2023年5月7日。
ワグネル創設者プリゴジン氏はロシア国防省が弾薬を供給しなければバフムトから10日に撤退すると宣言していまっしたが、突然、今日になってプリゴジン氏はSNSで、
「我々は戦闘命令を受けた。我々に必要な弾薬と武器が約束された」
と述べ、バフムトでの戦闘の継続を発表。そして朝からバフムトで大規模な攻撃を開始しました。
明後日のソ連の対独戦勝記念日に合わせて、戦果を上げることをあせっているようにも思えます。
さらにバフムトで確保した陣地などをチェチェン共和国のカディロフ首長が率いる部隊に引き渡すとの意向を明らかにしました。
引き渡せるほどの陣地を確保できるでしょうか。
ウクライナ軍によると、ヘルソン州スカドフスク地区及びスカドフスク市の行政府は活動を停止しました。6日夜にロシアの占領管轄者は文書や備品など公的機関の財産を車に積み、7日朝に家族とともに同地を離れたそうです。同じような動きがヘルソン州の各地で目撃されているようです。
ベラルーシでも明後日の対独戦勝記念日に向けてリハーサルが行われています。
このようなニュースが多いです。
今日は特にベラルーシはニュースがありませんでした。
なので、私の職場発(公立図書館)のネタを書きます。
今はベラルーシは連休中なのですが、先日出勤すると職員ほぼ全員が集められて、上からの通達を聞かされました。
非常事態が起きたときの対応の仕方というものです。
この非常事態というのは、戦争かテロを前提にしているんだなと話が始まってすぐに分かりました。
てっきり来館者を非常口に誘導して早く外に脱出させましょう、という話になるのだろうと思っていたのですが、まず言われたのは、
「女性職員の職場でのハイヒール禁止」
でした。理由は危険から早く走って逃げられないから。
というわけで、図書館員はハイヒールを職場で履けなくなりました。
さらにこれに目を通しておくようにということで、文書になっている説明書がスクリーンに投影。
毒ガスにまかれたときの対処方法が書いてありました。
対処方法その1はガスマスクをつけること。しかし図書館にはそんなものは常備されていません。自腹で用意しろということなのかと思いましたが、別に強制ではなく、任意です。
他所方法その2は、ハンカチを鼻と口に当てること。さらにお酢を0.05%の割合で水に希釈したものをハンカチにひたすとよいとありました。
実際に毒ガス攻撃を受けたときにお酢を水に溶かしている暇はなさそうです。それに酢も図書館に常備していません。
ガスマスクよりお酢のほうが自腹で用意しやすいですね。
実際にこんなことする人はいないと思うけど・・・。
ちなみに火事のときの避難誘導などは定期的に行われています。ただ、日本ほど本格的にしていません。日本は自然災害があるから避難訓練は重要です。
でもこれからベラルーシでも避難訓練に力を入れるようになると思います。
そしてこの通達が終わって各自持ち場に戻ると、次には16ページに及ぶ文書のコピーが回ってきて、
「読んでおくように。読み終わったら次の人に渡すように。」
と回覧しないといけない。
何だろうと読むと、先日、大統領が発言した言葉を要領よくまとめたものでした。
それを読んでいたところ、「早く読んで早く次の人に回して。」と急かされる。どうもじっくり読んでいる人は少ないみたいでした。
それを無視してメモを取りつつ読みましたが、ベラルーシ大統領がベラルーシをめぐる現状について考えていることが非常によく分かりました。
分かりやすく日本語で書くと・・・
西側諸国からの経済制裁については、かえってベラルーシは得をしている。(ロシアへの食品輸出などが伸びた。)国民は心配するに当たらない。
(人手不足解消のため)保育園を充実させて、女性の職場復帰を促す。養子縁組が増えるよう国が支援する。
