか、いずれにしても去年よりはパフォーマンス上げてきそうやなあ~と思ってたんですが、そのサプレザに僅差ですが先着したわけですから、ダノンもゴールスキーも「マイル路線に新星登場」という期待に対して、まあ合格点は出せる内容だったと思います

でもやっぱり、岩田のファインプレーがあったにしても、カンパニーならエーシンフォワードを何とか差していたような気もしますが…

ダノンヨーヨーは母がフォーティナイナーのスピードを強力に増幅していてこちらの資質で走るマイラーですが、自身が持つRibotのクロスが功罪相半ばしている感じで、凄いパワーがあるからマイルの流れのなかでグイグイッと抜きん出た加速ができるんですが、胸前が立派すぎてちょっと重心が高めでストライドが伸びきらないところがあって(それもRibotらしさTom Rolfeらしさといえばそうなんですが)、だからグイグイッと加速した後に惰性で斬れるような感じがあまりなくて、今日も直線入り口から半ばまでのサプレザを内から一気に抜き去ったあの加速は凄いんですが、そこからの惰性の斬れは明らかにサプレザのほうが優っていて、ゴール前はあと一完歩でサプレザに交わされるところでした
日本のマイルG1は春も秋も直線が長いので、そこがこの馬の唯一の弱点かもしれないですね~

ゴールスキーはNureyevのナタ斬れでドーンドーンと差してくるんですが、やっぱりネオユニ産駒だけに一流のマイラーとしてはちょっと動きが緩慢で、いつも上がりの数字は凄いんですが肉眼でみると一瞬回りが止まって見えるようなビュンッと斬れる脚は使ってなくて、長くいい脚をドーンドーンと使い続けている感じで、斬れ方としてはヒシアマゾン的といえばいいのかな? この馬は1600mより1800mが、京都より東京がベターな感じはしますが、軽い1800m戦をこざかしく勝つタイプでもないんでしょうねえ…

エーシンフォワードはSecretariat≒Speedwell4×5で、母がStop the MusicとRed Godを通じるRoyal Charger≒NasrullahとTom Fool≒Spring RunのクロスでこれもStorm Catの母と脈絡しますから、ようするにStorm Catの米血スピードをあちこちで増幅した配合になっています
母父のCure the Blues~Stop the Musicという父系が妙な力馬っぽさがあって芝の大物をあまり出さない血で、この馬にもそういう面は伝わっていて、だから「東京良では斬れ負けがあるので過信できない」と京王杯SCのときにも書きました

実際のこの馬は、直線長いコースで上がり11秒台が連続するような斬れ決着だと、
スワンS8着(上がり11.6-11.5)
京王杯SC4着(10.9-11.9)
東京新聞杯3着(11.2-11.7)
と詰めの甘いところをみせており、京都外マイルでもまた斬れ負けだろうとタカをくくっていたのですが、この上がり(11.9-12.1)で巧く立ち回れば間に合ったわけですね…

字面の血統は淡泊な米血スピード型ですが、そういう半分力馬っぽいキャラからすると、上がりのかかる持続戦のほうが向いていたということですか

まあでもこの馬に京都外マイルG1を勝たせるのは、ブラックホークに東京マイルG1を勝たせるぐらいの凄いファインプレーだと思うなあ~(^ ^;)

もちろん勝ち馬は讃えなければなりませんが、ショウワモダンやエーシンフォワードが粘っこさと立ち回りの巧さで勝ちきってしまうということは、やっぱりまだまだ主役不在の状態には違いない…のではと

エーシンフォワードの芝マイラーとしての弱点は、何を隠そうCure the Bluesである
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/2bbd0bef833ec5a786520f6b633a6365

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日曜のボツ予想

2010-11-21 11:07:06 | 血統予想

土曜の祇園花見小路通り
今の時期は特に観光客で賑わいます(湯豆腐の店とかに行列できてるやん…)
オッサンたちは新聞を片手に、その行列をかき分けるようにウインズへ(^ ^;)
今日は競馬場に出向きますが、いい天気っす♪

