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絵本の楽屋   by 夏野いばら

「いしゃがよい」 さくら せかい:作 福音館書店

繰り返しという平安 

この表紙がもう、すべてを物語ってしまっています。登場人物は、たったの、ふたり。というか、一人の男と一匹のパンダ。ふたりが、医者通いをする。それだけの話です。

それだけなのに、心にしみるのは、繰り返し歌われる歌があるから。リズミカルで、どこか、すっとぼけた歌の中に、ふたりの今と、歴史と未来が、ギュッと、つまっています。

繰り返されるところに在るもの―あるいは、繰り返されるところにしかないもの―。読者は、繰り返し、それに励まされます。おそらく、老若男女を問わず。

親から子へ、祖父母から孫へ。今はまだ強い者から、今はまだ弱い者への読み聞かせにぴったりです。

すっとぼけた絵が、また素敵なのです。

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