ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2023年5月9日。ウクライナ侵攻から440日目

2023-05-09 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年5月9日。
 今日は第二次世界大戦の対独戦勝記念日です。
 ベラルーシのテレビ番組表を見たら、午前11時から戦勝パレードという番組があったので、モスクワの戦勝記念式典に出席しているベラルーシ大統領がいないのにパレードを始めるの? と思っていました。
 結局モスクワのパレードを見てからベラルーシ大統領は専用機で帰国。
 戦勝記念式典はミンスク市内の勝利広場で夕方7時から始まりました。いつものように各界代表からの献花、国防相の挨拶などがありましたが、大統領の祝辞はなく20分で終わってしまいました。え、これだけ? 
 何の混乱もなかったのは良かったですが。ただ日が暮れたら花火が上がります。
 その他各地でコンサートなどは行われている模様。

 モスクワの赤の広場でのパレードも戦車が一台だけ(しかもT-34で、古すぎると言う意見も。ただT-34は第二次世界大戦時代には最新型だったので、対独戦勝記念日に引っ張り出して見せるのは正しい判断ではあります。)
 前年と比べると非常に小規模でした。主な軍の装備(戦車など)は前線に持って行っているので、赤の広場で見せるものがないのでしょう。
 ベラルーシも空軍がリハーサルをしていましたが、実は戦勝記念式典のリハーサルではなくて、別のリハーサルをしていたのでしょうか。
 ミンスクでももちろん戦車などのお披露目はありませんでした。

 ニュース映像を見た限りでは、地方都市の記念式典のほうが規模も内容もミンスクより盛大なように見えました。いかにもその町の地元の人達が戦争中に戦死した地元出身者の慰霊や、戦争を生き延びた人を招いての式典に見えます。招かれている人たちのことも地元の人達はみんな知っていて、自分のおじいさんが、おばあさんがあのときは・・・と思い出すような戦勝のお祝いの雰囲気があります。
 ミンスクは首都なので、政治色がどうしても前面に出てしまっているんですよね。周りは厳戒態勢で、ムードも緊張気味。
 挨拶の言葉も国防大臣が出てくるので、内容も(今は戦時中だし)先の大戦以降、ベラルーシ人は平和を願い続けているとしながらも、今の戦争について、ロシアと欧米諸国との大規模な代理戦争であり、
「ベラルーシ軍は、ベラルーシの神聖な国境に侵入してくる者を撃退する準備ができている。」
という気の強い内容でした。昔の戦勝より、現在進行中の戦争の行く末のことでみんな頭がいっぱいです。しかたないことです。


ロシア民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏は今日、ロシア政府から約束された弾薬をまだ受け取っていないと述べました。
 結局もらえなくて、本当に10日(明日)バフムトからワグネルは撤退するのでしょうか。

 さらにプリゴジン氏は「ロシア国防省の1部隊がわれわれの隣(の拠点)から逃げ、前線に穴を開けた」と動画内で述べ、ロシア軍が弾薬を供給しないのならばワグネルはバフムートから撤退すると再び警告しました。
 ロシア軍が前線から逃げ出しているということです。
 プリゴジン氏はウクライナ側は国境近くのロシア領への攻撃を成功させていると主張しています。敵を褒めていますよ。戦勝記念日にこんなメッセージ動画を上げるなんて・・・
 もっともプリゴジン氏が言っていることも本当かどうかはっきり分かりません。何かの思惑があって、わざと嘘を言っているかもしれません。

 
  ウクライナに接するロシアのベルゴロド州知事は、同州南部のシェベキノがウクライナ軍による3度の砲撃を受けたほか、他の5つ以上の集落も攻撃され、少なくとも5人が負傷し、家屋や送電線も損傷したと通信アプリ「テレグラム」に投稿しました。
 また、8日遅くにロシアの防空システムが同州バルイキの上空を飛行するドローンを撃墜したとも述べました。


 ウクライナ側は、ロシア軍が9日朝にかけて巡航ミサイル25発をキーウなどに発射し、うち23発を迎撃したと報じました。


 ロシアのアンドレーエフ駐ポーランド大使は今日、対ナチス・ドイツ戦勝記念日にワルシャワの旧ソ連兵墓地へ献花のため訪れましたが、ウクライナ人活動家数十人の抗議活動にあい、墓地に入るのを阻まれました。
 この時期この立場の人にとっては避けられない仕事ですね。