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福島2歳は人気ですが、距離短縮と相手弱化で◎スギノエンデバーでいいんじゃないですかね~
前のエントリで書いたように、母系がブライアンズタイムのパワー型で、こういうバクシンオー産駒は1400mより1200mがベターになることが多いのです
相手は2,5,14,16に絞って…

嵯峨野特別は難解…
◎トウカイオーロラはトウカイカムカムの全弟で、上にはオープン馬が3頭と、このトウカイパステルはなかなか隠れ名繁殖なのです
トウカイテイオーにサンデー×マルゼンの米血をもってきたオーソドックスな成功パターンで、まだ上をめざせる3歳となれば、休み明けなのでパドックを確認してからですが思い切ってここから狙う手はあるのではないか…と

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バクシンオーとノーザンテーストと「Hyperion+Tracery」

2010-11-21 00:16:37 | 配合論

「バクシンオーにヘイローやミスプロをいくら入れても、プリンスリーギフトやナスルーラをいくらクロスしても、父以上に速くなることはなく(速くなったら大変だが)、柔らかくなって動きが却って緩慢になることも多いので、グランプリボスのように1400mベストになりがちだ」と、からまつ賞の予想コメントで書いたのですが、福島2歳に出てくるスギノエンデバーなんて母はブライアンズタイム産駒でRibotとNashuaのクロスですからハッキリ力馬で、こういうパワーの血をもってきたほうがスプリンターにはなりやすいです

一流のスプリンターは俊敏さだけでなくパワーや頑健さも兼備しているもので、バクシンオーの持つ最も頑健な血はノーザンテーストですから、バクシンオーのスプリント能力を引き出すためには、テーストの頑健さを引き出す配合をして、ちょっと体質が硬いぐらいに出す必要があるのです

テーストのLady Angela3×2に対して、Hyperion+TraceryのAlibhaiをもってきたのがシーイズトウショウ(ソシアルバターフライのクロス)やダッシャーゴーゴー(Flower Bowl)で、カノヤザクラは牝祖Run HoneyがHyperion×Papyrusの組み合わせ

またショウナンカンプ(ベンマーシャルの母Belladonna)やシーイズトウショウ(ニゾンの牝祖Queen of Light)はHyperion+Donatelloの組み合わせを母系に持っていますが、これはつまりHyperion+Swynford+Desmond+Pretty Pollyの組み合わせでLady Angelaと脈絡するわけです

しかもショウナンカンプとシーイズトウショウは、テーストにNijinskyを合わせることでNorthern Dancerと「Sir Gallahad+Sunstar+Domino」を押さえてもいるわけで、私がよくいうバクシンオー黄金配合=Nijinskyと頑健なHyperionをもってくるというのは、けっきょくノーザンテースト的な頑健さをいかに表現し表出するかということなのです

カノヤザクラやダッシャーゴーゴーやサンダルフォンがミスプロが入るのにグニャグニャにならなかったのも(サンダルフォンはちょっと柔すぎるんですが)、Run HoneyやAlibhaiの「Hyperion+Tracey」がLady Angelaと脈絡していたからで、テーストの力馬的側面を表出させるような仕掛けはいろいろと施されているのです

そういえばオセアニア短距離界を支配しつづけたStar KingdomもHyperionとPapyrusの組み合わせで、やはりスプリント能力に必要なのはNasrullah的Mumtaz Mahal的The Tetrarch柔さのスピードよりも、長く無酸素運動を続けられる頑健さなのだ…ということが実感できます

グランプリボスも母系の奥にAlibhaiは持ってるんですが、サンデーやボルキロの柔さのほうがONになっているので、一流のスプリンターというには動きが速くないんですよね~

ついでに母系にStar Kingdomを引くバクシンオー産駒を調べてみたら、大物こそいませんがクズが少なくて(中央出走12頭中9頭が勝ち上がり7頭が2勝以上)、ナムラビッグタイムもこの配合です

予想に追われているときに限って、なぜかこういう脱線話を書きたくなってしまうんですが(^ ^;)、極論をいうとバクシンオー×サンデーは東京1400m向きに、バクシンオー×ブライアンズタイムは中山1200mになりやすいのだ…ということで、眠たい授業は終了です~