ポーランドなどの隣国が対ベラルーシ国境に沿ってフェンスを立てているが、ベラルーシからは壁は作らない。
ベラルーシは他宗教も尊重する。
将来ベラルーシは中国のようなアジアの国、イランのような中東の国と新しく同盟を結ぶほうがよい。
今のヨーロッパは変化して新生ヨーロッパになるほうがよい。
現代のベラルーシ人はリトアニア大公国時代やポーランド王国時代のことをいいように思いすぎ。(ベラルーシの歴史を振り返ると、その頃のベラルーシは栄えていたとか、いい時代だったとか思い込み、今は最悪と思っているベラルーシ人が多くいるが、それは間違いだ。)
リトアニア大公国もロシア語の国だった。(←私からのコメント。リトアニア大公国の文章語で公用語だったのはベラルーシ語であって、ロシア語ではありませんでした。この「ロシア語の国」というのは、ロシア語とベラルーシ語をひっくるめた東スラブ語系だった、というほうがより的確だと思います。)
戦争を前にベラルーシ国民が一致団結するのは史上初である。第二次世界大戦のときは、ソ連国民として一致団結して、敵(ナチスドイツ)と戦ったが、ベラルーシ共和国人として(ベラルーシ共和国が独立してから)戦争に直面するのは今回が初めてである。
ベラルーシ人抜きにベラルーシの平和は成立しない。
国としては武器の装備をしなくてはならない。国民は全員武器を扱えるようにしなくてはならない。
現在は歴史的転換期にあり、この先どうなるかは分からない。
第二次世界大戦以後、これほどベラルーシに敵が近くまで迫っていることはなかった。
今回の戦争がベラルーシの歴史で最後の戦争になることを願っている。
・・・国民向けのメッセージなのですが、大統領の考えていること、そして国民に言いたいことが伝わってきます。もっともわざと国民には言っていないこともあると思います。ただ、今回の戦争がベラルーシの歴史で最後の戦争になることを願っているというのは、大統領の本心だと思います。多くの国民も共感するでしょう。
ワグネル創設者プリゴジン氏はロシア国防省が弾薬を供給しなければバフムトから10日に撤退すると宣言していまっしたが、突然、今日になってプリゴジン氏はSNSで、
「我々は戦闘命令を受けた。我々に必要な弾薬と武器が約束された」
と述べ、バフムトでの戦闘の継続を発表。そして朝からバフムトで大規模な攻撃を開始しました。
明後日のソ連の対独戦勝記念日に合わせて、戦果を上げることをあせっているようにも思えます。
さらにバフムトで確保した陣地などをチェチェン共和国のカディロフ首長が率いる部隊に引き渡すとの意向を明らかにしました。
引き渡せるほどの陣地を確保できるでしょうか。
ウクライナ軍によると、ヘルソン州スカドフスク地区及びスカドフスク市の行政府は活動を停止しました。6日夜にロシアの占領管轄者は文書や備品など公的機関の財産を車に積み、7日朝に家族とともに同地を離れたそうです。同じような動きがヘルソン州の各地で目撃されているようです。
ベラルーシでも明後日の対独戦勝記念日に向けてリハーサルが行われています。
このようなニュースが多いです。
今日は特にベラルーシはニュースがありませんでした。
なので、私の職場発(公立図書館)のネタを書きます。
今はベラルーシは連休中なのですが、先日出勤すると職員ほぼ全員が集められて、上からの通達を聞かされました。
非常事態が起きたときの対応の仕方というものです。
この非常事態というのは、戦争かテロを前提にしているんだなと話が始まってすぐに分かりました。
てっきり来館者を非常口に誘導して早く外に脱出させましょう、という話になるのだろうと思っていたのですが、まず言われたのは、
「女性職員の職場でのハイヒール禁止」
でした。理由は危険から早く走って逃げられないから。
というわけで、図書館員はハイヒールを職場で履けなくなりました。
さらにこれに目を通しておくようにということで、文書になっている説明書がスクリーンに投影。
