俳句雑誌『草の花』 6月号
『草の花』は、藤田あけ烏を師系とし、現在、名和未知男先生が主宰をされている。現在、大阪、名古屋、宮崎まで句会を展開し、主宰は満遍なく各地を訪問され、地方の吟行会にも出席されている。筆者は、『草の花』の講読会員に近いが、時折、横浜句会に参加させて頂いている。この2月程は、椎間板ヘルニヤ治療の為、句会には出席できないでいるが、毎月の投句は略継続している。
【今月のあけ烏句】
にはとりを撫でて六月二日なり
梅は実になりて机の狛土鈴
苗取の水おもしろく捌くなり
【「さねさしの」名和未知男】
黄心樹の咲き降臨の宮薫る
花曇り神降り立ちし峰遠き
知覧てふ名を畏みて一番茶
放屁一発春風の比企郡
亡き父の生まれし日なり蝶生まる
さねさしの相模の風や青き踏む
【今月の拙句】
(草の実抄:特選)
啓蟄や一日は本の虫となり
(草花抄:入選)
分け入つてまたその先も春の山
春愁や大空襲の記憶なほ
深川や三月十日落椿
亀鳴くを信じて探す谷戸の池
※筆者は、東京深川三好町生まれ。3月10日大空襲の被災者である。戦後70年を経て、この記憶を消す事が出来ない。現在の政局は、戦前回帰を企図している様だが、時間を巻き戻すことを容認する事は出来ない。
(平成29年5月28日記)
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