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京都Cコースはダンツホウテイが斬れる「普通の良馬場」

2010-11-20 19:38:31 | 血統予想

(11/7八坂Sのパドックを友人と見ながら)
も「ダンツホウテイのケツ後ろから見てみ、肉ないやろ?踏み込み弱いやろ?あ~いうのを“トモが甘い”いうねん」
友「おお、そやから京都のほうが走るんやな~」

しかしこのときはご存じのように良発表でも内がジュクジュクして荒れた馬場で、内を突いて伸びあぐんだ(5着)ダンツホウテイの藤田も「完璧に乗れたけど馬場が緩くて…パンパンの良なら…」とボヤいてました

今日の修学院特別の時計は1.33.3、B→Cになったせいか他にも何か外的要因があるのか、いずれにしても「普通の京都の良馬場」に近い馬場だったことは、京都の良が一番斬れる非力なダンツホウテイがいつも通りに斬れたことで推測できます(Sir Gaylord絡みのナスキロクロスにこういうトモ甘ってよくいますよ)

今日の特別3鞍の時計や上がりをみても、ここ2週よりは時計一つ近く速くなったという感じですね~

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シャンハイの娘と、1800mを仲良く走ってくるはずが…

2010-11-20 19:13:00 | 血統予想

東京11R 東京スポーツ杯2歳S
◎10.イイデタイガー
○2.サダムパテック
▲11.アッパーイースト
△16.ビップセレブアイ
×7.トーセンケイトゥー
×12.ダコール
注1.マイネルラクリマ
注6.フェイトフルウォー
◎の母はリヴァーマン≒ミルリーフ3×3、ネヴァーベンド≒ボールドリーズン4・5×4・4という凄い配合。ステイゴールドはネヴァーベンドを持つ牝馬と相性が良く、ナカヤマフェスタやアルコセニョーラやコスモプラチナなどの母もネヴァーベンドを持っている。しかもステイゴールドは強いクロスを持たないのでこういうクロスのうるさい牝馬との配合も合っており、この配合の緊張と緩和の妙で思わぬ大物誕生という期待も持てる馬だ。勝てばアッサリとみて単勝を買いたい。ナスキロ的な斬れで差す○は東京1800mならもっとパフォーマンスは上がるだろうし、遊びながら勝った▲もココナッツパンチの全弟で、「マンカフェ×ブラッシンググルーム」の黄金配合だけに奥がありそうだ。この3頭が上位とみた。

福島11R 福島記念
◎1.ナムラクレセント
○11.ディアアレトゥーサ
▲12.サニーサンデー
△2.トウショウシロッコ
△8.アルコセニョーラ
×15.シルクネクサス
×16.ホワイトピルグリム
注4.メイショウクオリア
◎は母が強力な相似配合でここから独特の柔らかさを受けているが、体型そのものは父系のアリダーが強いというややこしい馬。外回りを差す競馬でも内回りを捲る競馬でもオープン級だが、ピンポイントの得意な条件がないのでなかなか重賞を勝てないでいる。しかしダラッとした捲りのきく福島2000mというのは最もピンポイントに近い舞台のはずで、中団あたりで折り合えれば内からでも外からでも捲っていけるし、念願の初重賞制覇があるならここではないかと。コスモネモシンが52キロで食い下がった先週のアンドロメダをモノサシにすれば、○の51キロは十分勝ち負け圏内の計算。

東京10R 奥多摩S
◎15.サングレアズール
○6.アンシェルブルー
▲18.ラドラーダ
△1.シセイカグヤ
△14.ツルマルジュピター
×3.キタノリューオー
×5.エーシンビーセルズ
注2.ユキノハリケーン
注10.ゴールドアグリ
▲は準オープンにいる馬ではないのだが、この枠だとまた外を回らされる心配が少しある。前走をみると1400mがピッタリの◎と、近走をみると1400mのほうが息が入ってもうひと脚使えそうな○がハンデ込みで面白い。どちらも配合もまずまず良い。この◎○▲で買いたい。

