ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2023年5月8日。ウクライナ侵攻から439日目

2023-05-08 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年5月8日。
 戦勝記念日前日。明日の式典のリハーサルに余念がありません。
 明日はミンスク市内のあちこちの道路が通行禁止になり、関連イベントに行くのも、手荷物検査を受けないといけません。

 ベラルーシ大統領が明日モスクワの赤の広場で行われる軍事パレード出席のためロシアを訪問しました。
 同じくカザフスタン、キルギスタン、タジキスタンの大統領、アルメニアの首相も出席する予定です。
 軍事パレードでは空軍機は今年は天候の条件のため、飛ばさないそうです。
 ベラルーシ空軍の軍事パレードの参加は例年どおりで、今日もリハーサルをしていました。


 ウクライナのザポリージャ州のロシア占領地統括責任者は、ウクライナ軍による「挑発行為」に備え、ロシア占領下のザポリージャ原子力発電所の一部の稼働を停止していると述べました。
 ともかく原発で事故が起きないよう祈るばかりです。

 
 今日、ポーランド当局は、ベラルーシとポーランドの国境で現在トラックが通過している唯一の検問所であるコズロヴィチにある検問所を封鎖したと発表しました。ポーランド時間の明日12:00、またはベラルーシ時間の13:00 に封鎖されます。
 これ、抗議運動なんですね。封鎖のために約100台のトラックが抗議に参加する予定です。このような国境地帯での抗議活動は、6月9日までポーランド側により許可されています。


 キーウの当局者は現地時間、今日午前0時過ぎにテレグラムのチャンネルで「キーウ郊外で防空が機能している」と述べ、空襲警報が鳴りやむまで避難所で待機するよう市民に呼びかけました。
 オデーサの軍報道官は、テレグラムのチャンネルで「敵のミサイル攻撃があった」と述べました。爆発が起こり、火災が発生したという報道もあります。
 ヘルソンでも爆発音がしたそうですが、詳しいことは不明です。
 明日はどうなるのでしょうか。
 
 イタリア外務省は今日、ウクライナに滞在している自国民に対し、直ちに国外退避するよう強く勧告しました。

 
 ウクライナ大統領は今日公開した動画で、
「多くの国がナチス・ドイツに対する勝利を記憶する日としている」
として、前日の8日を戦勝記念日とする法案を議会に提出すると明らかにしました。
 日本の一部メディアで、戦勝記念日をロシアが定める5月9日ではなく、8日にすることにより、ロシアと決別しようとしていると報道しています。
 しかし、対独戦勝記念日を5月9日と定めたのはロシアではありません。ソ連です。

 それから、ウクライナ大統領が戦勝記念日を5月8日に1日早めたように見えるし、1日ずらすならじゃあ、どうして5月10日にしないのか?と日本人には不思議に思えますが、実際には対独戦勝記念日は5月8日でもあるからです。
 5月8日はナチス・ドイツが無条件降伏文書へ署名し、「連合国」が戦争に戦勝したことを記念するヨーロッパ戦勝記念日です。
 そして5月9日は当時の「ソ連」がナチス・ドイツからの解放を記念する対独戦勝記念日です。これはナチス・ドイツの無条件降伏文書の署名が、時差のためモスクワ時間では5月9日午前2時15分だったからです。
 ウクライナは第二次世界大戦時、ソ連の構成国だったので、戦後毎年5月9日にお祝いをしていました。
 しかし、今のウクライナではロシアから距離を置きたいという姿勢が、ヨーロッパに仲間入りしたいという姿勢と同じ意味になっているようです。
 5月8日を戦勝記念日にするのは根拠があるのでいいですが、ウクライナ大統領は5月9日については「ヨーロッパの日」として、ナチスとロシアに対するヨーロッパの団結を示す日にするとしています。これは何だか変ですね。ウクライナの議会に提出したそうですが、ヨーロッパ側からの賛成がないと成立しないのでは?
 それより、別の新しい「ウクライナの戦勝記念日」を制定したいと思っているでしょうね。それはいつの日付になるのでしょうか。実際にその日は訪れるのでしょうか。