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*いよいよ今年最後のめーる通信ですね。私の一年を振り返ってみると、ブリストルとケントの間を行ったり来たりで半年を過ごし、後の半年は家を買ったり、引越ししたりで忙しく終えたというかんじでした。
ティクナットハンに再会したのもよかったし、オーストラリアのホリデーは鮮やかな色を体験できて、今年も私にとっては、すばらしい一年でした。
皆さんにとっては、どんな一年でしたでしょうか?
今年も本当にお世話になりました。いろいろ支えてくださってありがとうございました。それでは、よいお年を。
第七十八話 魂に触れる時
週5日、朝9時から夜6時まで患者さんたちと向き合っているので、私の一年は病院で過ごした、といっても過言ではないのですが、仕事はどこまでも改善でき、新たな学びはつきません。
30人以上の患者さんを持っているというのは実は大変な数で、毎日個別のセッションのほかに、3セッション3人づつほどのグループアートセラピーを運営して、毎晩へとへとで帰宅するという具合です。患者さんを診る回数を減らすこともなかなかできないし、新しい入院患者さんも増えるしで、どうしたらいいのか?
もちろんセラピーは量ではなく中身の深さなので、いつも自分自身に、魂と経験とインスピレーションを使いベストを尽くしているのかと、問うていかなくてはなりません。
これは3分ほどのアルツハイマーの患者さんの、魂に触れるようなセラピーのビデオです。私の患者さんもこんな感じで話ができない人がたくさんいます。
http://www.youtube.com/watch?v=CrZXz10FcVM&feature=player_embedded
一年を振り返り、この患者さんはずいぶんと反応できるようになった、あの患者さんはこんなに絵が描けるようになった、と目に見えた変化があるのはうれしいことですが、ほとんどの患者さんは、その一緒にすごした時間、美しく輝く色を見て共有した感動そのものに意味があるのでしょう。
絵筆を動かすことも、色を見ることもすらもできない患者さんもいて、そんな患者さんたちの魂に触れるにはどうしたらいいのか思索しながら、除夜の鐘ならぬビックベンを聞きながら、大晦日の夜は更けていくのです。
(間美栄子 2010年 12月15日 http://blog.goo.ne.jp/nefnefnef)
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