京都7R 2歳500万下
◎9.ゼフィランサス
○5.アルティシムス
▲13.シークレットベース
△12.バラードソング
×4.エイシンオスマン
×7.オウエイバスター
注6.キミニアエタキセキ
注8.ミューオン
◎はローレルゲレイロと父と母母が同じ3/4同血の「キングヘイロー黄金配合」。こちらのほうが体型に伸びがあって1400mのほうがレースはしやすそうだ。芝で上積みがありそうな血統の▲を穴でマーク。

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土曜は○が3勝…
どれも「軸の思想でいくならこっちかなあ~」とは思ったんですが、でもイイデタイガーやナムラクレセントの単勝を買ってみたくなったんですよね(^ ^;)

サダムパテックは「フジキセキにSeattle SlewでBold RulerとPrincequilloのクロスらしい柔らかな身のこなし。サンデー×ミスプロ×War Admiral×La TroienneのA級配合形でもあり、柔らかさを支えるパワーもしっかりした配合です。斬れ味はなかなかのもので、直線長いコースがベターの長めマイラー。スローの外1800mで最も斬れるでしょう」と前走勝ち時に書いたように、東京1800mでパフォーマンスが上がるのはわかりきってましたが、それにしても斬れました

リーチザクラウンと血脈構成や配合形がよく似ていて、広コース向きのストライド走法も似ていますが、父がフジキセキのぶん、こっちのほうが反応はややマイラーっぽい…というイメージでいいでしょう

今日はノン急坂の広いコースの1800mの実質スローで鞍上がフランスの達人という、条件揃いまくり状態で、たしかに斬れ味は抜きん出ていましたが、今日の内容がほぼベストパフォーマンスに近いところではあると思いますよ~

イイデタイガーはナカヤマフェスタともドリームジャーニーともまた違う、何とも雰囲気のある馬で、しかしステイゴールドって面白い種牡馬やなあ~と感心してパドックをみていました

大事に至らなければ…と心配していたんですが、帰ってJRAの発表を見ると…残念です

この馬の能力を証明する機会はもうありませんが、あんなにNever Bendがいっぱい入ってるのに、あんなにしなやかな馬は見たことがないと、それだけは記しておきたいです

画像の馬券は、まあ勝った馬がノーマークですから別にかすってもいないんですが、まあ1000万馬券の半径3メートルぐらいにはいたかなあ…と(^ ^;)

私は種牡馬テレグノシスをちょっと評価していて、祖母メッシーナの米血スピードを増幅すれば走る仔が出るのではないかと書いてきたし、そういう配合をしているマイネイサベルもほめてきたし、だからこの馬のメッシーナ≒Sir Ivorをはじめとするニアリークロスには喜んで食い付きました(^ ^;)

ゼフィランサスはなかなか返し馬に出てこないなあ~と気を揉んでいたら急きょの乗り替わりで、あんなに外を回さなければ、◎▲のワイドでもアホみたいについたんですがねえ…

テレグノシスって(2)
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/39bf1f1dfb72458a09443b59759a74f8

コメント (2)
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土曜のボツ予想など

2010-11-20 11:47:02 | 血統予想

さっきの京都3Rをみた限りでは、Cコースになって先週よりは時計や上がりが速くなりそうな感じはあります。外回りのレースをよく見てみたいですが…

衣笠特別には私がPOG関連の原稿でピックアップしたアドマイヤテンバとニシノメルモが出てきますが、アドマイヤはどちらかというと小回り向きのパワー加速で走るマイラーで(Vice Regent≒ノーザンテーストとBlue Moon≒Nothirdchance)、外1800mなら前走で突然差す競馬をマスターしたメルモちゃんから(^ ^;)
まあ伸び始めたのは直線バラけて外に馬がいなくなってからで、まだ揉まれる競馬大丈夫と太鼓判を押すところまではいかないのですが、この頭数ならまた差しに回ってもどこかで外に出せるのではないかと…
スペシャルウィークにNorthern Dancerとナスキロとハイインローを入れた成功パターンの配合で、まだ上にいける馬だとは思います

今日の勝負は東京10,11と福島記念かなあ…

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