毒ガスにまかれたときの対処方法が書いてありました。
対処方法その1はガスマスクをつけること。しかし図書館にはそんなものは常備されていません。自腹で用意しろということなのかと思いましたが、別に強制ではなく、任意です。
他所方法その2は、ハンカチを鼻と口に当てること。さらにお酢を0.05%の割合で水に希釈したものをハンカチにひたすとよいとありました。
実際に毒ガス攻撃を受けたときにお酢を水に溶かしている暇はなさそうです。それに酢も図書館に常備していません。
ガスマスクよりお酢のほうが自腹で用意しやすいですね。
実際にこんなことする人はいないと思うけど・・・。
ちなみに火事のときの避難誘導などは定期的に行われています。ただ、日本ほど本格的にしていません。日本は自然災害があるから避難訓練は重要です。
でもこれからベラルーシでも避難訓練に力を入れるようになると思います。
そしてこの通達が終わって各自持ち場に戻ると、次には16ページに及ぶ文書のコピーが回ってきて、
「読んでおくように。読み終わったら次の人に渡すように。」
と回覧しないといけない。
何だろうと読むと、先日、大統領が発言した言葉を要領よくまとめたものでした。
それを読んでいたところ、「早く読んで早く次の人に回して。」と急かされる。どうもじっくり読んでいる人は少ないみたいでした。
それを無視してメモを取りつつ読みましたが、ベラルーシ大統領がベラルーシをめぐる現状について考えていることが非常によく分かりました。
分かりやすく日本語で書くと・・・
西側諸国からの経済制裁については、かえってベラルーシは得をしている。(ロシアへの食品輸出などが伸びた。)国民は心配するに当たらない。
(人手不足解消のため)保育園を充実させて、女性の職場復帰を促す。養子縁組が増えるよう国が支援する。
ポーランドなどの隣国が対ベラルーシ国境に沿ってフェンスを立てているが、ベラルーシからは壁は作らない。
ベラルーシは他宗教も尊重する。
将来ベラルーシは中国のようなアジアの国、イランのような中東の国と新しく同盟を結ぶほうがよい。
今のヨーロッパは変化して新生ヨーロッパになるほうがよい。
現代のベラルーシ人はリトアニア大公国時代やポーランド王国時代のことをいいように思いすぎ。(ベラルーシの歴史を振り返ると、その頃のベラルーシは栄えていたとか、いい時代だったとか思い込み、今は最悪と思っているベラルーシ人が多くいるが、それは間違いだ。)
リトアニア大公国もロシア語の国だった。(←私からのコメント。リトアニア大公国の文章語で公用語だったのはベラルーシ語であって、ロシア語ではありませんでした。この「ロシア語の国」というのは、ロシア語とベラルーシ語をひっくるめた東スラブ語系だった、というほうがより的確だと思います。)
戦争を前にベラルーシ国民が一致団結するのは史上初である。第二次世界大戦のときは、ソ連国民として一致団結して、敵(ナチスドイツ)と戦ったが、ベラルーシ共和国人として(ベラルーシ共和国が独立してから)戦争に直面するのは今回が初めてである。
ベラルーシ人抜きにベラルーシの平和は成立しない。
国としては武器の装備をしなくてはならない。国民は全員武器を扱えるようにしなくてはならない。
現在は歴史的転換期にあり、この先どうなるかは分からない。
第二次世界大戦以後、これほどベラルーシに敵が近くまで迫っていることはなかった。
今回の戦争がベラルーシの歴史で最後の戦争になることを願っている。
・・・国民向けのメッセージなのですが、大統領の考えていること、そして国民に言いたいことが伝わってきます。もっともわざと国民には言っていないこともあると思います。ただ、今回の戦争がベラルーシの歴史で最後の戦争になることを願っているというのは、大統領の本心だと思います。多くの国民も共感するでしょう。